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制度の設計 | daily

Go toキャンペーンをめぐる混乱を見ると制度の設計というのは難しいのだろうなということが分かります。混乱というのはここでは、情報の錯綜、調整機能の不備を意味しておりますが、本来政府の案としては利用サービスによる不公平などがないようになどという配慮もあったのだろうなと思うわけです。こういう時に同予算を配分するのが妥当なのか、というのはサイトの利用実績データなどを元にいちおう算出していたりするのかもしれませんが、まあプロセスが不明なのでなんとも言えません。急ごしらえの制度なのでいたしかたないのかもしれませんが、制度というのは多かれ少なかれ不備があり、それゆえ立法府というものは常々それを改善していくために存在するものでしょう。そのための国会であり、審議なのではないかと思うわけですが、どうなんでしょうか。

制度というのは規制や助成を通して社会を改善していくものなのでしょうが、デジタル利権などと言われてしまうように、そこには構造的に不正や既得権益の温存というものがついて回ります。今ここで生きている人間たちが関わっている以上、そこには生きている間にマネタイズをせねばならないという圧力があり、制度という本来は長期的な視野に立って設計すべきものに時間的な歪みを生んでしまうわけです。責任の所在も明確にするのは難しいですし、いわゆる抜本的な改革のようなものは早々起こり得ないのでしょう。

アイディアとテクノロジーで一発逆転というのは理想的ではありますが、現状の規制やそれに基づく制度のままではムーンショットを放つのも大変という感じです。このままでは維持できない、という限界まで今の制度下で生まれ育った人間たちはそれを維持しようとするようですし、正直なところ代替案として魅力的なものがあるかというとそうでもない、というところで資本主義が維持されている感じもします。

とはいえ、制度を設計し実行すると人がある程度動くという社会実験は面白いのでどんどんやっていって欲しいですし、MMTでもなんでも良くなる可能性があるものは試してみればいいのではと思います。

本の紹介です

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