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終わり方を知ると人生が動き出す〜お腹のガンになったらどうなるの?〜

こんにちは。

最近涙もろいべんぴ先生です。

今回は「お腹の癌になったらどんな経過を辿ってどんな結末が待っているのか?」について具体的にお話ししたいと思います。

僕は便秘と下痢に特化した便秘LABOというサイトを立ち上げ、日々ブログを書いております。

ブログでは便秘と下痢に特化しておりますが、普段は病院で消化器内科医(お腹の内科医)として勤務しており、何も便秘と下痢に困った患者さんだけを診療しているわけではありません。

皆さんはお腹の病気と聞くとどんな病気を思い浮かべられますか?

盲腸(虫垂炎)とか
胆石とか
胃潰瘍とか

お腹が痛くなるような病気が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?


実は消化器内科で入院されている患者さんの30〜40%くらいは何らかのガンを患っているのです。(僕の感覚的なもので恐縮です)

何と言ったって死亡数の多い癌の2位〜5位は全てお腹の中の癌なんですからね。

ちなみに死亡数の多い癌の順位は

1位 肺癌
2位 大腸癌
3位 胃癌
4位 膵臓癌
5位 肝臓癌
(人口動態統計によるがん死亡データ2017年)

となっています。

消化器内科医はお腹のガンと切っても切れない関係にあるんですね。

消化器内科医であればガンの患者さんを診ない日はないのではないでしょうか。


つまり消化器内科医はお腹のガンに関するプロと言えるわけです。


今までにたくさんのガン患者さんを診察させて頂き、たくさんの貴重な体験をさせて頂きました。

医療者ではない患者さんや、そのご家族の方達と何度も何度も話をさせて頂く中である思いが湧いてきました。


皆さんに最低限の知識があればもっともっと有意義に人生を過ごせるのではないか?


医療者でなければ当然のことなんですが、皆さんは「○○ガンですよ」と告知されたところで、ほとんど知識がないんですね。

○○ガンって聞いたことはあるけど

どんな治療をすれば良いの?

手術をすれば治るの?

化学療法って辛いんじゃないの?

最後は死んでしまうの?

これから一体どんなことが起こってしまうのか、想像ができないんです。


「そんなこと考えたくもないわ」

「なってから考えるわ」

などという声が聞こえてきそうですね。


そういう人生もありだと思います。

ただ、実際にガンになった時にどんな経過を辿ってどんなふうに死に至るのか。ある程度予想できるだけで「今」という時間を大切に生きようと思える気がするんです。


実際に例えば僕が今膵臓癌と診断されたとしましょう。

手術はやりたくない。

抗がん剤もやりたくない。

あと何年生きられるかな?

1年生きられたら良い方だろうな。

よし、今のうちに海外旅行に行こう。

大切な友達には今のうちに会っておこう。

体がだるくなってきたらあと三ヶ月くらいだろうな。

ステロイド(緩和医療で大事な薬です)を飲みながらもう一度大切な人達に会って、身辺整理を終わらせよう。

黄疸がひどくなってきたな。体も辛いし、積極的に治療してもあと一ヶ月くらいだろうな。

しんどい思いをして処置をしたところでもう先は長くない。

もうやめておこう。


こんな感じです。

もちろん医療に絶対はないので、いきなり消化管出血が起こって死んでしまうかもしれませんし、脳梗塞になって倒れてしまうかもしれません。

ただ、膵臓癌の患者さんであれば大体が同じ経過を辿るんですね。(膵臓のどの場所に癌があるかでも変わります。あとで説明しますね。)

予想外のことが起きる可能性はありますが、それは医療に関わらずどんなことに対してでも言えることです。

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血が噴き出しているのがわかりますか?

これも言ってみれば予想外の出来事の一つです。(後述します)


このように予想外のことももちろん起こるのですが、この「癌の自然経過」を知っているだけで残された時間で何をすべきかが明確になるんです。



「まだ若いし、60歳くらいになったら考えるわ」

そんな声がまたまた聞こえてきそうですね。


もちろんそれはそれで構わないのですが、若い人もこの記事を読む価値があると思います。(たぶん)


これは僕自身の経験から言えることです。


というのも僕自身、医者になってガン患者さんの診療に当たらせて頂き、自分の人生観が少しずつ変わってきました。


自分も将来患者さんと同じように膵臓癌や大腸癌になる可能性はあるやろな。

いや、実は数年後かもしれないし、あるいはすでに癌になっている可能性もある。


だとしたら今何をすべきなんだろうか?

いや、本当は何をしたい??

仕事なのか?

家族との時間なのか?

ブログ??笑


何が言いたいかというと、癌について学ぶに連れて目線が徐々に未来から今にシフトしていくんですね。


将来どうなりたいか?

もちろん長期的な目線も必要です。


でもそれよりも一番大事なのは今なんです。

この瞬間なんです。


実際、今までに関わらせて頂いた癌患者さんとの経験から、僕自身人生の大きな決断を下すことができました。

医者になった頃には全く想像すらしていなかった決断です。(たぶん友人達からみたら血迷ったと思われているでしょうね。笑)


「癌」を知ることで時間の大切さがわかるんですね。


この記事をどんな人に読んで頂きたいか?

癌をすでに患われている方には少し辛い内容かもしれません。もちろん癌を受け入れ、ご自身がどうなっていくのか知りたいとおっしゃる方は読んでください。

それから、身内や友人に癌を患われている方やこれから癌になるかもしれない方々にもぜひ一度読んで頂きたいと思います。


あと、今回は抗がん剤の内容や手術の詳しい説明については趣旨が少しずれてしまいますので控えさせて頂きます。


目次
A.癌の患者さんに共通した経過
B.膵臓癌の患者さんに特徴的な経過
C.胃癌の患者さんに特徴的な経過
D.大腸癌の患者さんに特徴的な経過
E.肝臓癌の患者さんに特徴的な経過
F.腹水について
G.まとめ

A.癌の患者さんに共通した経過

癌の患者さんの自然経過を考える上で大事なことがあります。

それはほとんどの癌に共通した経過その癌に特徴的な経過の2つに分けて考える必要がある、ということです。


例えば人間の顔について考えてみましょう。

目が二つあって

鼻が一つで

口が一つで

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終わり方を知ると人生が動き出す〜お腹のガンになったらどうなるの?〜

べんぴ先生

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初めまして。べんぴ先生です。 便秘や下痢で困っている方のために便秘LABOというサイトを立ち上げました。 普段は病院で消化器内科医をやっています。 有益な医学知識をみなさんと共有したいと思っています。
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