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「できない」を「やらない」に置き換えて考えること

コールセンターでマネジメントをしています。お客様に対してお知らせや、販促のダイレクトメールを郵送する場合や、メルマガを配信する場合など、データベースからリストを抽出するという工程があります。

以前に、お知らせを郵送するために、リストを抽出する必要があり、データを管理している担当者と打ち合わせをしました。そこで、私から依頼したリスト条件に対して、担当者から「その条件のリストはつくることはできないので・・」という回答がありました。

リクエストに対して頑張って応えようとするタイプの担当者ではないので「できない」という回答が来ることは予想通りだったのですが、どうすればできるのか私はイメージできていたので、「できないというのは、簡単にはできないということでしょうか?」「こういう工程をふめばできると思うのですが、何か理由があってやらないのでしょうか」と返しました。

すると、「たしかにそうすればできますけど、そこまでしてやることですか?」という質問が返ってきました。結果、打合せには私の上司も同席していたので、その場で「やる」と承認をもらってやることにしました。

今回のケースからの学びは「できない」という言葉を鵜吞みにしてはいけないということ、「できない」から「やらない」と短絡的な判断をしないで、「どうすればできるのか」を考えて選択肢として並べて、「そこまでしてやるのか」を意思決定をしたほうがいいということです。

私は「できない」と言ってることの大半は「やらない」という意思決定の理由を言語化できていないだけだと思います。

仕事をするうえで「できない」という言葉は掘り下げると「やらない」に変化させることができると考えており、その変化のプロセスで「やらない理由」を知って、考えることができる、このやらない理由を認識するかどうかが組織の成長に影響すると思っています。

やらない理由を認識しておくことで、組織として、次回はこうすればできる、こういう課題があるから今回はやらない、だけど来年にはやれるようにシステムの開発を依頼しよう等、課題への対応が取れるようになります。

担当者の発言を深掘りせずに「できない、だから、やらない」で思考停止してしまうと、いつまでも「ウチはそれできないから」で成長もしません。

「できない」に対して「どうすればできるのか」を制約条件をなるべくとっぱらって考えます。

例えば「コストが10万円くらいが相場だけど、50万円かければできる」というときに担当者は「できない」と言うと思います。ですが、依頼側からすると「高いけど、やる」かもしれません。ここで「できない」を鵜呑みにして「そうか、できないか」で終わっていたら機会損失です。

他にも「できない」を掘り下げると、

「やりたくない」「面倒くさい」「手間がかかる」
「時間がかかる」「リソースがない」
「優先順位が低い」
「予算がない」「コスパ悪い」
「セキュリティリスクがある」

など、できないのではなくて、単にやらない理由でしかない場合があります。ひどいケースだと「前にダメって言われたから」ということもあります。

やらない理由は、組織として検討したうえで、やらないという意思決定をして、その理由を共有、蓄積していればいいのですが、担当者が独断で「そこまでしてやらない」だから「できない」と片付けている可能性があります。

「できない」や「不可能」は要注意ワードで、自分も使ってしまったら立ち止まるようにしていますし、周りから聞こえてきたら「どうすればできるか」「それでも、やらないという判断をする根拠や理由はなにか」を考えるようにしています。

「それ、”CAN NOT”じゃなくて、”DO NOT”ですよね」っていうと、ハッと気づいてくれることが多いです。

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