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理系と読書!   AI×プログラミングのスペシャリスト東大生は読書についてこう考える

河原井:東京大学工学部3年生。高校生時代に国際情報オリンピック金メダルを受賞。YondemyではTech Leaderを務めている。
中川:東京大学理学部3年生。人工知能(AI)を学び、Yondemyの選書システムの中核を開発している。

理系と読書の関係性

編集部:普段はシステムの開発に携わってバリバリとプログラミングをしてもらっている二人に、今日は「理系と読書」というテーマで話してもらおうと思います。この前、知り合いの人から「読書をしても数学とかはできるようにならないんじゃないかな?」と言われました。それを踏まえて、二人は「理系にも読書は大事」だと思いますか?

河原井:間違いなく大事だと思います。もちろん直接的に大事になって来る分野もあれば、間接的に大事な分野もあるけれど、大事なことには変わりません。

中川:算数も数学も、理系の学問の基本は「物事を抽象化して考えること」だと思います。抽象的な、目に見えないものを捉えるためには想像力が必要です。これは小説を読むことにも通ずると思っています。

編集部:どういうことですか?

中川:小説を読んでいると、登場人物のことを色々と想像しますよね。「小説で書かれていない部分で、このキャラクターは何をしているんだろう?」と考えたり。それって数学と似てる部分があるんです。数学の公式を応用するということは、「違う場面でも同じように当てはまる」ということなので、見えている部分から見えていない部分を想像する、という点で共通しています。

河原井:そうですね。それに加えて、そもそも理系の学問も「過去の人間が既に考えたことをインプットする」ことが重要になってくるので、読書と共通する部分がかなり大きいと思います。

編集部:なるほど。

河原井:あと、最近思うんですが、読書をして国語が得意な人には、どんどん情報の分野に来てほしいですね。

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プログラミングって最終的に人から人に伝えるところが大事になってくるんです。開発だと日本語で書くってこともありますし、そもそも人に伝わるコードを書くという作業がかなり重要です。「人に正しく伝わるようにする」ことを考えていると、それは国語に似てくるんです。情報は最終的に国語に似てくる。

中川:そうですね。読みやすいコードや、個人によるコードの書き方の癖みたいなものは確かにあります。人に伝わる良いコードを書くことはとても大事です。その点で、プログラミングと国語はとても似ていますね。

河原井:受取手のことを考えないとコードが書けなくなって来ます。結局のところ知的な営みは情報の受け渡しが根幹にあるので、どの分野でもそういう意味での国語力って必要ですね。
プログラマーとしても大量の情報を素早く集める能力は要求される。つまり。文章を読む力は必要とされます。読書は絶対マイナスではないと思います。

小学生の頃にどんな本を読んでいたのか聞いてみた

編集部:お二人は小学生の頃にどんな本を読んでいたんですか?

河原井:青い鳥文庫のパスワードシリーズが大好きでした。

中川:僕の場合、小学校低学年の頃は、物語をあまり読んでいませんでした。代わりに記憶に残っているのは、算数とか論理パズルみたいな本をたくさん読んでいたことですね。小学校の図書館の棚に「算数・論理パズル」をまとめたコーナがあってそれをかたっぱしから読んでいました。

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数の悪魔」って本があるじゃないですか。あれは名著で、不思議な数の性質が書いてあるんだけど、それを手元で試せるのが、とてもよかったです。ぜひ読んでほしい。

編集部:当時から既に理系の片鱗が見えますね(笑)。

河原井:私は全然、そんな本は読んでいなかったです(笑)。物語を中心に読んでました。

中川:三、四年生くらいから父親の影響で小説を読み始めました。よく読んでいたのは、伊坂幸太郎宮部みゆきですね。小学校高学年の頃には村上春樹の短編集を読んでいました。

編集部:小学生で村上春樹はすごい……(笑)。お父さんの影響は大きかったんですか?

