手話と字幕を同一画面にして情報発信する方法
新型コロナウィルス流行で「Stay Home」により世の中がオンラインブームとなりました。その中で、オンラインでも、字幕がブームとなってきました。良い機会ですので、手軽に情報アクセシビリティ向上をはかる手段を皆さまにご紹介したいと思います。
1. 「OBS Studio」のインストール
最初に動画配信ソフト「OBS Studio」(フリーウェア)をインストールします。
2. 「OBS Virtual Camera」のインストール
Windows版:「Go to Download」からダウンロードしてインストールします。
Mac版 Assets:「obs-mac-virtualcam-XXXX.pkg」をダウンロードしてインストールします。(XXXXはバージョンによって変わります)
OBSを起動し、「Start Virtual Camera」を選ぶことができれば、OKです。
3. Web上で音声認識を行うサイトを表示
ここでは、例として、PC上でアプリ不要で簡単に音声認識を行う方法として、筑波大学大学院の鈴木一平さんが開発した「Speech to Text Webcam Overlay」 (Google Chrome限定)を活用します。ブラウザとして、Chromeを使用して下記のURLをクリックして、立ち上げます。マイクとカメラを有効にしますかと聞かれるので、有効にしてください。上手くいかない場合は、こちらを参照ください。
音声認識を行う方法には、他には、UDトークや「Live Transcribe」などの音声認識アプリを活用する方法もあります。
「Speech to Text Webcam Overlay」の場合は、カメラと文字が同じ画面だと使いづらいので、カメラは「非表示」にします。まとめて表示する場合は、「表示」でも構いません。
4. 通訳したいニュースなどの映像を再生
音声を出力し、3で起動している「Speech to Text Webcam Overlay」が字幕を表示しているか確認します。上手くいかない場合は、2のブラウザを再読み込みすると上手くいきます。ここでは、スピーカーと内蔵マイクの両方を使用しますので、正しく動いているか確認してください。
5. OBS上で字幕・ニュースなどの映像・自分の映像の3つを合成
シーン・ソースを「+」で作成します。ソースは、下記の3つを選択して、合成します。
・3の字幕(ウィンドウキャプチャとして、「Google Chrome item-x」を選びます。xは任意の数字)※ここで「ブラウザ」を選択するとカメラ映像を正しく認識しない場合がありますので注意ください。
・4のニュースなどの映像(「ウィンドウキャプチャ」または「ブラウザ」を選択します)
・自分の映像(「映像キャプチャ」、Webカメラの映像を利用します)
設定例は、下記の画像を参考にてください。このように選択することで、音声・字幕・手話の3つが同一画面で表示可能になります。
なお、字幕を見ながら手話通訳することもできるので、聴覚障害者自身が手話通訳をすることもできます。
画面トリミングは以下のサイトを参考にしてください。
https://scrapbook.mintgreen.biz/archives/3329
Macで映像が出ない場合は、システム環境設定>セキュリティとプライバシー>画面収録の「OBS」の許可をチェックしておくと出るようになります。
6. Zoomのビデオで「OBS Virtual Camera」を選択
Zoomのビデオマークの右にある、上むきメニューバーのところから、「OBS Virtual Camera」が選べていれば、使用できます。認識しない場合はZoomを再起動します。
※ MacでOBS Virtual Cameraが認識しない場合
●ターミナル経由でZoomの署名を無効にする ※こちらの操作は自己責任で行ってください。
①App StoreからXcodeをダウンロードします。
②ターミナルを起動します。
③下記のコマンドを入力します。
codesign --remove-signature /Applications/zoom.us.app/
③OBSのVirtual CameraがStartになっている状態で、Zoomを再起動します。
●画面キャプチャの許可
システム環境設定>セキュリティとプライバシー>画面収録の「Zoom」「OBS」の許可をチェックしておきます。
更新履歴
6/1
・5にソースの説明を追記、映像が認識しない場合の対応を追記
・6に「MacでOBS Virtual Cameraが認識しない場合」を追記
あらゆる人が楽しくコミュニケーションできる世の中となりますように!