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(48) 大企業の正社員が抱える閉塞感は長期観察で人材を評価する日本企業の独自性にある(トヨタ社)-3 (2020.9.10) by 髙木一史 より抜粋加筆しました。

⑻ 3年目も経過して、10人いたはずの人事同期は半分以上が辞めた

以下を言って辞めていく同期達に、僕は何も言えなかった。
「閉塞感に、耐えられなくなった」


⑼ どうして、一社終身雇用を前提とした契約の形しかないのだろう

副業、業務委託、または週3正社員など、
もっと多様な契約の形があれば、ゼロイチの苦しみを味あわなくて済むのに。


トヨタは7万人のチーム。
役割に応じて事情も違えば、困りごとも違う。


僕の目の前にはとてつもなく大きな壁があった。
ⓐ時間、場所の自由は利かない
ⓑ情報伝達のコミュニケーションは一方通行で限定的
ⓒ突然ほかの部署に配転・転勤させられてしまうかもしれない
ⓓ何十年と年齢を重ねても専門性はない
ⓔその頃には評価の軸が変わっている可能性がある


副業や、会社との多様な距離感が禁止されているこの会社では、もはやしがみつくしか道はない。

そんな中、僕は今の想いを持ち続けたまま、
トヨタの人事労務管理の仕組みを改善することができるだろうか。

あまりの壁の巨大さに、ひどい無力感を覚えた。


(10) 会社で働く人が抱える「閉塞感」をなくしたい

僕が感じていた会社の「閉塞感」を因数分解してみると以下です。

「1人の人間として重視されている感覚の薄さ」
×「自分1人では何も変えられないという無力感」


以下に起因される。
①採用、契約、場所、時間、配置・異動、評価・報酬、健康、コミュニケーション、育成、退職という、人事労務管理の代表的な10領域に選択の余地が限られている

②かつそれらが複雑に絡み合っていて、自分1人では何も変えられない


今ある「会社」の仕組み・構造が問題だ、と。

大企業の正社員が抱える閉塞感は以下にあります。
「長期観察で人材を評価する日本企業の独自性」


「能力」によって全社員を査定し、「資格」を付与する職能資格制度は、日本企業の特徴といえます。

以下で従業員を評価するという仕組みです。
「学歴や就労年数の反映である職能=社内のランク」


これが連綿と続いている理由は以下です。
「企業を横断するような評価基準がないから」


EUでは以下を作っています。
①国を超えて共有できる学位
②職業資格の基準

転職の場合でも、新卒の就職の場合でも、
基準に則った資格を提示することで、国を越えて相応の職を得ることができます。


日本では企業横断的な基準がないので、以下になります。
「企業は従業員を10年単位の長期観察して、評価するしか方法がない」


以下の「姿勢」を上司が観察することによって、社内ランクが決まります。
❶3年、10年、どんな働き方をするか
❷真面目に仕事をするか


昇給金額やボーナス金額が不満の場合、
1年で退職していく中国では、日本の評価方法は合いません。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp