見出し画像

絵のちから

去年のクリスマスより少し前から、なんどもなんども目にしていたこの本。なんならちょうどその頃、うちのフラットメイト宛に届いたアマゾンの箱を間違って開けてしまった時に、その箱の中に入っていたのもこの本でした。

画像1

Charlie Mackesyというイギリスのアーティストによる「The Boy, The Mole, The Fox and The Horse」。くまのプーさんのオリジナルの絵に似た風合いといい、本の装丁といい、とても好みの出で立ちのこの本。気にはなっていたものの、この手の本が大好きな私は、欲しいだけ買っていたらどうにもキリがないので、仕事に使う資料本以外はKindle以外では買わないようにしていたのですが、気になり続けて半年以上、ついに、なぜか、気づいたら仕事用に注文した文房具と一緒にアマゾンの箱に入って届いていました(いや、自分でポチってたんだけど)。

絵も素敵だし、手書きの文字も美しい。筆記体なので、ところどころぱっと見で解読できない単語もあったりして、それを解読するという別の楽しみもありながら読み進めました。話の世界観は、星の王子様とかウィニー・ザ・プー(くまのプーさん)をさらにシンプルでストレートにした感じでしょうか。また愛おしいと思う本に出会えました。

下手をすれば教訓的な押し付けを感じさせそうな(でも核心を突いた)言葉も、斜に構えて受け取る隙を1mmも与えずに、ダイレクトに心に突き刺さってくるのは、そこにある絵のちからの成せる技なんだろうなあと思いました。もぐらのことは良くわかりませんが、キツネはロンドンの住宅街にも良く姿を見せますし、馬には週一で会いに行ってますが、この本を読んでいるとそんな彼らの姿がすぐに頭に浮かぶし、それぞれのセリフも彼らが本当に言いそう!と深く頷けます。そしてそんな彼らと「ぼく」の様子や仕草を描いた絵の数々から滲み出ているピュアなエネルギー。

特に大好きな馬の姿と言葉にはいちいち心がとろけてしまったのですが、中でもこのページには、釘付けになりました。

画像2

"Life is difficult, but you are loved."

この絵と、この言葉と、私が馬と一緒にいる時に伝わってくる何かが、全て繋がってひとつになったのでした。

日本でもこの秋に「ぼく、モグラ、キツネ、馬」のタイトルで発売が予定されているようです。日本語にどう訳されるのか、どんな書体で綴られるのか、がとても気になるところです。

この記事が参加している募集

買ってよかったもの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?