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欲望の巨大都市:東京というテクストをゆかば

 高度に先進化した巨大都市・東京。その膨大すぎる重層文化とめくるめく変遷する表情、とめどなき人間の欲望を素直にあらわす街の色はいま愈々大成を迎えているのではないだろうか。

 年の瀬も年の瀬ということで五月蝿いくらいのクリスマス商業消費主義キャンペーンから歳末売出、はやくも新春広告と、いまほど街が騒々しい時もないだろう。日本の冬はスピードが速すぎる。

 いまほど騒がしい世相に、大都の夜景が煌めく時もまたない。人工都市のはざまに垣間見える遠き自然、河川を越えるときに望める遥か向うにある山々の稜線は、対岸の都市に入ればすぐに見えなくなってしまう。これほどまでに人工物だけで大都を創造してしまったのだということを実感させる。

 帝都から首都へ、そしてそのまわりを取り入れるようにして拡大してきた所謂首都圏にあって、東京の真中ときたら、またやはり物凄い重大なものがあるように感ぜられるだろう。

 東京は大なるテクストであって、そして何時の時代も、東京は物語、東京は写真なのだ、と言われて来たのも納得だ。

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