人生にタイトルを

私にはネーミングセンスが無い。

それはnoteでの私の名前を見ていただいてもお分かり頂けるだろう。

先ずはこの上記に表示されている名前から説明をしよう。
この名前は好きな人やペットの名前をアナグラム的に組み合わせた名前である。
以上

つまり適当に名付けた名前なのだ。

思い返せば昔からネーミングセンスが無かった。
ゲームのキャラクターに名前を付ける時さえも何処かの漫画のキャラクター名をそのまま付けていたし、最悪の場合は元々名付けられたキャラクター名をローマ字にしてみたり一文字減らしただけなど酷い物だった。

その点、私の父はネーミングセンスに優れていたのを良く覚えている。
幼少期に父と共にゲームをする家庭だった我が家で、父の作るキャラクターを何度も目にして来たが、秀逸で何処かクスッとさせる素晴らしい名付け方だった。

いつか何処かでお話しする機会が訪れるかも知れないが、自らの職業欄にスーパーヒーローと記載してしまうくらい他に褒める部分が少ない父ではあったが、ネーミングセンスに関しては尊敬している。

そんな父が私に名付けた名前だ。

はっきり言って個人の趣味で書いていて、宣伝も全くしていないので、目にして下さる方も限り無く0に等しいのはわかっているが、それでも個人的に本名を明かす事に抵抗がある。
だから由来だけお伝えしておこう。

父の好きなミュージシャン。
その名前をそのまま使用している。

初めて自分の名前の由来を聞いた時は衝撃的だった。
その人の曲はそれまで聞いた事は無かったし、聞いても小学生の私には理解出来なかった。
確かに私が生まれた年に人気絶頂だったバンドを解散し、ソロデビューシングルが初登場1位。東京ドーム公演も決まっていた正に波に乗っている方だった。
名前の漢字こそ字画の関係で違うが、何故だか納得がいかなかったのを良く覚えている。

全て後々知った事ではあるが、私がその話を聞いた時には海外へ活動の場を移していて、名前こそ有名だが日本での活動はあまりしていなかったらしい。
今では愛着も有り名前には誇りを持っているし、その方の曲も好きだ。
何より私程度の人間がその方の名前をお借りしているだなんておこがましくもある。

ただ当時の私はそんな事知る由も無いし、ネーミングセンス抜群の父が適当に名付けたのだと、私を橋の下で拾ってきたという話(当時この様にふざけて言われる事が何度かあった)は本当なのだと、小学校四年生時に通算三度目の家出を決行し、三時間半後に隣町で保護された事がある。

そのくらい名付けというのは重要な事なのだ。その事を私は幼少期に学んでいた。


話は変わるが私には子供が二人いる。
妻と相談は勿論したが、名前の読み方を決めたのは私だ。

ネーミングセンスが無い私が自らの子の人生を左右する名前を付ける。

このプレッシャーは筆舌に尽くし難い。

だが私には決めている名前があった。
男の子ならこの名前。
女の子ならこの名前が良いなと。


私には心の底から尊敬している人物がいる。
勿論、父では無い。
祖母だ。
両親共働きで幼少期の私達兄妹を面倒見てくれたのは祖母だった。

私には妹が二人いるのだが、私も含め介護関係の仕事に就いている。
それはきっと妹達も心の底から祖母を敬愛しているからなのだろう。
父が急に倒れた時は、私の妻以外誰も病院へ行かなかったが、祖母が簡単な手術をした時は、兄妹全家族が仕事を調整して集まったくらいだ。

だから私に子供が出来た時は祖母から一字頂こうと決めていた。

そして私の妻にも心の底から尊敬している人がいる。
妻の祖母だ。

妻の祖母はとても優しい方で、比較的近所に住んでいる事から私も大変お世話になっている。
妻の学生時代の夏休みはほとんど祖母の家で過ごしていたらしい。
妻は祖母が亡くなるという仮定の話をするだけで号泣するほど祖母を敬愛していた。

ちなみにだが両祖母共に健在である。

私は妻の祖母からも一字頂きたいと思っていた。

字画の関係や生まれた時の顔を見て決めたいという事もあり何パターンかは考えたが、その全てに何かしらの形で両祖母の名前をお借りして考えた。

結果として長女の名は妻から一字、私の祖母から一字拝借した名前。長男の名前は私から一字、妻の祖母から一字拝借した名前に決まった。
ネーミングセンスが無い私にしては上出来過ぎる名前である。

人に名を付けるというのは難しい事だ。

それが全てでは無いが、おそらく人生において最も耳にする固有名詞だろう。
その名を少なくとも親だけでも納得出来る名前が付けられた事が何より良かった。
そして願わくば我らが愛した祖母達の様に優しく、逞しく、誰か一人からで良いから尊敬される人になって欲しいと思う。

更にわがままを言わせて頂けるのならば自らの人生を振り返った時にそのタイトルになり得る様、愛着を持ってその名前を続けてくれればなと心から願っている。

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