死刑廃止反対論者と憲法改正論者

 死刑廃止反対派の方々は、基本的に右派が多いので、憲法改正論者が多いような気がします。したがって、こういう見解が死刑廃止反対論者からなされることにさほど違和感はありません。

死刑廃止の理由でよく識者の「欧米では当たり前」って理由を聞くけど、それなら憲法改正も「欧米では当たり前」だから改正しようって言ってくれないと筋が通らないですよねぇ。

しかし、欧米で当たり前なのは、「時代に合わせて、憲法を変えること」です。しかし、日本における従前の憲法改正案は、時代に逆行したものだったり、論者のイデオロギーを国民に押しつけようとするものだったりして、「時代に合わせ」た改憲論が提案されたことはありません。

例えば、フランス共和国憲法の2008年改正では、従前の3条5項で

選挙による任務及び職務に対する 女性及び男性の平等な参画は、法律により促 進される。

とあったのを、1条2項に移し、さらに語句を加えて、

選挙による任務及び職務並びに職業的及び社会的な要職に対する女性及び男性の平等な参画は、法律により促進される。

としたのです。ちなみにフランス共和国憲法の第1条は「共和国の基本理念」とのタイトルが付されている条文であり、2008年改正で、「選挙による任務及び職務並びに職業的及び社会的な要職に対する女性及び男性の平等な参画」の推進が「共和国の基本理念」の一つに格上げされたのです。

(日本語訳は、こちらを使用)

そういう前向きな改正案のみが提示されるのであれば、もう少し相手にされるのではないでしょうか。 

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