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エッセイ311.あの人への長い道のり(1)

今日の朝イチの生徒、子供生徒くん・弟の方に、

お姉ちゃんのレッスン終わったら、
お母さんにここに来てって言ってね?

と言いました。
弟君の後にレッスンが始まったお姉ちゃんにも、

レッスンが終わったら、お母さんにここへ来てって言ってね?

と、同じことを言いました。

アメリカ在住の姉弟とは、大きな時差があって、こちらの朝はあちらの夜。
そのお母さんであるMさん(日本人と話そうと思っても、なかなか都合が合いません。
オンライン飲み会がしたくても、ぐいぐい行けるのは夜の時間帯にいる方だけ。これは仕方がありません。

私は子供二人が家を巣立ってしまって、外国人の夫と二人暮らしになり、
そうなるとさあもう、今のトレンドのことが一つも入ってきません。
前は「あいのり」「テラスハウス」(もう古いか)のこととか、よく知っていたし、若者言葉もよく聞いていたのに残念です。

また、夫が話に出してくるセレブや、歌手や政治家や世界情勢については
知らないことの方が多いので、夫のいい話し相手になれず、夫は気の毒です。

夫は今朝も、弁当を作っている私のところへやってきて、

「クロスビーが亡くなったよね」

と言いましたが、私はクロスビーといえば:

「・・・・さすがに、ビング・クロスビーじゃないよね?」

「いやいや、クロスビー・スティルス・アンド・ナッシュのクロスビーです」

話が滑らかに回転しないのでした。

そんな私にとって、日本語で思う存分喋れる相手は本当に貴重です。
いつもつきあってくれて、Mさん本当にありがとう。
あと、この場を借りてあれですが、NZのMさんもご無沙汰していますが、またよろしくね。


さて、ドラマ師匠のMさんと、オンラインの井戸端会議が始まりましたので、
実況中継をさせていただきます。

まず、日本の閉塞した状況を嘆き、お互いの低目安定な仕事について報告し、
後半はいつものように、お互いが 良かったと思う日本のドラマと、
日本の俳優たちの話になっていくのでした。

実は私は長い間、夫と一緒にテレビを見ているために、
あまり日本のドラマを見なくて、普通の人が当たり前に知っている俳優さんや芸人さんを知らないことがすごく多いです。
また、コロナ前は月2回ぐらい、2、3泊で親の様子を見に帰省していたため、どうしても連続ドラマを見始めても続かない。
それで、あまり見なくなっていました。

半沢直樹さえ見たことがなくて、聞き齧りで話すので、

「なんだっけあの・・決め台詞があるんだってね?
あっ、思い出した、『半返しだ! 』でしょ?」

と言って、Mさんに爆笑されたりしたこともありました。

まず、役名もドラマ名も、俳優としての名前も出てきません。

とても好きな俳優さんなのに、

「ほらほら、あれに出ていた人」
「朝ドラ?」
「うーん。朝ドラかな?」
「ちむどんどん?」
「見てないです」
「それじゃ無理」
「無理かぁ・・」

そして私は、二人いや、下手したら三人以上の俳優さんたちを一緒にしてしまいます。
雰囲気がちょっぴり似ているだけで、見分けがつかなくなってしまうのです。

ひどいのは、二人ないし三人の俳優さんで、顔が全く似ていないのに、

「同じようなストーリー展開の別のドラマに出ていた」

という理由だけで、簡単に混同することもしょっちゅうです。

これが始まったのは、思えば昔、NHK大河ドラマ「利家とまつ」で、
たくさん出てくるいい男たちをすぐ混同するようになり、
面倒になって見るのをやめてしまったころからです。

普段から、人の名前と顔を覚えられない・見分けられない夫のことを散々馬鹿にして、

「なんでティルダ・スウィントンとケイト・ブランシェットが一緒になるわけ?
   あはははは!」

などとやっていますが、自分もかなりそう言う感じになってきています。


さて、
「蘇ったナンシー関画伯か」というぐらい、
日本のドラマを見尽くしている感のあるMさんですが、この方と喋っていても、
自分が誰について話しているかを伝えなければならないので、
傍にもう一台のデバイスを置いて、検索しながら話しています。
井戸端会議もハイテクになりました。

明日に続く後半は、Mさんのおかげでもやもやが消えた話です。


サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。