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誤解されがちなスタートアップ思考

スタートアップノウハウ系情報あるある
「大勢の人が欲しがるものを作る」と「スケールしないことをする」
両方とも言われてるけど、どっちがどういう意味?どっちが正しい?

どうもイチニシチです。張り切って本編いきましょう。
逆説のスタートアップ思考という本を読みました。スタートアップという立場で新規事業を成功させるにはどうすれば良いか?という本で、以前軽く読んだのですが、新規事業開発に携わる立場になって改めて読んでみました。

スタートアップ系の情報は最近の日本では多くのメディアで扱われているので、よく言われるような「常識」は多いと思います。逆説のスタートアップ思考では、そういった「常識」が根拠を持って語られていたので、その一端に関して、見ていきたいと思います。

「大勢の人が欲しがるものを作る」VS「スケールしないことをする」

スタートアップは、大きな影響力を持てるような大きなビジネスをやるべき、という情報と、スタートアップは、スケールしないことをするべき、という情報が両方あります。
どちらが何を示しているのでしょうか?

結論を言って仕舞えば、目的の違いです。

「大勢の人が欲しがるものを作る」とは、爆発的な成長のために、将来的にはスケール可能な市場で戦うべきということです。ニッチすぎる市場では、爆発的に成長する事業とはなりえず、スタートアップの定義にはそぐわない、スモールビジネスに過ぎないということです。

「スケールしないことをするべき」というのは二つの意味があって、
「初めの段階では狭く深い熱狂的なユーザーを獲得するべき」ということと「初めの段階ではユーザーに対して素早い検証を行えるような地道なことをするべき」という二つの意味があります。

前者に関しては、初めの段階では、少数の顧客が愛する製品を作った方が、市場に潜在している真のニーズを深く捉えている少数に人にアクセスできるため、あとあとスケールしやすいということです。Facebookは、初めは世界中に向けてではなく、大学内で使用できるようにリリースされ、熱狂的な支持を受けた結果、スケールしたのです。

後者に関しては、ユーザーに対して素早く検証を行えるような地道なことをすることで、ユーザーからのフィードバックを素早く取り入れつつ、自分たちの事業の全ての業務のエキスパートになれるということです。例えば注文仲介サービスのDoorDashは、創業者自ら注文を仲介して、お店の料理を顧客の家まで運ぶことによって、注文仲介にニーズがあることを正確に捉えるだけでなく、スケールするときにどういうシステム・人が必要かということを、理解したと言います。

つまり、「大勢の人が欲しがるものを作る」ことも「スケールしないことをする」も目的の違いで、両方必要だということです。

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「リスクを大いに取るべき」VS「慎重派が勝つ」

次に、「スタートアップは大きな成功のためにリスクを大いに取るべきだ」という考えと、「成功するスタートアップは慎重な姿勢でリスクに向かう」といったような考えは、両方とも見られます。これに関しても、それぞれどういう意味を持っているのでしょうか?

実は、成功している起業家に独断リスクを好む傾向は見られないそうです。しかし、大きなリスクをとっていることも事実です。どういうことでしょうか?
成功しているスタートアップは、リスクの取り方が特徴的なのです。以下の3点のようなリスクの取り方をします。

1. リスクのポートフォリオ管理をする
ある分野で危険な行動を取るのであれば別の分野では慎重に行動するなど、全体的なリスクのレベルを相殺しようとする傾向が優れたスタートアップにはあります。
例えば企業の前に確実な収入源や資金源をどこかに用意しておくような企業家は多いそうです。

2. タイミングを待つ
参入するタイミングで成功率は大きく変わります。市場のバブル的な加熱が過ぎ去り、本質的な参入ができるまで待った起業家ほど成功します。

3. リスクを相対的に評価する
今あるものを失うリスクと、チャンスを逃すリスクの両方を比較検討します。普通の人は今あるものを失うリスクを恐れますが、それらを相対的に公平に比較することでリスクをとっているのです。

以上のような法則に従ってリスクをとっているので、一概に大きなリスクをとっている、もしくは慎重であるとは言えません。優れたリスクの取り方をしているのです。

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今回は以上です!スタートアップに関しての情報や常識はいろいろなところで流布されていますが、似たようなこと、一見逆に聞こえるようなことが多いです。そんな中でも、それを鵜呑みにするのではなく、根拠までセットで理解したいものですね。

Beyondのイチニシチでした!またお会いしましょう。

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