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べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.215

今号の内容
・巻頭写真 「早坂潔さん」 江連麻紀
・続「技法以前」185 向谷地生良 「生きる苦労の動的平衡」
・ 伊藤知之の「50代も全力疾走」 第18回「他者と働く」ということ
・ これからも誤作動(1)「誤作動から始まる、家族考」とっとこ
・福祉職のための<経営学> 077 向谷地宣明 「アカウンティング(会計)」
・ ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ 「水がでないんです」


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早坂潔さん

ニューべてるを歩いているとミスターべてること、早坂潔さんのびっくりした声が聞こえてきました。

潔さん(写真 右)がスタッフに「おまえ、朝ごはん食べてこなかったのか!なにやってんだ!!いいか、健康っていうのはな、しっかりご飯食べて、よく寝て、あと少しの運動が大事なんだぞ。」と話していました。

最近、健康のコツをスタッフにもメンバーにもわかちあってる潔さんです。


(写真・文/江連麻紀)

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新刊『弱さの研究 ー「弱さ」で読み解くコロナの時代ー』

著者 向谷地生良・高橋源一郎・辻信一・糸川昌成・向谷地宣明・べてるの家の人々

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本体価格:1600円+税
出版社:くんぷる

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べてるpresents
いま改めて振り返る、当事者研究の理念 Vol.3
~「経験は宝〜そう思わないとやってられない〜」 雨宮処凛氏 × 向谷地生良氏 ~

ゲスト:雨宮処凛氏(作家・活動家)

浦河べてるの家のオンライン企画、第3弾!
コロナ禍のなか、オンラインを活用したミーティングや当事者研究など、べてるでも様々な取り組みを行なってきました。
全国に講演に行けない昨今、オンラインを活用してなにかできないか考え、今回は当事者研究を柱に一つのシリーズとしたウェブセミナーを企画しました。
このシリーズではゲストも交えながら、浦河で当事者研究始まった歴史や、当事者研究の15の理念、当事者研究にまつわる様々な事柄をテーマとして取り扱い、当事者研究を各々がどのように活用しているのか分かち合いながら深めていきたいと思っています。

今回は第3弾として作家・活動家である雨宮処凛氏をゲストに迎え、講演・対談を行います。2019年に編著者として「この国の不寛容の果てに(大月書店)」を出版され、向谷地氏との対談も収録されています。 当事者研究に興味のある方、これから研究活動をしてみようと思っている方など、みなさんぜひご参加ください!

日時:2021年3月22日(月)18:30〜21:00
参加費:2000円
会場:オンライン開催(ZOOM)
(参加申し込み後、開催直前にZoomウェビナーのURLをご案内します)
定員:150名(先着順)

ゲスト:雨宮処凛 氏(作家・活動家)
コーディネーター:向谷地生良、べてるのメンバー

雨宮 処凛 氏プロフィール

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作家・活動家。
フリーターなどを経て00年、自伝的エッセイ『 生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。
06年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年、太田出版/ちくま文庫)はJCJ 賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。
著書に『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ)、『 非正規・単身・アラフォー女性』(光文社新書)、『 ロスジェネのすべて 格差、貧困「戦争論」』(あけび書房)、対談集『 この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』(大月書店)、『 相模原事件裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』(太田出版)など 多数。

〈プログラム〉
18:30 オープニング
18:35 講話 雨宮処凛氏
19:30 対談 雨宮処凛氏、向谷地生良氏、べてるメンバー
20:30 質疑応答
21:00 クロージング
※スケジュール・内容は都合により変更になる場合がございます。

<参加方法>
・本イベントはzoomウェビナーを用いて配信します。
・パソコン・スマートフォンなどの端末、インターネット環境が必要となります。
・ご登録いただいたメールアドレス宛にzoomウェビナーのURLをご連絡いたします。
・お客様の環境等が原因で発生した視聴トラブルにつきましては、当方での対応はできませんので、予めご了承ください。

<ご参加に際して>
・記録のため、主催者の方で開催中のイベントを録画させていただきます。
・参加者による録画・録音はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・第三者への参加URLの共有・提供は決して行わないようお願いします。
・当日は無観客開催のため浦河の会場・施設へ来訪はご遠慮ください。
・複数名でご参加される方は人数分のお申し込みをお願い申し上げます。

○詳細・お申し込みはこちら(Peatix)
申込締切:2021年3月19日(日)17:00まで

【お問い合わせ】 社会福祉法人 浦河べてるの家 東・樋口 TEL:0146-22-5612 E-mail:urakawa.bethel@gmail.com

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続「技法以前」185 向谷地生良

「生きる苦労の動的平衡」

紀元前4世紀から5世紀にかけてまとめられるようになったと言われる旧約聖書に「コヘレトの言葉」があります。

「伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。日はいで、日は没し、その出た所に急ぎ行く。風は南に吹き、また転じて、北に向かい、めぐりにめぐって、またそのめぐる所に帰る。川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることがない。川はその出てきた所にまた帰って行く。すべての事は人をうみ疲れさせる、人はこれを言いつくすことができない。目は見ることに飽きることがなく、耳は聞くことに満足することがない。」

母親に導かれるように教会の門を叩いたのが、“人生の嵐”真っただなかの中学二年生の時でした。そこで知ったこの「コヘレトの言葉」(「伝道の書」と呼ばれていた)は、衝撃的でした。当時、とにかく毎日が憂鬱で仕方がなかった私の心情が、はるか昔の伝道者の言葉と重なり合うということの発見は、私を「自分」という砦から解き放ち、時空を飛び越えて思索を重ねることを可能にし、現実が苦しければ苦しいほど、その現実から前向きに離脱し、俯瞰して考える癖を身につけることができたような気がします。

「砂漠の思想」とも言われるキリスト教的な世界観は、創造から終末へと一直線に連なる歴史観によって、砂漠化する現代社会に生きる私たちに警鐘と示唆を与えます。

コロナ禍にあって私が注目しているのが「動的平衡」(福岡伸一)という生命論です。福岡はこれを、歩行が「片足を前に差し出すことで、体全体のバランスを崩して」、さらに「その不安定な状態を解消しようとして、もう一方の足が自然と前に出る」状態に例えています。

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