精神科の真実 難病・奇病のオンパレード

Tメンタルクリニックの特徴的なところは、よくわからない症状の患者さんを積極的に引き受けることだ、一つはひきこもりと呼ばれる青年期の群、もう一つは統合失調症や気分障害のような枠から外れるような患者さんの群、それらに複雑な人間関係や金銭苦が重なり解決不能の様相を既に呈しているパターンが多かった。

1.異常潔癖症
20代くらいの男の人だったが、全くしゃべれないという(知能は働いている)という患者さんが障害年金の可能性を探り面談した。それに加えて潔癖症で何も触れず、鉛筆やペンも持てないので筆談もできない。どのように進めていいかわからずコミュニケーションが取れずに終わった。

2.50代で親の金で生きる患者
今でこそ5080問題として明らかになってきたが、10年前のこの方はその先駆けであろう。
50歳で母親と二人暮らし、母親の年金で生活している。生まれてから働いたことがなく、「親が死んだらどうしよう」というテーマで相談してきた。様々な解決策を提案したが、何を言っても「働く」ことと「親から独立する」ことから逃げるばかり、先生に訊くと「回避性人格障害」と言われた。DSMとはよくできたものである。

3.意味不明の男
学校を不当解雇されたという教員、養護学校だったが、話が支離滅裂で理解ができなかった。子どもの誕生日に「君がスターね」と言ったら「スター」というのは死を意味するので解雇されたという話を繰り返すばかり、陰気でとても困難さを感じた。

4.チック症状が止まらない
四六時中ずっと口をチッチッチッと止まらない患者、主訴が何であるかもわからないほどであった。

5.多額の障害年金をもらっても救われない患者
30代男性、厚生年金にある程度加入していたため、月に14万、2月に28万ほどの障害年金が入るが、借金と衝動的に全部使ってしまうので、常にカツカツの生活、重度の鬱状態で、仕事の話も大事なタイミングで寝落ちしてフイにしてしまう。両親が自死しておりそのトラウマもあると思われるが何を言ってもできない理由しか出てこない。

※この方のケースカンファレンスが開かれたが、医師が「〇〇君の病状は悪くなるばかりで、いっこうに良くならない」と結論。この方は多剤大量処方の典型のような人なので、今にして思えば、薬漬けにして思考能力を奪ったのは医師であり、その言葉しか吐けないのか?と思う。
患者さんの話をよく聞くと評判の医者もこんな程度なのが精神科の実態である。

6.小学4年生から24歳まで一歩も部屋から出なかった女性
これは医師と一緒に往診に行った。クリニックには毎回母親が代理受診に来ていた。
母親は患者が小学生の時うつ病で苦しみ、小学生の患者が母親の看病をやっていたが、母親が良くなると入れ替わるように患者が部屋から出られなくなったという。

※ひきこもりの問題で親が悪いのではないか?という人もいるが、わたしの経験では、なぜか親御さんは人格者のような方が多く、なぜ子どもが引きこもっているのか理解に苦しむケースが大変に多い。もはや論理的解決は不可能で、スピリチャルなどの視点からの解決が必要だというのがわたしの結論である。

7.大卒の自閉症就職できず、親がクリニックに怒鳴り込む
コミュニケーション不全で明らかな自閉症。大卒なのに就職できないので障害年金取得のために当院を受診。前述したように自閉症では障害年金が通る可能性が低いので、医師は時間稼ぎで逃げ回る作戦をとる。その影響はわたしに及び、何回も面談するが、親から「まだか? まだか?」と催促が来る。直感的に何かの構成員の気がする。クリニックに直接来て、他の患者を押し除け診察室に入り怒鳴り込んだことがあった。「なんでその人を入れたの?」と責められたが自業自得だと思う。

8.ジャニーズグッズの衝動買いの連続で障害年金受給決定
双極性障害の若い女性。買い物が止まらず自己破産もしていたと思う。わたしの見立てでは双極性障害というより、自分の都合のよい言動を繰り返すサイコパスといった感じ。特にジャニーズのものに目がなくコンサートをはじめ限度額いっぱいに使ってしまう。家族も困り果てている。障害年金を希望したので丁寧に診断書作成を進めたが、正直、買い物に歯止めが効かない以外は障害の重篤さが書くことができず、作文が困難だった記憶がある。厚生労働省に提出し、患者から「受給できました。ありがとうございました」と言われた時は複雑な気分だった。

9.臨床心理士を辞めさせた強者
わたしの担当ではなかったが、精神障害の患者さんで、女性の心理士に想いを抱き、それが裏切られたととり、様々な法的テクニックを使って、心理士を追い詰め、ついには退職せざるを得なくした。

※精神障害者は知的障害者と違い、生活はできないのが共通かもしれないが、頭脳は一般人以上にキレる人がいるのも事実。対応を一歩誤ると上記のような事態も十分考えられる。

10.頭の良すぎる患者
20代の若い男性。有名大学大学院まで卒業するも、うつ病と言われ仕事も断念。アスペルガー(知能の低下を伴わない自閉症)の傾向もあった。薬はやめられていたが、またうつ病にならないように予防的に薬を飲むべきですか?と質問された時はびっくりした。

11.驚異の多重人格
若い女性。医師の話よると十数個の人格があり、大きく分けて3つの人格が交代で出現する。悪いグループに目の前で当時の恋人を高層階から突き落とされ死亡させられたそうだ。
そのグループは当然実刑まで行ったが、数年後母親から「出所してきて壁に娘の名前をスプレーで殴り書きされた」と電話があった時は、とにかく必死で地元の警察にパトロールをお願いしたことを覚えている。異常に太っているにもかかわらずハンサムな婚約者がいたのが印象的だった。

わたしの想像を超える患者ばかりで、わたしの人格までもが壊れてしまった。
当時はわたしも多剤多量処方で薬を真面目に飲んでおり、思考も停止気味だった。
とにかく、このクリニックは暗い、建物自体も暗いし、患者も暗ければスタッフ一同も暗い、わたしも性格が暗いほうなのでもう救いようが無かった。

「死にたい、死にたい」と訴える患者さんに対して「死にたいのはこっちのほうだ!」と何度吐き出したかったことか。

あらゆる仕事を捨て、憧れて入った精神科医療の現場が壮絶というより、やっていて苦しさしか感じず、やりがいや生きがいが一向に見えてこない。それが一番辛かった。

その理由が、精神医学の闇、病気を重篤化させる精神薬、保険診療の怪奇さ、製薬会社の思惑で年金・医療費無料を国民の税金から捻出するという詐欺にあると気がつくにはさらに5年の年月を要した。


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