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エッセイ300.ららら科学の子(2)

続きです。

天気予報に対する絶大な信頼を抱いているのも夫の方です。
先日、体がなまってしかたないので、散歩に行くことにしました。外に出るとなんとなく、寒いながらも湿気を強く感じ、屋根や地面も少し湿っているか、濡れた跡があるようにも見えました。空はどんより曇っています。

「ちょっと待って、傘要るかな。要らなくても途中で降りそうだね。
ちょっと待って、傘を取ってくる」
と戻ろうとした私をとどめて、夫がスマホを取り出しました。

で、
「Tokyo、の、て・ん・き」
と Siri に向かって話しかけていましたが、終わるとにっこりと笑い、
「大丈夫です、午後6時から、40%の確率でしか雨は降らないそうですから、傘は要りません。さあ、行きましょう」
と言います。

私も、
「今何時、3時か。
まあ、今日はフードがついている服だから、降ってきてもいいかな」

と言いながらエントランスを出て5歩ぐらい歩き始めた時に、ぽつんと来て、ぽつんぽつんと来て、すぐに、ザーーーー、という降りになりました。
「なによう、すぐ降ってきたじゃん」と私が言い、
「おかしいな、3時間後に40%なんだがな」と夫が首を捻り、
二人は散歩は諦めて部屋に駆け込んだのでした。

「夫って、天気予報を信じるけど、
さすがに今日は、もう降るでしょうって感じはしなかった?
夫は空を見たり、雨になりそうなのを感じたりとか、しないの?」

と思わず聞いてしまいました。
だって天気予報が言っていたから、と申しております。こんなに信じてもらえて、天気予報も幸せだと思いました。
これも科学の子の特徴か。


彼は、クラウドファンディングにもときどき投資しています。
おかげで、珍しいものがときどき家の中にあります。
例えば我が家の電子機器には、ほとんど、小さなマグネットのピースがついています。そこへ、ピッタリとくっつく部分のあるケーブルが、このピースとケーブルのセットで買うことができまして、つなぐ時もカチッという気持ち良い音と手応えで はまります。間違ったものを押し込みかけて壊してしまいそうになったということがなくなりました。また、変な方向へコネクト部分に負荷がかかると、その辺りを傷めることなく、カチッと気持ちよくケーブルが本体から離れるのです。これは、これまで夫がいろいろ買ったものの中でも、特に便利で素晴らしいものです。
でも、私が見ると、どのケーブルにiPhoneを、iPadを、 Boseスピーカーを、モバイルバッテリーを繋いだらいいのか、どれも同じように見えるため、(それは前からそうですが)、困っていることもまあ、多いです。


クラウドファンディングは、サポーターを募ってから完成、出荷までに時間がかかることが多く、1年後、2年後、3年後に完成品が届くことも稀ではありません。届いた包みを開けるまでは、何が出てくるか忘れているそうなので、それは楽しそうですね。

この前届いたのはこれ。普段は写真のように、スタンドに立っています。なんかアートな感じです。本体のボタンを押すと、内側についている小さなライトが、5段階の明るさに変わります。これだけ見て、なんなのかわかる人はすごいと思います。



とても綺麗です。

これは、夜に暗い中で本を読むための機械なのでした。
頭に巻いて電気をつけて使うのかなと思っていたら違いました。
両端が強いマグネットになっていて、本の背表紙の左右をこれで挟み、本を開いてから位置を調整して使うものなのでした。



我が家には、りんごの皮むき器とか、りんごを八つに一度に切り分けるハイテク機器もありますが、高い棚にあって私は手が届かない、そこが残念なところです。

科学の子でない私は、今日はやっと荷物から出てきて砥石を使い、すーこすこーこ、すーこと、全部の包丁を研いで、とても満足しました。(でも素人なのですぐに切れなくなります。気は心ということで、たまに研いでいます)

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