R1特実Q2得点表20191016

答案講評例㉓:令和元年 特実 問題II

【形式面】
・小問ごとに1行空けて解答していますが、詰めて解答してください。
・根拠条文を明示する際は、100条(△)⇒100条1項(〇)、70条(△)⇒70条1項(〇)のように、項・号まで示すことを心がけてください。
・挿入したい語句がある場合は上の行に吹き出しの形で追加してください。挿入したい語句を〇で囲って矢印で追記するスタイルは望ましくないです。

【内容面】
問(1)について
・侵害に関する問題では、まず直接侵害について検討し、直接侵害に該当するため乙は侵害を否認できないことを解答しましょう。検討の順番は必ず「否認⇒抗弁」です。
・「自ら開発」という事実が「知らないで」(79条)の要件を満たすことに関して理解を示すために、条文の文言を引用するようにしたほうがよいです。
・乙が知らなった対象が「甲のイ」であることを示す必要があります(イを内容を知らずにXを自らできません)。
・製造装置が「Xの」ものであることは明記してください。
・「事業の準備」のあてはめのところでも、「製造装置」が「Xの」ものであることを示す必要があります。

問(2)について
・「131条の2第1号・2号に該当する場合」とありますが、正しくは「131条の2第2項1号・2号」です。
「失念は合理的理由ではない」ということを直接的に解答してください。「失念により記載してなかったことは許されない」という記載だけでは、失念が合理的理由ではないことを指摘していることになりません。
・設問では「主張を追加することができるか」が問われてます。そのため、解答は「補正をすることができない」で止めずに、主張の追加が認められないことまで言及したほうがよいです。

問(3)について
・「その主張が認められない」とありますが、この表現だと乙の主張なのか甲の主張なのか不明です。
・「たとえば~」との記載は、「設問に示されていない事実をあえて仮定して論じ」ているように読めます。このような仮定は、設問のなお書きで不要だと明示されているため、記載しても得点は望めません。

問(4)について
直接侵害⇒間接侵害の順で検討している点はOKです。
・101条2号の要件の検討について、たとえば「Zは日本国内において広く流通していないものである必要であるが(101条2号)、Zは日本国内で入手できないものである」という表現では、あてはめが不十分です。「Zは日本国内で入手できないものであるから、日本国内において広く流通していない(102条2号かっこ書)。」のように、事実を理由として要件にあてはまることを示す必要があります。
YがABからなること、Yがイの技術的範囲に属することをどこかで言及する必要があります。そうでなければ、Yの製造に用いるZの販売がイに係るPの間接侵害を構成しないからです。
丁の輸入については、差止請求の対象ではないので言及は不要です。
・差止請求権を行使する主体がPの特許権者甲であること、差止の対象が丁によるZの販売であることは明示したほうがよいです。

【総評】
・問(2)・(3)のように、解答が設問の要求に応じられていないと受け取れる箇所がありました。設問表現と解答表現が対応させることを意識することをオススメします。
・問(4)では、要件と事実が並記されているだけで、事実を要件にあてはめられていません。この設問は解答を書き直したほうがよいです。

以上 

宗教法人としての法人格は有していませんが、お布施・お賽銭・玉串料・初穂料、いかなる名義や名目をもってするかを問わず、すべての浄財は24時間受け付けています(笑)