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(C77) 中国の5Gライセンス発給に見るマーケットの行方-1 (2019.8.15) by (株)情報通信総合研究所 町田和久 より抜粋加筆しました。

⑴ 中国ではICT主管庁である工業・情報化部(MIIT)が2019年6月6日、以下の4社に5Gライセンスを発給しました。
①China Mobile(中国移動)
②China Telecom(中国電信)
③China Unicom(中国聯通)
④China Broadcasting Network(中国広電)

苗圩MIIT部長は、
免許発給セレモニーの場で、
5Gライセンス発給後も引き続き、
中国5G市場への外資企業の積極的な参加を歓迎し、共同で中国の5Gの成果を共有したいと強調しています。


⑵ ライセンス発給に至る最近の動き

2019年1月初め、苗MIIT部長は以下に述べました。
「2019年は5Gの商用普及を推進する。
一部地域に間もなく5G臨時免許を出し、2019年後半には(ユーザーは)各種5G端末を利用していることだろう」


中国における5G向け周波数の割当については、
2018年12月の段階で通信事業者3社に対して次の形で配分されることが確定したと伝えられていました。

中国電信が3.5GHz帯で3.4~3.5GHz
中国聯通が3.5~3.6GHz
中国移動は2.515~2.675GHzと4.8~4.9GHz

この割当計画を受け、その後キャリア3社の5G展開については歩みが加速し、3社の5Gネットワーク構築基本戦略も確定しました。


各社のサービス開始予定時期などから判断すると、2つの方法に分かれました。
❶中国移動と中国聯通:
NSA(Non-StandAlone):4G/LTEコア網の上に制御網として活用する

❷中国電信:
SA(StandAlone)


これまでの設備構築面のキャリア3社の推進状況は、
2019年に5G関連で以下の投資をそれぞれ行う計画であると伝えられました。
①中国移動は3~5万基の基地局、投資額は172億元
②中国電信は基地局2万基、90億元
③中国聯通は基地局2万基、60~80億元

3社は中国の全国10数都市で5Gネットワーク試験、サービスでも、ユーザー体験募集などの実施を進めています。


2019年6月の5Gライセンス正式発給後に、
中国移動、中国聯通の5G展開予定都市は、
直轄市・省・自治区すべての省都や主要都市合計40カ所。

中国電信は17都市で5Gトライアルを実施中。


5Gの特徴は以下。
❶高速大容量
通信速度が10Gbps以上(4Gの100倍以上)
❷低遅延
1/1000秒以下。遠距離通信でずれが生じにくい
❸他接続
1K㎡あたり100万台以上のデバイスが同時接続
❹低コスト
消費電力が4Gに比べ1/2~1/3


既に正式な商用サービスとして展開している地域は以下。
米国(2019年4月に開始)
韓国(2019年4月に開始)
オーストラリア
中東諸国
欧州諸国
北欧

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