見出し画像

ユニクロでの買い物は緊張するぜ〜

選ぶのが苦手だ。それが、ヒマだったにもかかわらず、GW中に1本しか日刊弁慶を書けなかった理由だ。日曜日と木曜日に書こうと決めてしまったから、他の日に書くという選択肢が俺の中で消えた。選択肢を 減らす/無くす のが選べない人間のライフハックだ。

しかし今日は選ばされた。服を。買い物の聖地、銀座に赴き(銀座ほどショッピングの純度が高い街は他にない。たとえば表参道は、原宿と渋谷の空気が流れ込んでいる。「ちょっとゆっくりする」ための店が意外と多い。まあ名前からして、文字通り「参道」なので、休める場所が必要だ。銀座は名前が商業臭い。お金の街?フランス語でargentは銀とお金を表すが、日本語もそうだったのだろうか?)、ユニクロで服を買った。近所の大型ショッピングセンターがKKJで閉まっている。一番手近なのが銀座のユニクロだ。たぶん。

ユニクロが苦手だ。服が多すぎる。選べない。銀座店はアジア最大規模らしく(店内放送で言ってた)、メンズだけで4フロアくらいあった。明日「ユニクロっぽい服」が必要なので仕方がない。今日のミッションは「オフィスカジュアル」を揃えることだ。普段ダボダボでユルユルの服ばかり着ている俺にとっては至難の業だけれど。

買い物はお金とモノの交換だ。一種のコミュニケーションだ。そして実際に(一般的な意味での)コミュニケーションが必要だ。少なくともレジで一言二言は交わさなければならない。ユニクロのレジで俺はコミュ障をきたした。

ファッションが人格を表しているという意見には同意しかねる。(というか、「人格」という概念に大いに疑問がある。気分とか状況で全然違うでしょーが。)しかしファッションが言動の様式や意味を支配してしまうことはある。片やタトゥーだらけのデカい服を着たアニキが、片や七三分けでパリッとしたスーツを着た青年が、警察組織に異議を唱えていたとしよう。その意味合いはだいぶ違うはずだ。

ユニクロの服に包まれた、感じのいい店員さんの言動は、俺が普段接する類の人種のそれではなかった。全てが懇切丁寧に映る。もっとテキトーにいてくれよ〜、耳ほじって髪いじりながらスマホ見てていいよ〜〜〜などと思ったが、そんなところでオフィスカジュアルはゲットできない。フワちゃんはオフィスにいない。俺は歯を食いしばり、その優しさに耐え、そして清々しい表情を作って店をあとにした。(これは俺の優しさ。)

外に出て、銀ブラをした。銀のブラジャーではなくて(趣味じゃない)銀座をブラブラだ。(ビートルズの曲で、オブラディ!オブラダ!ライフ・ゴーズ・オン・ブラ!!!というのがあるが(題は忘れた)、英語の授業で歌った時、ツボにハマった記憶がある。一番高音のブラ!を教育機関で高らかに歌う異様さ!あるいはその純粋無垢さ!家庭科の先生が「おっぱいはただの脂肪です」と説いていた。さて、1000円札はただの紙か?)気が散るというのは、悪く捉えられがちだが、あながちそうとも言えない。(日刊弁慶にしたって、こんな括弧だらけで関係ない話を挿入していくスタイルだ。俺はこのカオスに美学を感じている。)ギンブラしていると、気が散る。人も店も多く、終始キョロキョロすることになる。

キョロキョロしていないとこんなエッセイなど書けないと思った。書きたいことが溢れるほど湧いてくる。今日のテーマは『俺の好きな女性ファッションおよび、女性』でもよかったし、『ティファニーで朝食を。(ガチで)』でもよかった。『点在するシャッター百貨店』でベタに政治批判をしてもよかった。街にはネタが腐るほどある。田舎でエッセイなんて到底かけそうにない。静かに暮らしていたら、詩をしたためたりなんかするかもしれない。(ウヘー)

1ヶ月ちょっとに及ぶニート生活を終え、明日からバイトが始まる。オフィスで過ごすなんて、喜劇でしかないはずだ。日刊弁慶のネタが増えそうである。(華麗なオフィスカジュアルの伏線回収。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?