中川:そうですね。父親の本棚があって、そこにたくさん本があったのと、結構頻繁にオススメの本を父親に渡してもらってたんです。それで、興味のあるのは学校の図書館で読んでいました。今でも父親からは本を勧めてもらうことが多いです。親の影響は大きいですね。

河原井:僕もオススメの本を親から渡してもらっていました。あと、読書遍歴でいうと中学入試で国語の文章を色々読まされるからその影響はありましたね。椎名誠のエッセイなんかは、それを経て読むようになりました。

中川:僕は中学受験で重松清を読むようになりました。

中高時代の読書経験

河原井:もっと本を読んでおけばよかったなあと思っています(笑)。月に4,5冊は読んでいたと思いますが、そのうちの半分はプログラミングの技術書だったので、実質2,3冊くらいしか読んでいません。

中川:村上春樹にはまっていました。だけど、中学校二年生ぐらいをピークにして読書量はどうしても減っていってしまいましたね。なんでだろう、スマホを持ったりしたから暇つぶしの対象が変わったのかなあ。
大学生になってから読書量は増えましたけどね。夏休みだと月に12,3冊は読んでいると思います。

編集部:最近読んだ本で印象に残っているのは?

中川:今まさに読んでいるのは「カラマーゾフの兄弟」です。あとは、同時並行で短編集を読んでいます。

理系東大生が小学生にオススメする本

河原井:「忘れられない贈り物」です。

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小学校二年生くらいで読んで、自分の人生を初めに決定した一冊です。絵本なんだけど、この本を読むと人生について考え始めると思います。一言で言ってしまうと、すごく親切で村のみんなから頼られているおじいさんがいて、その人が死ぬっていう話です。単純だからこそ、死という概念を読者にそれだけ突きつける絵本ではあると思います。
すごいいい本ではあるけど。オススメできるかっていうとどうなんだ? という思いもあります(笑)。でも、いい本であることは間違いないし、自分の人生の中で大きな意味を持っている一冊ですね。

中川:「平面人からの手紙」です。

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先ほど紹介した「数の悪魔」と迷ったんですが……。数学ファンタジーって書いてありますよね。「数の悪魔」とかは、算数とかの色々なファクターを紹介しながら物語が進んでいく。これはちょっと違って、数学自体をファンタジーにした、みたいな。

編集部:数学自体をファンタジーに!? どういうお話なんですか。

中川:とある学習塾があって、そこが火災に見舞われて、その火災の後から、不思議な暗号文が書かれたフロッピーディスクが見つかります。それを読み解いていくと、平面人を名乗る、二次元の住人からの地球人へのメッセージが浮かび上がって来て。平面人は滅亡の危機に、今まさに瀕しているんです。
平面人と地球人では常識が違うんだけど、唯一共通している、分かり合える部分があるんです。それが数学。だから数学を記述して向こうの内容をこっちに伝えようとしてくるという展開です。でもその数学が変なんですよね。

編集部:へんな数学?

中川:そう、変な数学で、例えば9が左側に無限に続いていくような数字があったとして、それはマイナス1に等しいとか。両側に続いていくと0に等しいとか。よくわからない数学がいっぱい書いてあるんです。

編集部:確かによくわからないですね。

中川:ただ、とても不思議なことに、言われた通りに計算すると確かにそうなるんです。この本は、書いた人が数学者の人で、東大数学科の出身です。実は小説の背景にある数学も大学の学部3、4年で扱うような代数学、幾何学で。
小学生にはもちろんわからないんだけど、言われた通りに計算すると、確かにそうなるっていう。かつ、物語としても完成度が高い。オススメです!!僕は多分小三か小四くらいで読んで感動しました。図書館には上巻しかなかったんで、何度も何度も繰り返し読んで、下巻は自分で買いました。
全然有名じゃないんですけどね。検索しても全然出てこないけど、僕の中では強烈に印象に残っている。最近読み返して、今でも書いてある数学の内容はちょっとわからない部分があるんですけど(笑)。

編集部:どちらもすごく面白そうですね。わたしも改めて、読んでみようと思います。



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