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スピーカーセッティング

ハイスペックPCをショップが持ってきて試聴させてもらうということになり、前回はコンセントが足りないから電源ボックス「Force bar3.1」のクリーニングをしたという記事を書いた。

今回はスピーカーセッティングの話。トップの画像は高級ケーブルで有名なCardas Audioのリスニングルームの使い方、及び。スピーカーのセッティングの仕方を説明したページのもの。

このカルダスのセッティングは私も人から教えてもらったのだが、もっともっと参考にしてオーディオルームを設計すべきだったと悔しい気持ちになるほどよくできている、と思った。なぜ悔しい気持ちかというと、、、

①カルダス理論を知った時には既にオーディオルームの設計には時間的に間に合わなかった。
②設計時は石井式が唯一参照できる理論だったが、難しくてほとんど活用できなかった。
③マルチチャンネル・サラウンドが私の本懐であった。

カルダス式は初心者には絶対に分かりやすいと思うし、とりあえずカルダスの方が音が良さそうに思う。だが、カルダス式にも問題がある。定在波である。カルダス式を参考にしてスピーカーの置き方を研究しながら、ある程度のセッティングが見えたら、ルームチューニングをする。またセッティングを研究する。またルームチューニングをする。AVアンプの自動補正や、LINNやRoonのルームオプティマイズ系のフィルターみたいなもの、活用するのはいいだろうが、ああいう類のものから始めると、《城》は余計に遠くなるだろうね。スピーカーのセッティングと物理的なルームチューニングの繰り返し以外に、素晴らしい音に近づく道はないと思う。高い装置とかアクセサリーとかはほどほどに。ルームチューニングに関しては、定在波の秘密を探ることである。

赤いところは定在波が想定される。そこを回避するように縦長を横長に使って、斜めに入ってくるのも加わると最も定在波が強力になる部屋の中心点を回避したところにリスポジを置くということだろう。石井式の松浦氏の平面図。

(定在波というのは、音源の音≒原音を移動し変形し、原音を消してしまい違う音を盛りまくることになる物理現象で、オーディオルームの宿痾とされる。定在波については石井式の松浦正和氏のページをよく読むといい。けっこう難しいが。http://hoteiswebsite.c.ooco.jp/room/download/index.htm)


で、セッティングなのだが、今までかなり原始的なやり方をしてきたのだが、自動水平機能の付いた3Dレーザー墨出し器が9000円くらいで買えたので、それを使った。

墨出し器をスピーカーのフォーカスポイントに置いて、センターを把握するところ。とにかく墨出し器を置いてレーザーを出せるだけ出して、5分くらい調整すればセンターにラインをひける。あまり難しく考えない方がよい。

カルダス式の勘所はリスニングルームのセンターを把握して、比率を考えながら等間隔に、(1)左右スピーカーと(2)リスポジと(3)側壁と(4)背後壁の4つのファクターの関係を考えるだけである。しかし私の場合は、スクリーンに対するプロジェクターの(5)入射角と(6)サラウンドスピーカーとの関係も考慮しないといけないので、カルダス式を純粋に追求しきれない。この難問を自分のオーディオルームの設計の前に、アルキメデスみたいに考え抜きたかったなというのが、人生最大の後悔の5本指に入る。これからオーディオルームやホームシアターを作る人のためにアドバイスできることが沢山あるから、セッティングとルームチューニングを前提にしたオーディオルーム設計については別の機会としよう。

今回はPCで2chピュアオーディオのための調整なので、フロント左右だけなので、一瞬。まず、フォーカスポイントとしてのセンターから、右スピーカーのセンターにレーザーを当てる。中心までの距離をメジャーで測る。カルダス式の(1)と(2)の比率を整える。

右スピーカーの中心にレーザーを当てる。三脚を動かさないようにぐっと掴んで、3分程くるくるやれば当たる。

次に、左スピーカーに光を当てて、また測定する。

左もレーザーを中心にセットして、距離を測定。

左右スピーカーを測定して、ズレていたら、距離が同じになるようにスピーカーを動かして、また測定。しかし、センターからはズレていなかったので、次にいく。カルダス式の(1)と(3)。つまり、側壁とスピーカーの距離を測る。先に結論を言うと、これまた、あまりズレがなかった。

実は、ここ1年くらいは、原始的な測定をしながらのセッティングができていなくて、聴いた感じと目測で動かしまくっていた。長期に渡って、相当にカンで動かしまくっていたわけ。しかし、これ以上はカンでセッティングしても合わないなと思っていたので、試聴の前にやっておくかとなったのであった。結果的に、右と比べて約1.5cm分、左スピーカーの後ろ足が側壁に寄っていただけだった。

つまり、内ぶりの角度がズレていただけ。自慢ではなく、大切なことなので書くが、自室のセッティングを繰り返すと、どんどんセッティングが上手になる。ポイントは常に測定しその数値をメモしておくこと。いつも測定すると測定も上手になるし、測定するとどれくらいズレているかの目安を身体で覚えられる。内ぶりのズレ1.5cm程度にまでならば、シンプルなカルダス的発想のもとで何度もやっていれば誰でもできるようになる。

話を戻すと、側壁との距離を測定するのであった。私のスピーカーは四角でないので、ちょっと積み木みたいので測定の仕方を工夫しないと、測定が適当になり過ぎる。

両スピーカーの側壁との距離比を合わせる時に、上手くスピーカーの測定箇所の目印を見つけるのと、ボード等に乗せている場合は、測定が安定するように補助具を使う。

さて、左右のズレを1〜3mm以内に合わせたら、音楽を聴きながら微調整をする。一青窈の24bit/96KHzのWAVのダウロード音源をかけた。内ぶりの角度が1.5cm分ズレていたのを、1〜3mm以内に合わせるだけで、びっくりするくらいに音が良くなっていた!一青窈の再生では、ディナーショーのように小さい会場の1番近い席みたいな実在感になった。それから、ユリア・フィッシャーのツィゴイネルワイゼンの同じサイズのWAVも聞いてみた。やっぱりクラシックは定位だね。もうイキイキ。ヴァイオリンのアーティキュレーションを体感できる。まあ、100万高いスピーカーに変えたくらいのアップ率だね。で、今回は小っ恥ずかしくない程度に定位があればいいので、もうおしまい。(爆)

2chのセッティングって早いなぁ〜。サラウンドだと指数関数的とは言わないが、がっと難度が上がるですよー。

 

追、

本当はセッティングをする前に、各端子を磨き、いっぱいあるネジを締め直した方がいい。今回、スピーカーの下にありスパイクがはえている台座とエンクロージャーを繋げている1番大きなネジを六角で締め直した。またスパイクも締め直した。内ぶりのズレを直したのも重要だろうが、スピーカーのネジも重要。スピーカーはリスニングルームにある機材の中で最も振動にさらされているのだから。



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