赤の他人 | daily
なぜ黒でも白でもなく赤なのか、というようなことを考えて調べたりする人間はおそらく暇なんだろうなと思います。世の中には流行りの映画を見に行ったり、天気がいいので山歩きに行ったり、Go toしたりともっと優先順位の高いことがあるはずです。経済を回さないことには資本主義が死に絶えてしまいますし、Googleのサービスが有料になったりするかもしれません。フリーミアムというのが何なのかを理解する間もなく無料の試用期間が終わり、我々は有料サブスクリプションへと移行するフェーズを迎えており、コンテンツは数億あれど見るものも聞くものもないという事態になりかねません。平均値に当てはまる人間は存在しない、というのは統計のジョークとして毎回出てきますが、人の好みは多様で、本当に自分に合うものは最終的には自分で作らなければならなくなるのでしょうか、あるいは最適化するコストが下がる方が早いのでしょうか。それはいずれにしても我々がコンテンツに対価を払い続けられるかどうかにかかっているわけです。
先日定期購読していたワイン雑誌が廃刊になるという報せがありました。3年分の定期購読料を支払い済みだったのですが、残り2年半分の返金の手続きをしてください、ということで悲しみに暮れながら手続きをいたしました。まあワイン雑誌のスポンサーになるようなところはワインスクールやインポーター、飲食関連だったりするわけで広告費以前にそれらの事業が成り立っていない以上もろに影響を受けるのは致し方ないのでしょう。とはいえ、蓄積されたワインについての情報は一体どうなってしまうのか、と嘆かざるを得ません。こうした時にクラウドファンディングなどをして遺産を引き継いでいこう!みたいなノリがあればいいのでしょうが、そういうわけでもなく。
他人事だと思っているわけではないにしても全てを救うことはできない中で自分には何ができるのだろうか、みたいなことはやはり考えてしまいます。というわけで、赤の他人の赤は、明らかの転じたもの、または、仏教用語のアカから転じたものだそうですが、真っ赤なウソと同じように強調の赤だろうというのが有力なようです。いかがでしたか。
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