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べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.205

今号の内容
・巻頭写真 「松本康一さん」 江連麻紀
・続「技法以前」177 向谷地生良 「紛争解決と当事者研究 その3」
・伊藤知之の「50代も全力疾走」 第11回 新しいグループホーム「さくら」「ヨブ」が誕生します
・「同じ月を見た日」 宮西勝子
・福祉職のための<経営学> 067 向谷地宣明「ICU」
・ぱぴぷぺぽ通信(すずきゆうこ)「ミステリーな仲」


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松本康一さん

「今は病気の苦労というか、自己病名は永遠の少年、ギターバカタイプですね。」と、いつものように丁寧な口調で話してくれた松本さん。
松本さんは仲間やスタッフから「まっちゃん」という愛称で呼ばれています。

24歳のとき、仕事中に黄色い声援や「まっちゃん、がんばれー!」という応援が聞こえてきて超能力者になったと思った松本さんは、夜眠れないことから病院に行くと統合失調症と診断されました。

1999年にべてるとつながって、今は浦河のグループホームの世話人さんとして朝7時前から15時半まで働いています。家に帰ってからはずっとギターを弾いているそうです。

幻聴にも人格があるかもしれないから敬意をはらおうと考え、幻聴さんと呼び、声をかけるようになったら怖い幻聴さんが減っていって、誰もいなくなったそうです。

「世話人の仕事をしてると、人としゃべったり、聞いてもらって、聞いたり、ミーティングが楽しくてね。」と教えてくれました。

べてるまつりでは松本さんの入っているぱぴぷぺぽ楽団の演奏が披露されるかも?!


(写真/江連麻紀)

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初の無観客オンライン開催!
第28回 べてるまつり in 浦河
「世界の苦労を自分の苦労に~べてるな“3密”を通じた世界とのつながり~」

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2020年、世界中に影響を与えた新型コロナウィルス。感染拡大予防のためには“3密”を避けるようにと言われています。
しかし、この3密を避けるということはべてるの理念にもある「3度の飯よりミーティング」に大きな影響を及ぼすものでした。
コロナ禍のなかでいかに商売をし、生活を続けるか、この数か月日々研究を続けてきました。

コロナの自粛生活のなかで、「自分はコロナに感染してるんじゃないか?」、「自分がコロナを発生させた?」「暇疲れ…」という誤作動型のコロナ爆発も続出。
そこで大切にしたのが「べてるな“3密”」
「1.密な相談」
「2.密な確認」
「3.密なつながり」
社会的な距離(ソーシャルディスタンス)を保ちながらも、この「べてるな“3密”」を大切にすることでなんとかやっているべてるな人びと。

今回は初の試みとして無観客のオンライン開催を行います。
せっかくのコロナ禍、コロナも「治すよりも“活かす”」、オンラインだからこそ世界の人とつながり、世界のコロナの苦労をみんなと分かち合う実験的な1日を過ごしてみませんか?
ゲストによる講演や幻覚&妄想大会も行う予定です。
これまでべてるまつりに参加したくてもなかなか浦河まで来れなかった方も、今年は画面越しに浦河の雰囲気を感じてもらえる機会になります!


日時:2020年11月14日(土) 10:00~16:00

参加費:3000円

会場:無観客オンライン開催(Zoom)
(参加申し込み後、開催直前にZoomウェビナーのURLをご案内します)
※オンラインのため浦河の会場・施設での観覧はできません。予めご了承ください。

定員:450名(先着順)

申込締切:2020年11月10日(火)17:00まで


<参加方法>
・本イベントはZoomウェビナーを用いて配信します。
・パソコン・スマートフォンなどの端末、インターネット環境が必要となります。
・ご登録いただいたメールアドレス宛にZoomウェビナーのURLをご連絡いたします。
・お客様の環境等が原因で発生した視聴トラブルにつきましては、当方での対応はできませんので、予めご了承ください。

<ご参加に際して>
・記録のため、主催者の方で開催中のイベントを録画させていただきます。
・参加者による録画・録音はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・第三者への参加URLの共有・提供は決して行わないようお願いします。
・当日は無観客開催のため浦河の会場・施設への来訪はご遠慮ください。
・複数名でご参加される方は人数分のお申し込みをお願い申し上げます。


