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distance | daily

システム思考の提唱者であるドネラ・メドウズが世界を一つのシステムとして考えよう、という話をする際に、『世界がもし100人の村だったら』という本を例に出しておりましたが、世界はフラットにもならず、世界村にもなりませんでした。どちらかというと魔界村という感じの様相を呈してきておりますが、新年早々どうなってしまうのでしょうか。

インターネット、主に動画サービスとSNSによって世界は狭くなったと言われていますが、何が起きているのかはリアルタイムに配信されるようになったものの、なぜ起きているのか、というのは未だにさっぱり分からないままです。誤報やデマ、フェイクニュースもありますし、情報量がゼロもしくはノイズに近いような発言も多く、我先に情報を拡散しようという動きもあって混乱に拍車をかけているようにも見えます。

最近は情報やデータだけでは意思決定には役に立たず、インテリジェンスとして機能させるためには統合、分析が必要だという話がありますが、全くその通りですよね。特にSNSで流れてくる情報は時系列がめちゃくちゃだったり、一次情報のソースが不明だったりするものも多いようです。スロージャーナリズムというのがいいかというと、ニュースには鮮度も必要だと思うので検証しすぎてもなぁとは思いますが、その辺はテクノロジーやUXデザインによって解消できそうな気もします。BloombergやReutersのサイトなんかを見ていると、これはいま鋭意更新中のニュースですよ、というのが割と分かりやすいなと感じます。

遠い異国で起きている出来事について知ることと、そのために何をするのか、という距離を埋めるのはテクノロジーなのか思想なのか、はたまた別の何かなんでしょうか。


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