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スパイス売りとチャップリンのスピーチ

働きはじめて間もない頃、毎週末のように様々なスーパーやデパートに立って試食販売をしていた。茹でたじゃがいもをカレー粉で炒めて食べさせたり、マヨネーズとスパイスを混ぜて簡単な食べ方を提案したりしていた。たくさんの人たちと簡単な言葉を交わして何人かは買ってくれた。ほとんどの人たちはおそらくもう会わないであろう。

スパイスを使い切れたのであろうか。 

といつも思ったものである。やっぱりスパイスを使い切って、活用してもらいたいなぁ。

それから何年か様々なところでスパイスを試食販売したりしていたらスパイスのことをもっと知りたい人や使いたい人たちが増え料理教室や講座、話を色々なところでする機会が増えていきました。

やっぱりスパイスを使い切ってもらいたいので今では月に一回スパイスからカレーを作ろうと言うことで「つきいちスパイスカレー」を東京、横浜、鎌倉を始め7、8箇所で2種類のスパイスから作るカレーを一緒に作ったり、目の前で作ったりしている。

スパイスを「売る」ことより「伝える」ことを大事に。そして「伝える」ためには「学ぶ」ことを意識しながら。月に一回開催していると結構な人たちにまた会える。色々な話ができる。使い方がわからないスパイスを質問してくれる。

「伝える」を意識し始めてからか、インターネットでもスパイスの販売と同時に毎週レシピを公開し始めた。そうするとレシピに対しての質問や、作ってみての感想や意見などをもらうようになった。

「伝える」と「学ぶ」を通してスパイスを広げる。

スパイスで料理する人が増えることによって食べる人や作る人が楽しくなったり、幸せになったりしたらよいのだろうな。きっと。

スパイスを通して知った歴史や文化などは本当に面白い。

どのようにネットを通じてスパイスを伝えられるだろうと考えていたらチャップリンのスピーチを思い出した。

“we have developed speed , but we have shut ourselves in. Machinery that gives abundance has left us in want. Our knowledge has made us cynical. Our cleverness, hard and unkind. We think too much and feel too little. More than machinery we need kindness and gentleness. Without these qualities , life will be violent and all will be lost…” (The Great Dictator より引用)

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