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稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

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南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載
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記事一覧

イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

第23回 哀愁のサニーレタス  サニーレタスはよく、何かの下に敷かれて登場します。コロッケ…

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イナダシュンスケ|羊肉期の終り

第22回 羊肉期の終り 「羊肉はお好きですか?」  この質問にイエスと答える人の中には、ま…

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イナダシュンスケ|とんこつ遺伝子

第21回 とんこつ遺伝子 僕が高校生時代までを過ごした鹿児島は、昔から知る人ぞ知るラーメン…

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イナダシュンスケ|牛丼官兵衛

第20回 牛丼官兵衛 僕が初めて𠮷野家の牛丼に出会ったのは、大学生になり一人暮らしを始めて…

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イナダシュンスケ|トラウマバーベキュー

第19回 トラウマバーベキュー 昔の話です。僕は大学を卒業して、とある会社に就職しました。…

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イナダシュンスケ|千切りキャベツの成長譚

第18回 千切りキャベツの成長譚 僕が小学生の頃「放送教育」というものがありました。これはN…

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イナダシュンスケ|続・牧歌的うどん店 かき氷・おばあちゃん・パンクス

第17回 続・牧歌的うどん店 かき氷・おばあちゃん・パンクス 時給1000円に釣られて、とある神社の境内にあるうどん屋さんで働き始めた僕でしたが、そこは仕事も楽で、まかないはおいしく、店の人たちも優しく、天国のようなバイト先でした。  その店は、店の外に緋毛氈の敷かれた縁台もあり、茶店も兼ねていました。そこでは、冬はお汁粉、夏はかき氷が供されました。そしてその仕込みだけは、一貫しておばあちゃんの担当でした。  かき氷は、イチゴやメロン、抹茶など一通りのメニューを揃えていました

イナダシュンスケ|牧歌的うどん店

第16回 牧歌的うどん店「牧歌的」という言葉があります。自然の中で牧人が歌う歌のような、飾…

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イナダシュンスケ|ハンバーグ人生劇場③ 〜望郷編〜

第15回 ハンバーグ人生劇場③ 〜望郷編〜 現代の日本において、ハンバーグにはいくつかの系統…

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イナダシュンスケ|ハンバーグ人生劇場② 〜風雲編〜

第15回 ハンバーグ人生劇場② 〜風雲編〜 学生時代に発明した「ひき肉をフライパンに押し付け…

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【全文無料公開】イナダシュンスケ|ハンバーグ人生劇場① 〜立志編〜

第15回 ハンバーグ人生劇場① 〜立志編〜 子どもの頃、ハンバーグは大好物でした。晩ごはんは…

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イナダシュンスケ|お伽の国の特級酒、あるいは毛糸玉の中のローマ

第14回  お伽の国の特級酒、 あるいは毛糸玉の中のローマ  その日は、早朝から始まるなかな…

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イナダシュンスケ|好き好き懐石

第13回 好き好き懐石 懐石料理が大好きです。  僕は今回その愛を存分に語りたいと思ってい…

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イナダシュンスケ|蘊蓄の悲哀

第12回 蘊蓄の悲哀 あらゆる飲食店は「一目置かれたい」と考えています。なぜなら同じ料理でも、一目置かれた状態で食べ始めるか、ただ漫然と食べ始めるかで、評価は全く違ってくるから。漫然と食べられると、最悪の場合、上から目線で妙なことをネットに書かれたりもします。少なくともそれだけは全力で避けねばならない。  一目置かれたいんだったら味そのもので勝負しろよ、というのは正論です。正論ですがそれは、酷というものでもあります。  かつては世の中にあまりおいしくないものがたくさんありま