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好きなスパイスはカルダモンです。

好きなスパイスはカルダモンです。

と答えると上品な気持ちにさせるのはきっとカルダモンの香りのせいだろう。スパイスを効かせたカレーから甘いチャイ、お菓子作りまで幅広く活躍しているのが「グリーンカルダモン」である。そして独特なスモーキーな香りを漂わせてカレーに深みを与えてくれるのが「ブラックカルダモン」である。同じ種の植物からなるこの「グリーンカルダモン」と「ブラックカルダモン」形は似ているけどサイズは違い、香りなんかは全くもって違うものである。グリーンカルダモンは「スパイスの女王」と呼ばれているがブラックカルダモンのあだ名は聞いたことがない。

カルダモンと一言にいった時にはだいたいがグリーンカルダモンの方を指していることが多いような気がする。このカルダモンが脚光を浴び始めたのは紀元前1,000年のインドである。インド医学アーユルーヴェーダの世界で集中力が高まったり、リラックス効果、消化促進、肥満を予防するとして重宝されその後、エジプトではミイラ作りに使われたり香り高いことから祈祷にも使われたそうである。ローマでは美食家達のあいだで胃腸薬として重宝され、バビロニアでは解毒効果に着目され空中庭園で栽培されたり毒殺の危機に晒されている権力者達の解毒剤として処方されていたそうである。バビロニアではある権力者が服毒自殺しようとしたが日頃から摂取していたカルダモンのせいで毒が効かず苦しんだと言う話も残っている。中東の遊牧民族ベドウィンの間ではコーヒーにカルダモンを入れて饗したといわれ今でも中東のカルダモンコーヒーは今も有名である。ある説ではカフェインの作用を抑えてくれる効能があるのだとか。ノルウェーなどではその昔バイキングにより戦利品として持ち帰られ今ではクリスマスなどにカルダモンを使用したお菓子などが作られているそうで時期になるとカルダモンの香りが町中に漂うとのこと、羨ましい限りである。

カルダモンが「スパイスの女王」と言われる所以は高価なだけではなくその上品で爽やかな香りにあると思う。スパイスの香りのもととなっている精油量が高く5%の精油が種子に含まれている。
油にカルダモンを投入して熱していくとカルダモンがぷくっと膨らんでくると同時に爽やかな香りが立ってくる。この香りが油に移り料理全体の上品にしてくれる。

鮮やかなペリドットグリーンのカルダモン。雫のような形は心臓にも見えたらしくカルダモンのカルダは心臓を意味するギリシャ語のKardhaからきたとも言われている。

美味しいカレーにはカルダモンが入っていることが多い。たまにカレーを食べているとガチッと苦いカルダモンに出会うことがある。カルダモンの効能や歴史そして「スパイスの女王」と呼ばれているのを知ると飲み込めたりもするものである。

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鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回ったりしている。 好きな映画は『男はつらいよ』シリーズ。 アナン公式サイト:http://www.e-anan.net/
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