コンテクスト | daily
文脈というのは、文章や会話だけではかく、文化的な事象や様々な行為にも存在するものです。何時であろうともおはようございます、と挨拶する業界もあれば、それが省略形になってしまった業界もあるわけで、挨拶一つでも文脈によって読み解けるものが異なってくるわけです。テクストというのは適切なコンテクストに置かれた時に正しくその意味内容を明示する、のだとすると、我々はみな正確に文意を理解するためにはコンテクストを理解していかなければならないわけです。できていますか?
さて、一方で敢えてコンテクストを無視するという行為が笑いを生むこともあります。これは期待されるアウトプットと、実際に出てきたアウトプットのギャップと驚きこそが笑いの根源である、という洞察に基づいております。赤ちゃんも物理法則を理解しており、トンネルの右から入ったものが左から出てくることを期待しているのに出てこない時や、異なるものが出てきた時には笑うと言われております。まあこれもコンテクストを理解しているからこそ、そのギャップを理解できる、というメタな話なのかもしれませんが、まあそういうことです。
キノコがTwitterで大好きなアカウントにNo Contextシリーズがありますが、これはまあ文脈というものを無視して世界の断片を切り出してくることにより、笑いを誘うという画像や動画を流しているアカウントなのですが、先述したようにコンテクストを敢えてぶつ切りにして無視することによって生み出される笑いです。
しばしばハイコンテクストな話題、などと言われることもあり、みなさまもそうした隠喩や暗喩に満ちたイヤミっぽい話をする機会があるかと思いますが、これは高度に文脈依存的でなおかつ、ある文化的な背景知識に精通していなければ面白いと感じられないというようなジョークや話題というもので、滑る可能性も高いものです。
言語を用いたコミュニケーションをする以上は、自然とこうした文脈の理解や、文脈による解釈の変化というものを身につけているという前提があるのもまた現代社会の高度な文脈ですよね。
本の紹介です
Weeklyというのもあるよ。
dailyの方は文字通り日々気軽に読めそうなライトなものを、そしてWeeklyの方は有料というだけあって内容の充実ぶりはDailyの比ではありません。バック・ナンバーも100号を数え、どこから読んでも何かしら得るものがあるはずです。
というか、読んでないなんて信じられません。よろしくお願いいたします。
そして主宰うでパスタとキノコによる対談というかおしゃべりが聞ける特典付きです。
本日のBGM
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