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情報の適量をどう考えるか

コールセンターでマネジメントをしています。コールセンターには、マネージャーだけでなく、スーパーバイザー(SV)やオペレーターがいて、それぞれの情報量は異なります。

スーパーバイザーやオペレーターから「私は聞いていない」「その情報は早く教えてほしかった」など、情報量が不足していることに対する不満があがることがあります。

また、某企業の幹部の方がとある話の中で「情報は多ければ多いほどいい」という発言をしていたのを聞いたことがあります。

はたして情報は多ければ多いほどいいのか、どう情報量をマネジメントするのがいいのかを考えてみます。

情報量が少ないとは点の状態

コールセンターで扱う情報は多岐に渡ります。運用や商品仕様、キャンペーン内容や在庫状況、その他にもイレギュラーな対応方法や、細すぎて使うことがなさそうな知識まであります。

これらをすべて情報として、社内掲示板やマニュアルに網羅すると、どうなるかというと、情報が情報に埋もれます。「木を隠すなら森に隠せ」という言葉があるように、必要な情報が他の雑多な情報に隠れてしまい、かえって情報にたどりつきにくくなります。行きつく先は、業務習得までに時間がかかるベテラン頼みの属人型センターかもしれません。

そのため、情報を整理するだけでなく、そもそもの量を絞るためにフィルタリングをします。このフィルタリングのやり方が難しく、絞りすぎてもいけませんし、ある程度は絞れていないといけません。

情報を絞りすぎの状態とは、結論しか伝わっていないパターンです。「こういう問い合わせの時は、こういう回答をしてください」としか周知されず、オペレーターは背景(なぜそうするのか)や、全体像(どうして他の選択肢ではないのか)を知ることはできません。

この状態では、情報は「点」でしかありません。

情報を線や面で捉えること

情報が点であると、ピンポイントでその状態に対してのみ対応ができるだけにとどまります。もし違う角度から問い合わせをされたり、前提条件がずれた場合には対応できません。

そのため、情報が点でもなんとかなるのは、基本的にマニュアルに沿った対応が求められるオペレーターに限ります。スーパーバイザーは、イレギュラーな対応を判断することが要求されるため、情報を線(情報と情報がとある軸でつながった状態)や、面(情報の線が2軸以上でつながった状態)で捉えられなければいけません。

情報が点で存在している状態から、みずからの思考によって、線や面で捉えることができることは、スーパーバイザーの必要スキルのひとつだと思います。

具体的には、ロジカルシンキングができることです。思考が短絡的で結論を急ぎすぎる人、論理が飛躍してしまう人は、情報の点と点が結びつかないので、リアルタイムで判断が求められる現場には不向きです。

判断が少ない、なるべく定型化された作業を正確に繰り返し行うような業務のほうが向いているかもしれません。

役割にあわせた情報量を設定する

結論ですが、オペレーターとスーパーバイザーに対して、それぞれの役割にあわせた情報のマネジメントが必要であり、「情報は多ければ多いほどいい」とは考えません。

「情報は多ければ多いほどいい」と発言した方は、判断を幅広く求められる役職の方だったので、その人にとっては情報量は多いほどよかったのだと思います。

オペレーターに対しては、情報は点を中心に、なるべく線でつながるようにし補足してあげましょう。面で捉えることまで期待すると、情報過多になる可能性があります。必要量にフィルタリングしましょう。念のため知っておいたほうがいいかなと迷うような情報であれば無い方がいいです。断捨離する勇気です。

対して、スーパーバイザーには、ある程度は自ら情報処理することを期待するので、マネージャーがフィルタリングする必要はありません。すべての情報を右から左にとは言いませんが、過保護に情報を取捨選択してあげることは、スーパーバイザーにとってありがた迷惑だったりします。基本的には情報をオープンに扱う環境を構築しましょう。

なお、オープンに情報を扱うには、ツールを選ぶことも重要です。メールは宛先を絞ることになるので、オープンな環境にはなりにくく、slackやTeamsが効果的だと思います。

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