【お問い合わせ】
 べてるまつり実行委員会 事務局
 社会福祉法人 浦河べてるの家 東・樋口・池松
 TEL:0146-22-5612 E-mail:bethelmatsuri@gmail.com

○お申込みはこちら(Peatix)

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べてるもんどvol.18(2020夏号)が発行されました

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・べてるまつり2019特集
「べてるで育った子どもたち」
・毎日出版文化賞受賞報告「べてるの歩みを刻んだべてらー必須の三冊」
・建設レポート グループホームができるまで
・べてるの家の農福連携「いちごの仕事が始まりました」
・べてるの国際交流in韓国
・続 技法以前 向谷地生良
・連載 フォスターからみた社会 向井千晶
・ウレシパの会会報
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ

○ お買い求めはこちら

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BaseCamp2周年記念オンラインイベント
タイトルは、「The!BaseCamp2020~ピーン!ときた2周年 みんなでいこうワールドワイド イッツショウタイム!」

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感謝の気持ちとともに、BaseCampの2年間の集大成!?をおみせしつつ、素敵な時間をワクワクドキドキみなさまと一緒に手作りしたいです~。

日時:2020年10月10日(土)
13時30分~17時30分(途中30分程度休憩時間を挟む予定です)

参加費:1000円(出入り自由)
※参加費は必要経費を除いた分がBaseCampメンバーの工賃となります。
※BaseCamp応援チケットとして、グッズ付きのチケットも用意いたしました。ぜひよろしくお願いいたします。

【おおよそのタイムスケジュール】
第一部:BaseCamp全開タイム
【BaseCampダイアリー】
13:30~14:30

出演:
BaseCampメンバー
渡邊乾さん(作業療法士、訪問看護ステーションKAZOC代表)


第二部:2周年記念シンポジウム的タイム
【すでに本番なのだ】
15:00~17:30

出演:
白石正明さん(編集者、医学書院『シリーズ ケアをひらく』)
村上純一さん(精神科医、琵琶湖病院)
山中一紗さん(ソーシャルワーカー、琵琶湖病院)
渡邊乾さん(作業療法士、訪問看護ステーションKAZOC代表)
BaseCampメンバー

○お申込みはこちら(Peatix)
※zoomを使ったオンラインイベントです。お申込みいただいた方には前日までに参加URLをPeatixにご登録のメールアドレスにお送りいたします。
※お申込み後のキャンセルおよび返金は基本的にお受けしておりません。予めご了承くださいませ。

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「凍らさったしゃっこいイチゴ」「夏いちごアイス」などがネットでも買えるようになりました

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「しゃっこい」は、北海道弁で「冷たい」という意味です。
そのままかき氷機にかけて「夏いちごかき氷」にしたり、ジャムや苺ピューレにしたり、サワーなどと一緒に氷のかわりにそのままグラスに入れて飲むなど、いろいろ楽しみ方ができます。

いちご果肉がたっぷり55%入った贅沢な「夏いちごアイス」も絶品です。

あわせて昆布の「SOS(スペシャル・お得・セット)」もよろしくお願いします。

○ お買い求めはこちら(べてるストア 苺)

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続「技法以前」177 向谷地生良

「紛争解決と当事者研究」その3

『べてるの家の本』(1990)という本があります。べてるの活動に連なる人たちが、思い思いにべてると自分を語った「文集」のような本です。自費出版でしたが、当時、二万部をこえる“ベストセラー”になった記念碑的な本です。

この本のサブタイトルに「和解の時代(とき)」が、入ったのは、この本を企画された清水義晴さん(当時、えにしや代表)の発案だったような気がします。清水さんは、べてるの営みの中心に「和解」を見たのです。べてるの発信する言葉の中に「べてるは、今日も、明日も、明後日も、ずっと問題だらけ、それで順調」と言うのがあります。現実に、日々、べてるは問題だらけです。その中で、大切にしてきたのが、「問題が起きやすい場を保つ」という心がけです。精神医療の世界は、「問題が起きないこと」を優先し、その結果、精神医療の世界に“優しいファシズム”を生み出した反省が私たちの中にはあります。しかし、気を許すと“優しいファシズム”が、いつのまにか出来上がってしますのです。それを、あえて「順調」と言い放つことで、私たちはそれを自分ごとにしてきました。

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