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(R12) 「私は女性科学者じゃない」英国のワクチン開発を率いたオックスフォード大教授がついたため息 (2021.4.12) by 冨久岡ナヲ より抜粋加筆しました。

⑴ 前代未聞の速さとスケールで、集団接種を行うためのプロジェクトを指揮するのに適した人物は誰か

英国首相ボリス・ジョンソンが連絡したのはケイト・ビンガム博士。
「キミに、人々が死んでいくのを止めてほしいんだ」


首相は、公衆衛生庁を飛び越して、
民間のコンサルタントを起用した。

オッスフォード大学で生化学を学んだあと、
金融分野に転じ、バイオベンチャー相手の投資コンサルタントとして活躍。

ビンガム博士はこの役目を無償で引き受けた。


⑵ ビンガム博士は特別チームを編成

博士が招集した面々は、
製薬業界の裏事情に詳しいビジネスマン、武器輸送の専門家など、まるでアウトローを集めた映画のキャストのようだった。


①国防省潜水艦配置局から引き抜かれたルース・トッドさんは、以下の提案をする。
「開発中のワクチンすべてに暗号名をつける」

当時120ほどあった開発中ワクチンの中から、
どれが選ばれるかが外部に漏れないようにした。


英国は世界に先駆けて、
ドイツのファイザー製ワクチンを承認し、2020年12月3日から全国で一斉接種をスタートさせた。


②ワクチン承認の決断を下したのは、
英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)の最高責任者ジューン・レイン博士。


ワクチンの手配や接種の開始が早期に実現した理由として、以下。

Ⓐオックスフォード大研究者たちが、
すばやく開発に着手していたこと

Ⓑ臨床試験の開始と同時に製造の準備を進めたこと

Ⓒ英国がすでにEUを離脱し移行期間に入っていたため、
こうした決定を自国だけで行うことができたこと


⑶ 英国型変異株を発見した「変異株ハンター」

2020年秋に英国型変異株を発見し、
いち早く政府に警告を発したのは、ゲノム解析のエキスパート、ケンブリッジ大学のシャロン・ピーコック教授。


感染が広がり始めるとすぐに、以下に仲間に呼びかけた。
「どんどん変異するこのウイルスを、
常時モニターする必要がある」

教授は政府に働きかけ、
新型コロナウイルスのゲノム解析を行う組織、COG-UK(COVID-19 ゲノミクスUK)設立の予算を獲得した。


現在、国際コロナゲノムデータベースGISAIDに、
収められているデータの50%は、ピーコック教授率いるCOG-UKが解析したもの。

ピーコック研究所も25人の研究者のうち、
18人が女性で、女性管理職は教授の他に3人いる。


⑸ 子育てとキャリアの両立や、女性に対する偏見は、誰もが直面する普遍的な課題

乗り越える上での一つのカギは、
「チームワーク」


ギルバート教授は語る。

「人生は計画通りには行かない。
でも科学を続けながら子どもを持ちたいなら、
できるだけ早くから周りにサポート網を作っておくことが何よりも重要」

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp