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「どうすれば、ふんばれる?」を考える

コールセンターでマネジメントをしています。以前に、同僚から「モチベーションがあがらない。やらなきゃいけないことがあるのに、がんばれないなー。どうすれば、ふんばれますかね?」と言われました。

その社員は日中に、仕事の些細な行き違いに対して、周りから不快な言い方をされて、うんざりということがあったようです。

私の考えは「高みを目指せば、小事は気にならない」ということでした。会社の中に些末なことで人の足を引っ張るような人が存在してしまっており、それ自体が良い事ではないのですが、その人たちをすぐに変えることも、いなくなってもらうこともできないので、コトへの向き合い方、自分の考え方を整えるのが現実的であると思います。

近視眼的な目線、下を見てしまうと、道にころがる小石(=くだらない揚げ足とり)が目に入ってきて気になるかもしれませんが、高みを目指して遠くを見れば足元に転がる小石は目に入りません。

いつも高みだけを見て、足元を見なければ足元をすくわれますし、もうちょっと手前を見ないと、遠すぎて必要な道が見えないということもあるので、基本的には前を向いて現実的な視線も持たないといけないのですが、疲れたとき、ふとしたときに高みを目指していることを思い返して、前に進む気持ちを取り戻すセルフコントロールができればいいなと思いました。

なお、足を引っ張る人は、往々にしてヒマな人、遠くを見ることができなくなっている人なので、基本的にはマイナスにならないように距離感を取ることが最善策だと思います。なぜそういう人になったのか、原因や背景にもよりますが、経験上、異動してもらったり、退職になったりすると、驚くほど、いろいろな問題が連鎖的に解決して、これほどまでに、その人がマイナスの影響を与えていたのかと驚くことがあります。環境を変えてあげることが、その人にとってもプラスだったりします。

話を戻しますが、モチベーションは「個々によって異なる」部分と、「ほとんどの人に共通」の部分があると思います。なにか一つだけがモチベーションということもなく、モチベーションに与える影響は複数あって、個別部分、共通部分があるだろうということです。

なにがその人にとってモチベーションになるのか、なにを目指すのか、これは個々に異なり、それぞれが持っていればいいものです。マネジャーとしても、個々のモチベーションを全て優先してあげられるものではないと思います。

マネージャーとして優先的にマネジメントすべきは、ほとんどの人に共通するモチベーションであり、それは「承認欲求」「適度な目標」「成長実感」の3点だと考えます。

「承認欲求」は、自分が承認された存在であると感じられていること、具体的には自分の仕事が社会、会社に役立っていると感じられる、貢献を感じられること、自分が称賛されて存在意義を感じられること。そのために、マネージャーは部下を褒めること、「ありがとう」と感謝を伝えることが基本動作です。

「適度な目標」は、現実的な目標や、先が見えること。先が見えることは、感覚的ですが、とても大事だと思います。イメージですが、走ってて体力がギリギリになってきたときに「残り50メートル」であれば「よし最後まで走ろう」と思えますが、「あとどれくらいか分からない」「残り10キロメートル」となれば、その場で走ることを止めてしまいます。ここまで行けばイケル!という先が見えることは大事です。マネージャーが「先を見せる」ということは目標設定を適切に行うということでもあると思います。

「成長実感」は変化していること、前進していることが見えること、感じられることです。そのための方法は数字で示すこと。ぼんやりと定量的に「がんばっている」「けっこうやれた」では曖昧でそれがいいのか、イマイチなのか捉え方に個人差があります。数値化できること、数字で測定できることもテクニカルかもしれませんが、大事なことだと思います。

以上、ここまでが自分がその人のマネージャーだったらやらないといけないことだと考えことです。

そして本人には「目標があれば頑張れるよ、無いなら何も考えないで、とりあえずやることやって、早く帰ってゆっくりしたほうがいいね」と伝えて、そっとお菓子をあげました。どう答えることが正解なのかは分かりませんが、同僚として、マネジメントのべき論を伝えれば、かえって上長への不満というおかしなベクトルが生まれるかもしれないので、余計なことは言わないでおきました。

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