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ドイツの子育て-保育園の休み-

★保育園-夏休み、祝日、職員研修

週5日、8時から16時まで子どもが保育園にいってくれるのはとても助かる。フリーランスの私はその間、自分のペースで家事ができ、仕事ができる。

ところが、保育園は一年中やっているわけではない。これは私立、市立にかかわらず、保育園の方針によって異なるのだが、うちの園は毎年3週間の夏休みがある。これは、学校に通っている兄姉を考慮して、学校の夏休み期間(6週間!)と時期がかぶるように計画されている。

多くの人はこの時期に有給休暇をとり、子どもと夏の休暇を過ごす。確かに学校に通う上の子がいる家などでは、どっちみちその時期に休暇をとることになるだろうから、保育園の3週間の夏休みなど、あまり問題ではないかもしれない。

※ドイツでは3週間の有給休暇をとる、なんてことが当たり前にできる。もちろん、職種や社内的立場にもよるが。

が、保育園に通う子しかいない家庭の場合、どこにいくにも何をするにも一番お金がかかる時期に、わざわざ休暇をとらねばならぬ、というのはあまりうれしくない。

そういう意味では、本来、保育園探しのときに、夏休みアリ・ナシを選ぶポイントにすればよかったわけだが、そもそも空きを見つけること自体が難しい中で、見つかっただけでラッキー!それ以上のわがままは言っていられん、とそのときには思ったものだ。まあ、もう仕方がない。

ちなみにこの夏休み期間に有給休暇が取れない保護者のために、夏休み中も緊急託児のようなものがある。ただし、それを申し込むためにはたいてい、雇用者からの証明書のような書類が必要だ。私のようなフリーランスには縁のない話だ。

さて、それ以外にも、木曜や火曜が祝日だと、その間の金曜や月曜は保育園が休みとなり(Brückentag、という)、4日間の長い週末になる。これはうちの園に限らず、多くの園がそうしているようだ。

また、職員研修やら職員会議などで園が閉まったり、短縮になったりすることがある。
うちの保育園はこの職員研修(職員の遠足も含む)やらがやけに多く、したがって休みが多い。フルタイムで働いている保護者はその都度いったいどうしているんだろう?と思うくらい、多い。
ほかのママ友の話を聞いても、うちの園はこの職員なんちゃらの休みが多いほうらしい。この点も、本来は保育園選びのポイントなのだろう。しくじった。

何度か園を変えることも考えたが、大きくなるにつれて子どもも特定の仲良しさんができてきたし、担当の保育士さんとの関係も良好だから、休みだけを理由として園を変えるというのは、あまり意味がない気がして、実行に移してない。実際、空きが見つかるとも思えない。

でも、保育園探しをしている人には、保育園選びのポイントとして、必ずこの話はするようにしている。


★保育園-保育士さんの病欠と有給休暇

夏休みや職員研修といった、園全体の決まった休みのほかに、人材不足だから、今日は家で見てほしい、と言われることもある。

私の子どもが通っている保育園は、私立ではなく、地方自治体が運営する保育園で、支園(というのかな?)は、ベルリン市内に56か所。

保育士さんは、ベルリン市に登録された人が派遣されてくるようで、フルタイムとパートタイムの人たちと、職業訓練と思われる若い人たちがいる。全体的に保育士が不足しているらしく、たいていどこもかつかつの人数でやりくりしていると聞く。

そのなかで保育士さんの病欠や有給休暇が重なったりすることがある。特にフルタイムの保育士さんが休むと、パートさんや職業訓練生では時間も職務内容も限られていて代用がきかないから、保育園側はにっちもさっちもいかなくなる。

保育士さんの病欠(3日までは医者の診断書が不要)と有給休暇は、労働者の権利として固く守られている
そのため、え?この時期に今、あの人が有休とっちゃうの?と思うようなことが多々ある。例えば、誰かが病欠でそもそも人手不足なのに、さらに別の人が有給をとってしまう、といったことだ。確かに、有給のほうが先に決まっていて、たまたま病欠が重なってしまっただけなのかもしれない。申請した以上、保育士さんも休まなければならないのかもしれない。でも、その分のしわ寄せが保護者にくるって、なんだか納得がいかない。でも、保育士さんの労働者としての権利だからこちらも文句は言えない。

