マガジンのカバー画像

エッセイ

485
日々感じたことや面白かったことなどを書いていきます。 (駄)多発注意報が 常に発令されています。くだらなくても怒らないでくださいね。
運営しているクリエイター

#オンライン日本語レッスン

日本語教師日記その154.母語に引っ張られる学習者(3)「ゲームを遊ぶ」とは これ如何に・・

日本語教師日記その154.母語に引っ張られる学習者(3)「ゲームを遊ぶ」とは これ如何に・・

初級のうちに誰でも言い、直されるとすぐ直ることのひとつに、

ゲームを遊ぶ

というのがあります。

日本語の「遊ぶ」を、playですと教えると当然、

Play soccer サッカーを遊ぶ

と、生徒は言います。さらに、

play the piano ピアノを遊ぶ

と、言ってしまっても無理はありません。

この場合は一気に教えます。

「日本語の『遊びます』は、純粋に、子供が遊ぶ

もっとみる
日本語教師日記145.戻ってくる生徒

日本語教師日記145.戻ってくる生徒

R君から、久しぶりにメッセージをもらいました。

「先生、お元気ですか?
レッスンをするすると言っていたのに、全然連絡をしなくてすみませんでした。
僕は仕事を変え、今は上海に住んでいます。
また先生とレッスンをしたいです。
先生は今、おいくらですか?」

惜しい!
私のレッスンに定価はありますが、私には値段はついていません。

でも、5年も全く日本語を使っていなかったのに、
さすが香港人のR君は漢

もっとみる
日本語教師日記124.そりゃやめてあげての教材

日本語教師日記124.そりゃやめてあげての教材

いつも新しい教材に挑戦している生徒がいまして、
見つけた教材を持ち込み、

この日本語は自然ですか? 使うに値しますか?

と訊いてきます。

ものすごく申し訳ないのですが、

うーむ。

外国の人が作りましたかね?

と、訊くことになります。

あまりにも不自然だからで、日本人なら書けない文章です。

外国人の手による、主に外国や、インターネットで売り捌かれる教材。
日本人によるネイティブチェ

もっとみる
エッセイその47. 生活感の出るオンラインレッスン

エッセイその47. 生活感の出るオンラインレッスン

コロナの時代が始まってから、私はどんどん朝型になりました。

ロックダウンを経験したインド、イギリス、フランスの生徒さんも、
リモートワークになった日本在住の生徒さんも、
朝活にしたほうが頭に入るとのことで、時間を変える人が多かったからです。

一番早い日で、6時50分開始。
あとは、7時、8時開始の日がほとんどで、
その代わり、夜は遅くとも午後9時には仕事を終えています。

土日も含め毎日、目覚

もっとみる
日本語教師日記その14. レッスンで味わうユーミン(下)

日本語教師日記その14. レッスンで味わうユーミン(下)

さて、端正な英国紳士のSさんに、

「この頃はSweet, bitter sweetを聞いております」

と言われ、松任谷由美が大好きな私は張り切りました。

でしょう?
やっぱり好きでしょう?
いいよねユーミン!
コンサートチケット 取れたためしないですけど。
中島みゆきも。

ユーミンは早熟な子で、
学校をサボって銀座の風月堂でアバンギャルドな大人と遊んでいたんですって。
実家は八王子の呉服屋

もっとみる
日本語教師日記その13. レッスンで味わうユーミン(上)

日本語教師日記その13. レッスンで味わうユーミン(上)

私が対面で10年近く教えてきたSさんは、マイクロ経済学の学者さんです。
上の本の共著者です。
この本は、2015年には、マーク・ザッカーバーグ氏に、
「すべての人が読むべき本」と 言わしめました。

ご参考までに:

「from Wikipedia (https://en.wikipedia.org/wiki/Portfolios_of_the_Poor)In 2015, Mark Zuckerb

もっとみる
日本語教師日記その12.オンラインレッスン(1)

日本語教師日記その12.オンラインレッスン(1)

  

日本語オンラインレッスンを始めて10年が経ちました。
それは、夫の転勤で、2011年4月に東京を離れたのがきっかけでした。

長年所属していた2つのエージェント、1つの日本語学校。
その同僚や生徒、懐かしい教室に別れを告げて来たわけですが、
日本語の仕事はさて、どうするか。

転勤が決まってから、日本語教育能力検定の合格証書を添えて、
オンラインレッスンも取り扱う紹介業に登録しておきました

もっとみる
日本語教師日記その11.ガラパゴスへの道⑤日本語教育能力検定試験(下)

日本語教師日記その11.ガラパゴスへの道⑤日本語教育能力検定試験(下)

日本語教育能力検定試験」合格への悪戦苦闘についての続きです。

全く準備をせずに臨んだ一回めの挑戦は、見事に不合格でした。
準備をしなかったのに、それなりにがっかりしました。
驕り高ぶっていた自分を恥ずかしいと(ちょっとは)思いました。

さてどうするか。

日本語教師養成講座は、何年か前に修了しています。
実際に毎日日本語を教えて、経験も積んでいるところです。

受験のために0からやりなおしする

もっとみる
日本語教師日記その10. ガラパゴスへの道④ー日本語教育能力検定試験(中)

日本語教師日記その10. ガラパゴスへの道④ー日本語教育能力検定試験(中)

私が重い腰を上げて、日本語教育能力試験を初めて受けたのは、
娘二人がもう大きくなっていたころです。

出産以後、日本語学校に属することをせず、
出産前から続いていた、個人で獲得した生徒たちに、
細々と週何回か、カフェで教えることを続けていました。
そのころは、オンラインレッスンはまだ一般的ではありません。

しかし、同僚というものがなくなってみますと、
必要な情報が入ってこないような気がしてきます

もっとみる
日本語教師日記その7. 遅い と ゆっくり について

日本語教師日記その7. 遅い と ゆっくり について

今日は、遅い と ゆっくり についてです。

直接法でクラスで教える場合、情報量には気をつけます。
あれもこれもと伝えたくなりますが、
生徒は全てを書き取ってくれるわけではありません。
家に帰った生徒が、うろ覚えの部分を辞書で引きますと、
一つの言葉について、いくつもの訳が載っており、
余計混乱します。

このゆっくりと 遅いも、学校のクラスなら、
一つのレッスンの中で教えることはあまりないと思い

もっとみる
日本語教師日記その6.ガラパゴスへの道②

日本語教師日記その6.ガラパゴスへの道②

日本語教師生活を振り返る記事の2回目になります。
おつきあいください。

大学を卒業して就職した会社がブラックで、
半年で屈託して、後先をあまり考えずに辞めました。

その後、自治省関係の財団法人で働いていたのですが、
ある日また、退屈でたまらなくなりました。

長期休みに助っ人に入ってくるアルバイト学生さんと、
自分のしている仕事の内容に、あまり違いがなかったのです。
それで、新聞の求人欄を毎日

もっとみる