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(D83) 「自分が気に入った人の言うとを聞いたほうが楽というマインド」がインフルエンサー経済の本質-2 (2019.11.7) by 黄未来+尾原和啓 より抜粋加筆しました。

⑵ アジアと比べて割高の日本の通信量

黄 中国はパケ代が安いし、4Gなのに感覚的にすごく速いんです。

だから、今の中国のネットを見ていると、5G時代の日本を先取りして見ているような気分になります。

尾原 今の中国、アジアの4Gの使い方を見ると、日本の5G時代がわかリます。


⑶ テクノロジーのフォーマットが社会の価値観を決めて、社会の価値観がテクノロジーを決める

この往復がおもしろいです。

ネットが前のめり(lean forward)になって使うものから、
ソファにゆったりもたれかかりながら(lean back)使うものに変わってきた、ということなんです。

その違いを端的に表しているのがパソコンとスマホの違いで、
パソコンは電源を立ち上げるのも面倒くさいし、デスクの前に座らなければいけないから、どうしても「よっこらしょ」というネットなんです。

そうすると、どうしても「これをやりたい」という目的があるときだけ使うものになってしまう。


前向きのネットは機能が大事だけど、
ゆったりダラダラのネットは、どちらかというとエモーショナルで、目的をもって探す「検索」から「探索」が中心になってきました。

この「探索」型を、黄未来さんは「レコメンド」と言っているわけです。


中国では、TikTokが「探索型インターネット」を支配していて、
今や何から何までTikTokで見て決めています。


黄 中国はインフルエンサー・マーケティングが完全に定着していて、日本ではまだブームが来ていないライブコマースも流行っています。

ライブ配信でインフルエンサーがモノを売ると、かなり売れるんです。
中国のトップの美容系のインフルエンサーは、1回の配信で3時間もやったりするんです。

見ているほうも、ダラダラ見ているからいいんです。

で、おもしろかったのは、
30分かけて1つの商品を売ったあとに、
「みんな疲れたよね。疲れたからちょっと休もうよ。僕も休むから」と言って、そのインフルエンサーがお菓子を食べ始めたんです。

「僕、抹茶が好きなんだよね」と言って、
抹茶のお菓子を食べていたら、その抹茶のお菓子が超売れました。


リーンバックで、誰かが決めてくれたほうが楽なんです。
お菓子も、ちょっと食べたいと思った時に、
スマホで見ている人が「おいしいよ」と言ってくれたら、それを買う。

自分でいちいち選ぶより、「自分が気に入った人の言うことを聞いたほうが楽というマインド」が、
インフルエンサー経済の本質だということです。


ECの時代が何年も経過した今、
何がなんでも欲しいという物欲が薄れてきた感があります。

自分で考えて欲しいものを探すよりも、
人から自分に合うものを教えてもらう方が圧倒的に楽です。

ニーズが変わって来ています。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp