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ベタの散文詩

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楽しい哀しい ベタの小品集 他のも見てね。 散文詩、自由詩、ポエム、エッセイ?ジャンルは正直よく分かりませんが…。フィクションとノンフィクションのはざま、プランク時間以下に目覚め… もっと読む
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#散文詩

(詩)悪魔の病(786文字)

どうか君が怖い夢を見ませんように 神さまからの啓示を見落としませんように 君の優しい気持ちを素直に受け取られますように 君が出かける日は晴れますように おみくじはせめて良いことが書いてありますように 君の一挙手一投足を見ていたいの 君の全ての言葉を聞き取りたい、聞いていたい 君の声を聞かせて 君の電話のもしもしは、「もしもしぃ?↑」ってほんの少し語尾が伸びて上ずるの、好き。 今どきスマホでもしもしもないけど。 君は変わらないね 冬はもちろん夏でもオリオン座を見ている気がす

(処女作)頭の上の、コトリたち

昔ね、私 頭の上に鳥を飼っていたんだけど そいつがいつヤッタンダカ知らないけど卵を産みやがって 温めはじめたのです。 頭ふるなよ、と言うから もう、歩きにくいったらありゃしない やがて卵は孵化して、殻を破って出てきたヒナは もうエサをくれくれうるさいったりゃありゃしない それで親鳥、いつのまにか二羽になってて、交代で子育てし始めたの。 もう通勤の、地下鉄の中でも、仕事の会議中でも、騒がしいったりゃありゃしない。 なにがって、夫婦ゲンカですよ。 やれつぎは

(詩)like a swallow

休みの日は 私 一日中静かに過ごすでしょ 昼はなるべく採光して カーテンを通して 明るい日差しが揺れる波のように 降り注いで 時間が静かに流れるように あなたのメッセージ 私 なるべくすぐ返してるでしょ ごめんなさいね いつも 言葉少なで 光る言葉は床にひざまづいた 祈りのように またお返事が頂けますように 電車では 私 なるべく遠くを見てすごすでしょ なにも考えまいと努力して ただ 待っているの 乗り過ごさないようアラームセットして 鳴るのを待って 遅れてお待たせしない

(詩篇)シャーベット

何か一歩踏み出すたびに 心臓がすり減る気がするの 心が少しづつ削り取られる気がするの 心はシャーベットのよう 私何度も言ってるけど やるべきこと やりたくないこと やって当然のこと 言いたくないことを言うこと そういうのをやるのに すごくためらいがあるけど 恐れがあるけど それをかなりやってきたから あの子はできるって そう思われてるみたいだけど 私は やるべきこと やりたくないこと やって当然のこと 言いたくないことを言うこと そういうのをやるのに すごくためらいがあるけど

(詩篇)おはよ、毎朝の絶滅危惧種

我が国の警察署の機能は運転免許と自動車関係が半分を占めてるけどあれ民営化したらいいんじゃ無いの 夜のプラネタリウムはこんにち何やら怪しげなテーマでデートスポットで 卓越した公用語を怒涛のように使いこなして私は相手の精神にえぐいダメージを与えるの 地球温暖化が叫ばれて久しいけど異常気象あれはかの国の陰謀らしい陰謀論、夏に雪が降っても陰謀論、ねこもしゃくしも陰謀論 ねこちゃんずお引越し大移動、車に後ろの籠で怖がってニャーニャーニャー、たまに声かける「いつも病院行くとき車で

(詩篇)お椀の中からこんにちは

Hello,from inside the Bowl! 私を見て 私を見て 私は大きくなれるの? 広い世界を旅立ちたいよ いつもいつも、正しいことが楽しいとは限らない もっともっと、悪いことをさせてくれる人が好き The capacity of this bowl is too narrow for me.

幼い頃 実家で寝かされながら じっと外の音を聞いていた感じ

幼い頃 私は体がそんなに強くなかったのか 冬は冷え込む地方の実家に行きつくと まず疲れすぎてるので まず布団をひいて寝かされる、が常でした まだお外は昼下がり 薄暗い和室の真ん中で じっと天井を見つめていて じっと外の音を聞いていて ただしんみりとしたこころもちで 外で遊ぶ兄達の声 狭い路地を通る車の音 玄関のピンポンの音がして 大好きなお母さんかお父さんが出る音 階下でわめいている妹の声