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liquidity | daily

投資や投機に勤しんでいる上で重視するのは流動性です。投資にしても投機にしてもある方向へのポジションを持ち、それを決済するまでは損益は確定しないわけです。ポジションを積み上げるにしても、決済するにしても市場にその取引には相手が必要です。買いたいのであれば売り手が必要ですし、売りたいのであれば自分より高値で買ってくれる間抜けを探さねばなりません。株式市場では誰かは分からないけれど、反対取引をしてくれる人がだいたいいます。二部上場銘柄とか新興市場の話はしていません。

震災でも蝗害でもなんでもよいのですが、一番怖いのはプレーヤー全員が同じ方向の取引を望む瞬間です。大きな取引とかだとマーケットメイカーと呼ばれる証券会社がどこかしらはめ込み先を見つけてくれるわけですが、個人ではそうもいきません。流動性が枯渇した瞬間何もできなくなってしまいます。キャッシュ万能説というのもありますが、金融機関のシステムが正常に稼働し続けなおかつ送金、入出金が自由にでき続けるという保証はどこにもないわけで、その点では現状の金融システムへの信頼というのは多分にこの流動性というものに拠っているわけです。

市場の役割はいくつかありますが、こうした取引の機会を提供するという流動性の担保は特に重要だと思う次第です。


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