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家族に3人の発達障がい者を抱え、全ての人が楽しく生きられる社会づくりをされてる“小名千秋さん”にお話を伺いました

小名千秋さんプロフィール
出身地:
函館、札幌在住
活動地域:札幌を中心に全国
経歴:2006年心理専門士試験合格・認定。絵本セラピー講師。モラハラ傾聴講師。エンパスセミナー講師。マドモアゼル愛認定音叉療法講師。コミュニケーション講師。【一般・起業家への個人セッション】ライフナビセッション。ビジネスビジョンコンサル。全国神社ツアー現在の職業および活動:神社ガイド・心理カウンセラー・ラジオパーソナリティ・文筆家
座右の銘:「全身全霊」

「発達障がい者と健常者、神と人間、あらゆる境界線・垣根をとる“No border”」

Q. 小名さんが思い描くこれからの夢・ビジョンを教えてください。
小名千秋さん(以下、小名):今の時代、ありのまま、つまり本来の自分のままで生きている人が少ないと思うんです。それは、「こうあるべき」「これが普通」という、社会や世間でつくられている常識や枠組みがそれを許さないからです。

この枠から外れるコトや外れている人は、悪とみなされる。だからみんな、その枠の外に本来の自分らしさがあったとしても、跳び越えることができない。批難されるのが怖いからです。

ほとんどの人は「普通」という枠の中に窮屈に押し込められている弱者です。「みんなと同じ」が正しいと教えられてきたためです。しかしその弱者たちの大半は、自分たちと同じように囚われていない人たち。枠の外の世界に自分のアイデンティティを表している人たちを、正しくないと感じ、集団から排除する空気を作る側にもなっています。

これが今できている社会における「集合意識」(空気・ムード)の構図です。この集合意識に呑まれている誰もが、被害者であり、同時に加害者(空気をつくる側)でもあるんです。この構図の縮図が子どもの世界の「いじめ」といえるかもしれません。

明らかに「これが普通」という枠外の特性(個性)を持つのが「発達障がい」の人たちです。この集合意識は、彼らの特性を「障害」とみなしています。発達障がい=ネガティヴという偏見イメージが、社会がくだしているレッテルです。でも本当にそうなのか?と私は問いたいんです。歴史を鑑みても、新しい時代を切り拓いてきた、後世に偉人としてうたわれる人たちの殆どは、「普通ではない」人たちだったのではないでしょうか。革命を起こし、これまでの常識を覆してきた人たちは、他の人たちとは違う価値観を持ち、普通では選択しないような行動を起こしてきた人たちです。

発達障がいの人たちの個性が認められる社会とは、健常者である私たちも自分の個性を存分に発揮するのをはばからなくていい社会が出来上がっているということです。

そんな社会変革を起こしたいと思っています。お互いを尊重し、お互いの多様性を認め合える、そんな社会。あらゆるものの「境界線」をなくしたいんです。

現在日本の多くの企業では、発達障がい者を適材適所に配置ができずに困っています。彼らの周りにいる健常者が、非常識にしか思えない彼らの言動に振り回され、精神的疲労からウツになることもあります。これらはすべて、彼らとの関わり合い方が知られていないからなのです。

基本的に発達障がいの人は真面目で手が抜けない人たちなので、誰よりも完璧に仕事をこなします。
世界に視野を広めると、発達障がい者の特性(強みと弱み)を熟知し、彼らを雇用している企業が沢山あります。そのような企業では、彼らの特性にマッチした役職を与えています。
彼らの強みが適材適所に配置された場合、企業側にとっては業績アップになります。それはもちろん当事者にとっても自分の才能をいかんなく発揮できているということですし、全員がハッピーになり、社会が繁栄していくというビジョンになります。私はこれを啓蒙していきたいんです。「発達障がい者と健常者のNo border」。

「すべての小中学校、高校の学校図書館に私の本が並ぶこと」

Q. その夢を実現するために、どのような目標や計画を立てていますか?
小名:普通であれば家族に発達障がい者が一人いるだけで、健常者の家族の人たちがウツになっていくケースが多いです。思考や発想が宇宙人みたいでついていけなくて、なんでこんな考えをするんだろう?と理解ができないんですよね。そして、だんだん疲れ果てて自分がウツになるわけです。

私の家というのは私以外の家族三人が発達障害です。20年間そういう人たちと暮らしてきました。なので、発達障がいに関しては臨床経験が豊富といえると思います。
発達障がいは殆どの人に誤解と偏見を持たれています。それはみんな発達障がいがどんなものなのか、発達障がい者たちとどのように関わっていったらよいのかを「知らない」からです。だからこそ、彼らをよく知る私が、企業や学校に行って話したい。そのためにも日本中の小学校、中学校、高校、大学の学校図書館に、私の本が並ぶこと。それが私の目標です。

