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池上彰の未来を拓く君たちへ3

こんにちは、のぐです。今日の書籍は池上彰さんの「池上彰の未来を拓く君たちへ」です。いつものように、本記事でご紹介する内容をA4にまとめてみました(本記事では[左半分]をまとめています)。池上さんは、東京工業大学の大岡山キャンパスを拠点として、日本や世界の情勢を見たり聞いたりして考えたことを、日本経済新聞朝刊の「池上彰の大岡山通信 若者たちへ」と題したコラムに連載されてきました。本書は、この連載をまとめて加筆されたものとなっているそうです。時代を理解し、ニュースの本質を見極めるための「教養」として、興味深い内容が多々ありましたので、ご紹介させていただきます。

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結論

本書では、未来を拓く若者たちへのメッセージがジャンル別に記されています。大きく分類させていただくと、「働くこと」「メディアリテラシー」「世界情勢からの教訓」「日本情勢からの教訓」といった形になるかと思います。一つ一つ細かくご紹介することは、それぞれの記事で担わせていただき、この[結論]では、それぞれのジャンルごとの結論をお話ししていきます。

働くこと
「働く」とは、「価値を提供して、それに見合った給料を得ること」です。給料を得るからには、「プロフェッショナル」でなければならないと池上さんは仰っています。皆さんは次のどちらの陶器を買いたいですか。

A. 「その道20年、どのようにしたら『味が出るか』を考え続け、職人技に磨きをかけたプロフェッショナルが作成した陶器」

B. 「ろくろを回すのは趣味で、月に2,3回の頻度で作っている陶器」

陶器づくりのような職人さんはわかりやすい例ですが、ビジネスの現場でも同じことが言えますね。

メディアリテラシー
「ポスト・トュルース」の時代に、時代を見極める視点を持ち、自らの生き方、働き方を考えましょうと仰っています。

「ポスト・トュルース」とは、情報が事実かどうかよりも、情報の受け手の感情が信念を動かす情報の方が世論を形づける上で重要な役割を担っている状態。スマホの普及により、誰でも不特定多数の人々に情報を共有できる時代となったことが原因とされる。

世界情勢からの教訓
これからは、『真のグローバル人材』が求められます。こちらは、英語を話せるだけではなく、「教養」が求められます。ここでいう「教養」とは「言語や文化、価値観の異なる他者を知り、新たな共存関係を築く力」であって、「リベラルアーツ教育」の重要性が増している背景には以上のような経緯があります。

日本情勢からの教訓
「財務省決算文書の改ざん問題」を示された後に、池上さんは若者たちに向けてこのように問いかけています。

「君たちはどう生きるのか」
「どのような責任をもって生きるのか」

[結論]はここまでと致しますが、これを補足するような形で、4記事に渡って、本書の内容や魅力をご紹介していこうと考えています。私たち若者には、胸に刺さる内容が数多くありましたので、ここまでの[結論]でご興味を持っていただけたら、ぜひ続きもご覧ください。なお、本記事は2つ目の記事です。

一つ目の記事: 働くこと、生きること

二つ目の記事: 「ポスト・トュルース」時代のメディアリテラシー

3. 世界を読む 未来を見通す力を養う

君たちが築く明日の世界

『真のグローバル人材』になるためには、英語を話せるだけでは足りません。「言語や文化、価値観の異なる他者を知り、新たな共存関係を築く力」である「教養」を身につけないと恥ずかしい思いをするかもしれません。

例えば、東南アジアで働く際に親日の方が多いですが、これには文脈があります。日本はASEAN最大のODA供与国として,社会インフラ整備から遺跡の修復まで幅広い分野で協力しています。これには第二次世界大戦以前、「大東亜共同宣言」による、日本軍の "事実上の東南アジア地域の占領" が背景にあります。これに関しては、当時の東南アジアの経済発展に一役を買ったという見方もありますが、非道行為も多々あったそうです。

日本政府は、当時の反省として、東南アジア地域の金銭的援助やインフラ構築の援助を積極的に行なっていて、親日でいてくれる現地の方が多いのです。(写真はシンガポールに旅行に行ったときのものです: 日本軍占領による市民犠牲者の記念碑)

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日本人として、このことを胸に刻んでおかないとなりません。東南アジアの方々はほとんど全員このことを知っています。

このような「歴史的背景を理解して、新たな共存関係を築く」という行動が「教養」ある行動と言えます。

平和の祭典

朝鮮戦争の当事者「北朝鮮」と「韓国」は平昌五輪で合同チームを結成しました。

朝鮮戦争とは、元々は同じ民族であった朝鮮半島に住む方々が冷戦時に、ソ連とアメリカの対立に巻き込まれ、南北に分断が起きてしまった戦争。現在の韓国は南の地域にてアメリカ主導の自由資本主義側であり、現在の北朝鮮は北の地域にてソ連主導の社会主義側でした。今尚、休戦状態が続いている。

今回は、韓国側の「北朝鮮に対する主張」についてピックアップします。休戦宣言から65年経った今、世代によって人々の考え方が異なっています。

60際以上の高齢世代: 朝鮮戦争を肌で感じており、憎しみが強い
中堅世代: 戦争を知らないので反感が薄い
若者世代: 知っていたとしてもイメージが湧かず、北朝鮮はもはや異質の国

今後、この二国間の関係はどのよう変遷を遂げるでしょうか。

アメリカ「パリ協定」離脱 「自国第一主義」に拍車かかる

トランプ大統領とその支持者である石油産業や石炭事業などは、結びつきが強いです。ここに温室効果ガス削減を柱にした地球環境対策を講じるような協定を結んでいるとイメージダウンに繋がるとして、「パリ協定」からの離脱を宣言していることだと考えます。

アメリカでは、シェールガスを燃料とする発電を試みていますが、新たな地球環境対策となり得るのか世界が注目しています。

「重商主義」と「ポピュリズム」の教材としてのアメリカ

経済学で頻繁に現れる単語として「重商主義」があります。また、政治学で頻繁に現れる単語として「ポピュリズム」があります。ともに意味は以下のようになるのですが、それらはアメリカの戦略と言えそうです。

「重商主義」...海外からの製品に高い関税をかけることで国内産業を守ろうとする考え方。アダムスミスは「国富論」で「輸入の規制を緩和することで国内産業が潤う」と批判している。
「ポピュリズム」...有権者の意見を取り入れた上で政治を担当する思想。一部の有権者のための政策を講じ、国全体に悪影響を及ぼすことが危険とされている。

トランプ大統領は、この二つを政治に取り入れており、世界から問題視されています。重商主義に関しては、アメリカが世界各国から報復関税を受けると、大惨事となってしまうかもしれません。

何と言っても、世界大恐慌から第二次世界大戦に至るまでの悪魔のシナリオはこのようにして起きてしまったのですから...。果たして、世界の主要各国が掲げる「自国ファースト」は「吉」と出るのでしょうか、それとも「凶」と出るのでしょうか。

まとめ

「人種差別」「経済的格差」「地球環境問題」など、何れかのタイミングで世界が協力しないと解決できない課題が山積していることは事実です。そのためには、一人ひとりが「教養」を身につけ、『真のグローバル人材』となり、文化や価値観の異なった方々と新たな共存関係を築いていく必要があると考えます。


最後に、本記事をご覧になった皆様の今後のご多幸をお祈り申し上げます。
それではまたの出会いを楽しみにしております。

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