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綱を渡る

こんにちは福原冠です。現在2022年12月20日午後3時50分、池袋の喫茶店で書いています。たった今オーディションが終わったばかり、ほてっています。


『金スマ』撮影現場

12月9日から11日にかけてワークショップとDJをする機会をいただきました。実に3年ぶり、『HAMLETーハムレットー』以来の大阪でした。まさかワークショップのファシリテーターとして行く日が来るなんて思ってもいませんでした。機会をくださった主催者のUさんとIさん、参加してくださった皆様には頭が上がりません、ありがとうございました。DJで参加した”ON KAN”というイベントもとても楽しみながらプレイができました。心地よい緊張感の中でひらめきを頼りに泳ぎ続ける数時間。DJはうまくいく時はとことんうまくいき、ダメな時は何をやってもダメだから面白い。こちらもご来場誠にありがとうございました!最後の即興のセッションでは(下手くそな)ラップをし、お客さんと一緒に即興的に踊るワークショップを試してみました。何かを描き、何かを吐き出しながらも、常に何かが充填されていくような場所としてのライブパフォーマンスの現場がそこにはあった様に思います。

楽しい時間は加速する。「一生続け」は「終わりがあるからこそのクライマックスさ」に飲み込まれていき、知らない駅の知らない道端でタクシーに乗り込みこの日は終わりました。最後に残った何名かとの別れ際、手を振りながらいつものように「次会う日は来るのだろうか」と思う。

この稼業は出会いが全てだ。今回のワークショップだってそう。豊橋でさんぴんと豊橋吹奏楽団がコラボレーションした時にUさんと出会ったからこそ生まれた話だし、楽団との公演ははさんぴんの駿谷くんが団長と映画の現場で出会ったから。駿谷くんとの出会いは彼の所属するロロの劇団員である亀島くんと自分が共演したことがきっかけだった。もう10年くらい前のことだ。

撮影時のメイク部屋、なんだかよかった。

思えば今まで様々な方と様々な形で出会い、別れてきた。挨拶をして始まったのに挨拶もないまま別れてしまったこともあれば、気づかぬうちにしばらくの時間を併走し、意識し始めた頃にお別れなんてこともある。今回の大阪も3日間で本当に沢山の方とお会いした。台本の覚え方を意識し始めた途端に台詞を覚えづらくなるのと同じで、別れることを意識するようになってからずっと、別れ方が下手くそになったかもしれない。だからこそなるべく、別れることができる時は丁寧に別れたいと最近は思う。できてないかもしれないけど。

それでも出会うことはやめられない。むしろ出会いまくっていく。出会いこそが全てだからだ。会いたくて会えたらそんなに楽な話はなくて、自分でできることなんてきっと限られている。「いつどこで誰と何と出会うのか」はハンドリングの効かない大きな法則の中にあり、右往左往し、可能な限り言葉にし、手足を動かすのみだ。

「この稼業」なんて言ったけど、ほんと綱渡りの様なことをしているなと時々思う。そしていつまでこの日々は続くのだろうとも。この見えないロープから落ちた時、あるいは向こう岸まで渡れた時に、このワクワクヒリヒリゾクゾクのゲームは終わる。そして次のゲームが始まるんだろう。



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https://note.com/beyond_it_all/m/me96780b246d6


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