「borderの人(発達障がいなのかどうかが曖昧な人)がすごく多いので、それも無くしていきたい」

Q. そう思うようになったキッカケは何だったのですか?
小名:発達障がいの家族三人と接する中で得た知識・経験です。長女が17歳になるまで、発達障がいだと気づけず、7年もの間、不登校を繰り返していました。発達障がいだということに対して何の対策もしてあげられなかったからだと思います。不登校だった時期、彼女は二次障害にもなっていたことにも、後になって気づきました。発達障がいは対策を講じることなく、放っておくと、二次障害として合併症を起こします。発達障がいは脳の問題ですが、二次障害は心の病です。二次障害にはパニック障害、睡眠障害、ウツなど沢山の病気があり、知らないうちにこの二次障害も合併している発達障がい者は非常に多いんです。

実は、発達障がいなのかどうかが曖昧な人・発達障がいと健常者の境目ライン上あたりの人である「発達障がいborder」の人がすごく多いんです。でも彼らも、対策を講じていません。そのためこういう人たちは、不登校になったり、社会でうまくいかなかったりすることもあります。日本における自殺率は交通事故死よりも多いという不名誉な数ですが、私はこの「発達障がいborder」の人たちもここに相当数、含まれているのではないかと考えています。
発達障がいとは、脳のコンディションが一般人のスペックとは「違う」というだけで、病気ではないんです。これらを啓蒙していきたいです。
そんなに何でもかんでも「障害」というレッテルを貼らなくてもいいんじゃないか?という意見もありますが、私はあえてレッテルを貼った方がいいと思います。
知れば、対策を取ることができるからです。それによって社会にも適応することができる。診断を受けて、あえてレッテルを貼ってもらうことで、ちゃんと対策を講じることができると思います。

「覚悟を決めて目立つアクションを」

Q.日々、心がけて実践していることは何かありますか? 
小名:
もともとは目立つのが好きじゃない方でした。SNS上のプロフィールも、自分の顔ではなく風景写真にしたくらいです。しかし、二年前くらいに本を出すことを決めてから、出版されるからには売れなければ意味がないし、啓蒙にもならないと思いました。そこで認知度・知名度を上げる為にFacebookでも顔を出し、ラジオもはじめました。

発達障がい当事者ではない健常者の私だからこそ、客観的視点からどちらにも偏らず、そしてどちらの気持ちにも寄り添える。これは私にしかできないことだろうと思っています。役に立てるという自信があります。

記者:共通のフラットなベースから生まれるそれぞれの境界線を、多様性や個性とも捉えられますか?それを活かし合えるのが面白い世の中でもあるのでしょうか?

小名:水彩絵の具のように全部が混ざり合って一色になってしまうと、よく分からなくなってしまうじゃないですか?そうではなく、色鉛筆みたくそれぞれの色が並ぶことで、虹色みたくなるじゃないですか!みんなが違う異色ですよね。それが面白い世の中ということにあたると思います。

「全身全霊」

Q.最後に小名さんの座右の銘を教えていただけますか?
小名:「全身全霊」全力で出し尽くす、全部やりきる、生ききる。それが生きている人の役目であり、義務だと思っています。生きているからこそ出来ること。それは生きている人がやるべき。親友を突然亡くした経験から、そんな風に思うようになりました。

生きている以上はやる!しかも、楽しく、面白がりながら前進していくこと。しかめっ面でこれをやらなければ〜とか、自分の使命だから〜とやっていても、結果として面白い世の中にはならない。過程が面白くなければ結果も面白くないと思います。結果は過程の積み重ねなので。
私には「面白い世の中にする」その青写真ができています。

記者:以上でインタビューは終了です。「No border」にする思いや取り組みをたくさん語っていただきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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小名さんの活動、連絡についてはこちらから↓↓
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HP: https://ameblo.jp/sukunachiaki/entry-12389130315.html

【編集後記】インタビューの記者を担当した廣瀬&中西です。
全国で100名以上のファンがいらっしゃる、神社ガイドとしてもご活躍中の小名さんの魅力が伝わってきました。大きな未来ビジョンに向かって、本気で社会を変えようという強い意志と、やり遂げるために全力で取り組まれてる姿に感動しました。
「面白い世の中=No border」の実現に向けて、小名さんのような面白い方がどんどん増えて、面白い世の中になっていくことを私たちも心から願っています。
今後の更なるご活躍を楽しみにしています。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。




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