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About 「Becoming an Invisible City Performance Project」について


1. コンセプト

通常の音楽に合わせて踊るダンスだけでなく、どこにでもダンスは偏在している、なんでもダンス化することができる。
それぞれに潜在しているダンス的身体を通して多様なことが、しかも風景とともに、同化、融合されていく。

「Becoming an Invisible City Performance Project」は、振付家山崎広太が2010年から毎年、Whenever Wherever Festival(ウェンウェアフェス)で見出してきた「透明なサイトスペシフィックダンス」のアイデアをもとに、7人のアーティスト(2020年4月から8人)が集い、パブリックスペースと劇場を結ぶ、都市縦断型・観客参加型パフォーマンスプロジェクトを構想しています。

この新たなプロジェクトでは、実験的なパフォーマンスやリサーチ通して「地域」へのアプローチを試みています。
その過程でうかびあがる街の風景はみなに開かれ、参加するアーティストや地域住民が、人間の生態と場所の関係性の在り方を再発見、再認識するとともに、相互がヒエラルキーなく交流する場となることを目指しています。

100年の人類の生態を見据えると、次第に外と内に見境がなくなり解放の方向へ向かうように感じています。その時に、パブリックスペースも解放され、如何に多くのことを共有することが重要な鍵のように思えます。その先駆けとして、このプロジェクトはあります。


2. これまでとこれから

2010年から毎年、Whenever Wherever Festival(ウェンウェアフェス)で、渋谷駅界隈を中心に、「透明なサイトスペシフィックダンス」という企画を行っています。この企画では,多くの情報や通行人が溢れる街の路上で、見世物として、祝祭的なダンスパフォーマンスをするのではなく、風景と同化しつつも、目的に追われる事なく、違う思考を持って存在する身体を街に共存させることを試みてきました。企画を通して、パフォーマーと都市の風景が映画のように一体化する瞬間が現れ、身体と街のあいだに新しく豊かな対話が生み出されるという経験を蓄積してきました。

そして、2019年の夏、「Becoming an Invisible City Performance Project」として、渋谷界隈から森下スタジオでのパフォーマンス、田町駅からShibaura Houseで観客参加型のパフォーマンスを実験的に行ないました。ここでの経験から、この新たなプロジェクトに多くの可能性を見出すことができました。例えば、BICメンバーは、これまで幾つかの地域でのパフォーマンスを経験して、街と身体の関係が柔らかくなったという変化を感じています。その地域、場所が好きになる感覚が芽生えるのです。このフィードバックは、禅の思想にもある、Interbeingーともにあること、そして全てがつながっているという感覚ーが養われていけば、身体も、全ての人の日常も、同じ日常の一部になっていくことを示唆するもので、そこに消費されえない豊かな世界像の片鱗があると考えています。

2020年4月現在、山崎広太と8人のBICコラボレーティブアーティストで、劇場をのそとに広がるまちを拠点に、身体表現・ダンスに関する実験的なリサーチを継続中です。このnoteでは、リサーチの過程を記録し、公開してゆきます。

BIC project member
山崎広太、穴山香菜、とだかほ、松尾望、熊谷知彦、ながやこうた、Kanami 、Mei Yamanaka 、松本奈々子




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