(H68) ESG投資の割合は、欧州市場では既に占有率5割-3 (2020.6.19) by 三井久明 より抜粋加筆しました。
⑺ 「現代奴隷法」の特徴は第一に、企業にサプライチェーン上の状況の確認を求めていること
自社の事業所や工場だけをチェックすれば済むのではなく、
国内外の下請け、孫請け、調達先、廃棄物処分場などを含む、すべての事業所が確認対象となります。
強制労働や児童労働のリスクの有無を確認することができなければ、英国市場から排除されることになりかねない。
⑻ 第二の特徴は、「声明」をウェブサイトなどで公開することを義務付けている点
人権問題に関する国際的な関心の高まりを受け、
人々の目に晒されることを通じて、企業の行動に影響を与えてゆこうという意図があります。
特に、グローバル展開する大手企業にとって、
世界の人々にどのように見られるかは大きな問題です。
サプライチェーン上の人権状況のチェックという行動を通じて、以下はつながることになります。
①民間企業のサステナビリティ
②SDGsの達成
⑼ 資金調達
SDGsが国連総会で採択されたのは2015年であったが、2006年に当時の国際連合事務総長であるコフィー・アナンが「責任投資原則」を金融業界に対して提唱しました。
この原則において、機関投資家に、
ESG(Environment、Social、Governance)課題という概念を用いて、環境、社会、ガバナンスの3つの観点から投資判断することが提唱されました。
責任投資原則は、法的拘束力のない任意の原則です。
しかし、同原則に賛同する機関は徐々に増加し、
2018年には、全世界で2,000以上のアセットオーナーや運用会社などが同原則に署名しています。
日本でも、象徴的であったのは、
2015年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がこれに署名したことでした。
署名後にGPIFは、
資金運用に際して「ESG指数」を採用するとともに、
2017年に投資運用原則を改正し、すべての資産でESGの要素を考慮した投資を進めることを表明しました。
この指数の採用を受けて、
多くの投資家が、ESG投資に取り組むこととなりました。
世界全体のESG投資残高は以下です。
2015年末は、23兆ドル
2017年末は、31兆ドル(34%増加)
ESG投資の割合は以下です。
①欧州市場では、既に5割を占めている
②日本では、18%に達する勢い
ESG投資は、
投資家の中長期的な安定を図るものと考えられています。
社会や環境を意識した投資は、
中長期的な財務リターンも高く、また、投資リスクが小さいと判断されるようになった。
社会や環境の持続的開発に貢献が著しい企業は、
長期的に安定して成長する可能性が高いと判断され、投資対象となります。
これがESG投資の考え方です。
しかし、ESG投資のデメリットは以下です。
「短期的なリターンは期待できない」
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