例えば、私はドイツで日本人学校に勤めていたが(ドイツの法律に基づく労働契約)、有給は夏休み中に消化することになっていた。保育園も同じ教育機関なんだから、そのくらいの配慮があってもいい気がするが、そんなのおかまいなしだ。

ちなみにうちの園は(上に書いたように)同じチェーンの園が市内に56か所あるが、これらが人的に助け合うことはない。もっというと、普段からまったく交流がない。どうやら夏休み中に行っている緊急託児(どうしても有給が取れない保護者用)では、子どもの人数が少ないこともあって、かつては他の園と合同で行っていたらしい。が、それもコロナ以降は、それぞれの園ですることになっているそうだ。

さて、こうした状況は当然、保護者と子どもにも影響を及ぼす。

まずは、すでに上に書いたが、急な人手不足が発生すると、明日は人が足りないから家でみてもらえないかしら、と親に電話がかかってきたりする。
保育園側も、誰が仕事をしていて、誰が家にいるのかを把握しているから、いつも決まった人がその対象になる。その一人が私だ。

年に何回かのことであれば、私も協力する気があるし、してきた。例えば、クラス委員みたいな役職はやはり言葉のこともあって、私には無理だろう(やってもいいけど、いろんな人に迷惑がかかりそうだし、役員会の議事録ひとつ書くのだって、ドイツ人の3倍は時間がかかるだろう)と思うため、その代わりに私にできることはやりたい、という気持ちもある。

ただ、一時期あまりにも頻繁だったときがあり、そのときにはやはり不満がつのった。こんなに頻繁なのなら、仕事しているうんぬんに関わらず、順番に、平等に負担すべきではないか、と思ったのだ。特に、私が求職中だったときは、そのせいで仕事探しができないのは、ドイツ経済全体にとってもよくないことのはずなのに、と思ったりした。

また、数年前に、うちの園で保育士さんの半数以上がインフルエンザにかかり、ほぼ休園のよう状態になったことがあったが、この時もお願いをされて、2週間ほど、家で子どもをみたことがある。確かに、子どもがインフルにかかるよりは、家でみたほうがいいと思い、承諾したのだったが、そもそも園の事情だったわけだから、月謝(保育園費用)も半額にするなどの配慮が欲しかったなと思う。

子どもへの影響という点では、人手不足のせいで、急に担当の保育士さんが変わったということがあった。別のクラスで長期の病欠をとる保育士さんがでたとかで、彼女がそこに移動することになったのだ。これも仕方がないこととはいえ、うちの子が慣らし保育を終えてそれほど時間がたっていなかった時期だったこともあって、子どもがどう反応するか不安だった。

実際、私の子は入れ替わりで担当となった保育士さんのことがあまり好きになれなかったらしく、その後しばらくは、何度も保育園に行くのを泣いていやがった。
話せるようになったとき、「〇〇先生、好きじゃない」と言っていたことが印象的だった。長い間、そう思っていたんだろうなと思ったら、不憫だった。

今はクラス替えをし、新しい担当の先生が気に入ったこと、親友ができたこと、本人が成長したことから、保育園に行くのを嫌がることはない。

また、人的問題もかなり解消されて、急に家で見てほしいと言われることもなくなった。コロナによるロックダウン中も、うちの子はきちんと保育園に通えたほうだ(これについてはまた別に書きたい)。
今年からは、保育園内でも最終学年(入学前)ということもあって、よほどのことがない限り(コロナ禍でも、入学前の子どもは優先だった)、安定して保育園に通えるはず。

それにしても、ドイツの労働者の権利の強さを、思い知らされた。もっとも、だからこそ、うちの夫も3週間の休暇が当たり前にとれるのだが、、、。




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