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(V53) 電通は230人を個人事業主化。シニア社員の生きる道。子会社が元社員らと10年間の業務委託契約を結ぶ-1 (2021.1.8) by 田村賢司 より抜粋加筆しました。

⑴ 企業と個人の関係はこれからどう変わっていくのか


Ⓐ大卒の入社時から「能力評価」によって、
初任給に差を付け始めたソニー。

Ⓑ支店長が目指すポジションという行員一体の価値観と、人事コースを破壊し、入行時からITやDXなどの専門分野にも進む仕組みを取り始めたりそなホールディングス。

Ⓒ100人に及ぶ副業人材を受け入れ、正社員が中核となって動かすという会社の在り方自体を変え始めたヤフー。


①本社も東京から離れ始め、個人の働き方と場所も、
集中・固定化から、分散・柔軟化へ動く。

②その中で中高年の働き方と企業との関係にも、
変化が生まれ始めた。


⑵ 電通は2021年1月から中高年の一部の社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始めた


①同様の仕組みは、タニタも2017年1月に導入しているが、
大企業では初めて。

個人と企業の関係が大きく変わる中、
企業、個人双方から注目が集まる。


②対象は、中高年が対象。

Ⓐ新卒で入社した社員の場合は、勤続20年以上で60歳未満
Ⓑ中途採用の場合は、勤続5年以上で40歳以上60歳未満


③2020年7月下旬~8月末まで社内公募し、約230人が決まった。

電通は、20年11月に事業を支援する100%出資の子会社、
ニューホライズンコレクティブを設立。


ニューホライズンが元社員らと10年間の業務委託契約を結び、
平均で社員時代の年収の50~60%相当の報酬になる仕事を確保されるという。


④個人事業主になった人が外で獲得してきた仕事で、
他のメンバーに協力をしてもらいながら実施するような場合は、この子会社が受託して、対象者らが引き受ける形になる。


ただし自ら開拓して自分で仕事が完結するような場合は、
子会社を通さなくていいことになっている。

年収はこうした自ら作っていく仕事の中で、
増やしていくことになる。


⑤狙いは、電通にとっては今まで取れなかったような、
新たな分野の仕事を獲得すること。

電通の社員で、発案者の一人でもある野澤友宏氏らは話す。
独自の試みの狙いは以下。


・人生100年時代の新たな働き方を模索すること

・これまで電通が受託していないような、新たな仕事を探し事業創造につなげるきっかけにすること


人件費など電通のコストでは難しかった小さな仕事や、
地方自治体の業務受託などを掘り起こしていくということなのだろう。

個人は自らの努力と意志で立っていく覚悟が必要になるのだろう。


⑶ 電通は会社都合で、
契約を切られることはない点で、「優しさ」はある。

しかし、スキルの向上もなく、
覚悟もなく10年を過ごすのは容易ではないはず。


「自立」は、コロナ後の企業と個人の関係のカギ。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp