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アジアン蔑視に問題提起するフェス

音楽フェスってピースフルなイメージありますよね。平和や反戦を訴えたり、お酒飲んで海外だとXXX吸ってみんなハッピーみたいな。音楽は人々の争いを浄化するメッセージ力を持ってますよね。

本日、偏見や差別を訴えるスゴいフェス?を目撃しました。テーマやコンテンツ手法、SNSを活用した提供形態どれを取ってもブランディングやマーケティングを考える上でも、めちゃくちゃ参考にすべき要素が満載なので、ブランディング観点でまとめてみました。

テーマとなっているのは、蔑視によるアジア系アメリカ人の精神的な苦痛を軽減することです。

フェスの様子は今のところ全編、アーカイブが見れます。まずは、是非、鑑賞してください!

全てのブランディングに携わる人のベンチマークにすべき最強フェス

まずは概要をざっと記載します。

■テーマ(イベントタイトルそのもの)
・Asia Rising Together共に立ち上がるアジア
■目的
・蔑視によるアジア系アメリカ人の精神的な苦痛を軽減する
■チャリティ先
・Asian Mental Health Collective
■開催場所
・Facebook/Twitter/YouTubeでのLIVE STREAMINGのみ
■コンテンツ
・LIVEパフォーマンスではなくNETFRIX協力による事前収録
・アーティストのルーツの家族/文化ドキュメンタリーを重視
■出演者
アジアにルーツを持つアメリカ人アーティスト
■収益
・グッズ
・スポンサー広告費

主催 88 rising
協力 NETFRIX
スポンサー AT&T, ONE CHAMPIONSHIP

主催したのは、アジア人アーティスト専門ヒップホップ・R&Bレーベル「88 rising」です。88 risingの創設者は日系アメリカ人なので、知っている方もいるかと思いますが、アジア人をルーツに持つ事業者として、昨今のアジア人蔑視を見過ごすことができないということでアクションしたと伺えます。

何がそんなにスゴいのか

では何がそんなに凄かったのか、興奮が冷めず支離滅裂になりそうなので、箇条書きでご勘弁を!

■社会性意義を持ったテーマとイベント内容の一貫性
■NETFRIXが全面協力していてコンテンツそのものが超高品質!!
■そもそも出演者のアーティストがめちゃくちゃかっこいい!!
■各アーティストの音楽パフォーマンスと、アーティストのルーツになったアジア文化と家族をテーマにしたドキュメンタリーコンテンツを織り交ぜて構成するコンテンツの新しさ。
■こんなにスゴいコンテンツを全編無料Facebook/Twitter/YouTubeでのライブストリーミング配信。
■アジア人のメンタルヘルスの問題に取り組む団体に全額を寄付するソリューションの的確さ。
■主体となっている88risingでしかできないことをやっている。
■88rising所属のNIKIのシングルリリース日でちゃんとプロモーションとしても機能させてる。
■間に挟まるOne Championshipの広告がめちゃ感動する!!

ブランディングの要素を解剖図でざっくり解説

ブランディングとは、社会が持つ「興味」や「課題」に対して、ブランドが持つ「強み」や「弱み」をぶつける施策のこととです。

この社会(SOCIAL)の要素と、ブランド(BRAND)の要素を分解して整理することで、何が上手くいった要素なのかを検証することができます。

この観点で整理したのが以下の図になります。

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現在、社会で大きく問題になっていることに対して、88risingしか持っていない価値を真正面からぶつけた施策であることがご理解いただけるかと思います。

さらに、問題の一つの解決としてアジア人のメンタルヘルスにフォーカスしたことも注目に当たります。

チャリティ先となったのは、アジア人のメンタルヘルスケアを目的としたAsian Mental Health Collective。元来、アジア人は集団主義でメンタルの問題を抱えがちな文化圏であり、アジア人蔑視で内面的に苦痛を抱えながらも明るみに出ないことが、問題視されているようです。

こうしたことからも、ブランドとして社会の課題に対するアクションの的確さが伺えるかと思います。

ブランド活動は売る為ではなく、社会の共感を呼ぶ為の活動です。今回のAsia Rising Togetherには、僕自身が同じアジア人として非常に強く共鳴しつつ、自分たちの活動に対しても見つめ直したいと思います。

88risingに最大のリスペクトを込めて。


その他、Twitterにも、ザラザラ実況チックに記載した内容があるので気になる方はご覧ください。


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