(E51) 新型コロナウィルス対応の経済対策は”経済的な死者”の急増阻止を最優先に (2020.3.24) by 斎藤太郎 より抜粋加筆しました。
⑴ "経済的な死者"を増やさないことが重要
新型コロナウィルス感染症による死者は現時点で約1万3千人(3/22時点)ですが、
世界各国が渡航制限、移動制限、店舗閉鎖、イベント中止など経済活動の大幅な制限に踏み切ったのは、
そうしなければ経済の悪化によって失うものよりも、感染拡大によって失うもののほうが大きいと判断したためと考えられます。
コロナショックに対する経済対策は、
経済活動の収縮による損失を可能な限り小さくすることに重点を置くべき。
新型コロナウィルスの感染拡大による死者を減らすことが出来たとしても、
経済的な死者をそれ以上に増やしてしまえば、新型コロナウィルスとの闘いに負けたことになリます。
ここでいう「経済的な死者」とは、
失業などの経済問題を理由とした自殺者のこと。
失業者数と自殺者数、
とりわけ経済・生活問題を原因とした自殺者数には強い相関関係があリます。
日本の自殺者数のピークは2003年の34,427人。
その時期は失業者数のピーク(2002年の359万人)とほぼ一致しています。
2010年以降は雇用情勢の改善に伴う失業者の減少とともに10年連続で減少し、2019年には20,169人となりました。
今後、景気の急速な悪化によって、
失業者、自殺者が急増するリスクがあり、これを防止することを今回の経済対策の柱とすべきです。
⑵ 通常の経済対策とは違う
失業者、自殺者を増やさないために必要なことは、「企業の倒産を防ぐ」こと。
現在は政府が感染拡大を防ぐために、人為的に需要を抑えているという極めて特殊な状況にあリます。
所得税、消費税の減税や給付金の支給は、
通常の景気後退期であれば消費押し上げ効果が期待できますが、消費の場が失われたままでは意味をなさないでしょう。
⑶ 倒産→失業→自殺の悪循環を断ち切る
足もとの景気悪化は、経済的な被害が一部の業界に偏り、かつその被害が極めて大きいことが特徴。
現時点では、旅行、宿泊、航空、外食、レジャー関連などの業界が甚大な被害を受けている一方で、悪影響が限定的にとどまっている業界も少なくない。
減税や給付金のように広く薄く恩恵が及ぶような政策は適切とはいえず、一点集中型の対策を講じるべきです。
すでに政府が打ち出している中小企業の資金繰り支援、休業補償、雇用調整助成金の拡充などは一定の効果があると思われますが、現在直面している事態への対応として十分とはいえません。
たとえば、コロナショックの影響を強く受けた企業の多くは事業存続の危機に瀕しています。
企業が倒産してしまえばこの制度は意味を持たなくなリます。
重要なことは倒産、失業の増加を防ぐために、
コロナショックの影響で消失した企業の売上高を日本政府が補填することに踏み込むべきでは?
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