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星をさがす展

とーまさん(±maさん)に触発されて、少しだけ駄文を連ねる。

     ◆7月6日 前日の夜


展示の前日、何となく梨帆さんと瞭さんは一緒に大阪まで来るだろうと思い、うおほさんにLINEをしてみる。

「明日は何時頃に大阪へ着く予定ですか?」
 展示会場の入場可能時間が午前10時なので、彼女もきっとそれくらいに到着するだろう。そう思っての連絡だった、途中の電車等で一緒になればいいなぁと考えていた。

 「朝の8時頃に到着します!」

 そこで移動方法に飛行機、新幹線以外にバスの可能性もある事を思い出した。自分は10時に着く予定だったので、悩みながらも4時に起き始発で電車に乗ることを決める。当日自由席で適当な新幹線に乗ろうと思っていたので、時間の制約が特別なかったのは救いだ。
 数日前からリュックに荷造りを済ませておいて良かった。前日は飾る作品と少しのゲーム、財布などの貴重品をトートバッグと肩掛けカバンに詰め込みさっさと布団に潜り込む。夜中に何度も起き、何度も寝直し、忘れ物をする夢を何度も見た。小学生の頃を思い出す。

     ◆7月7日 初日


 結局3時半頃から浅い眠りを繰り返し、SNSを巡回していたら起きる時間になってしまった。止め忘れていたアラームはきっちり仕事をこなし、起きている自分を更に起こした。下で寝ている妹を起こさないように気をつけながらリビングまで降りる。犬は寝ぼけながらも自分からの賄賂(クッキー)を受け取り、吠えることなく再度眠りについた。ぎりぎり平日なので隣で寝ている父親を起こさぬよう身支度を整え玄関に立つ。
 小声で「いってきます」と言い、静かに扉を閉める。朝日が上り始め、薄い水色の空と朝の気持ちの良い風が吹いて、今日はすごく良い日になるんじゃないかと勝手に気分を上げた。気分が良くなった自分は、普段あまりそういう事をしないがLINEで姉と妹に出発の挨拶をしてしまった。後悔はしてないが、少しだけ恥ずかしい。

 予定通りの電車に乗り、券売機で新幹線の切符を買う。やはり早い時間という事もありホームにも人がいない、自由席のある号車を目指し急ぎ足で荷物を揺らした。自由席は三号車分あるので適当に乗り込んで窓際を確保する。邪魔にならないよう足元に荷物を置き、外を見ると同時に視界が動く。こうして大阪へ向けて二時間ほどの旅が始まった。
 外を見る時、寺や墓地を見てしまう癖がある。職業病だ。やけに立派な寺だとか、田んぼの真ん中の共同墓地だとか、街中に急に現れる墓地、交通の便が悪そうな山中の寺。色々あって見ていると眠くなる。

 「ここで、車内販売を終了いたします。」
いつの間にか寝ていたらしい。リクライニングは声をかけるのもトラブルも面倒くさいので、いつもやらない事にしている。首が酷く痛い。そして今のアナウンスが流れるという事は、ほぼ到着したと同義である。SNSを確認するが、あまり動いてはいない。全員まだ移動中なのだろう。
 新大阪駅に到着し乗り換えを済ませ、なんば駅でうおほさんと落ち合った。電車が遅延していたのでどうなる事かと心配したが、何とか到着し言い訳と挨拶をする。時間も早く、なんば駅から歩けない事もないということで朝の通勤客に何度も抜かされながらフラフラと展示会場へ向かった。

 思ったよりも歩いたが、何とかビルを見つけ入口を見た。不在票が扉の下に挟まっている、明らかにウチだろう。そして不在票があると言うことは、まだ誰も来ていないと言うこと。
 それもそのはず、時刻は9時頃。どうするか悩んだが、2人とも朝食がまだだったので近くのファミレスへ飛び込んだ。スクランブルエッグとポテト、それとトーストを注文しどっちからともなく近況を話し始めた。そして話に夢中になっている所に料理が来る。そして話をしながら卵とポテトとパンをゆっくり消費した。

 「あ·····!!··········!·····です!」
電話がかかってきていた。今回の展示の主催konpeeさんからだ。出てみたが、電波状況が悪いのか何も聞き取れない。
 「ちょっと何言ってるか分からないので切ります。」
 「はーい!」
いや、それは聞き取れてちゃんと返事も帰ってくるのかよ。と内心つっこんでしまった。ビルへ戻ると不在票が無くなっていた。誰か来たんだろう、SNSのDMにも到着した趣旨のメッセージが入っていたのに気がつく。

 「おはようございますー」
出迎えてくれたのは男性二人。片方はよく知った顔、りょうたさん。つまり消去法でもう片方はとーまさんだ。SNSを始めた当初の方から絡みがあったが、全く顔を知らない人物。人見知りの気質を少々もちあわせているので、きちんと挨拶をする前に現時点の状況を話してしまった。非常に失礼な事をしたと、今さら後悔している。

 その後は挨拶をし、何となく備品等のセットを少しづつ始める。10時を少しすぎた辺りで全員集まることができたので、本格的に作品を飾り始めた。在廊できないメンバーの荷物も届き、丁寧な指示書に従って場所を決めてゆく。なんとか全て飾り終えたあと、写真撮影や会話タイムになった。
 少し落ち着いてくると、そこはSNSの集い。手元のデバイスに皆、一様に視線を落としていた。この流れはまずい、集まっている時に一番良くない時間の使い方だ。自分はカバンの中から小さい箱をいくつか取り出した。そう、ボードゲームだ。

◆インサイダー・ゲーム と 犯人は踊るとファブフィブ
 「インサイダー・ゲーム」/オインクゲームズ
お題当てクイズとワードウルフが一体化したようなゲーム。気軽にできて非常に盛り上がる
 「犯人は踊る」/すごろく屋
入れ替えの激しい手札、巡り巡る犯人カード。
探偵になり犯人を追い詰めるか、己が犯人となるか。
 「ファブフィブ」/ニューゲームズオーダー
前の人より大きな数を宣言する。手札は3枚、ルールはシンプル。しかし非常に頭を使うゲーム。

 「ボードゲームの時間ですか!?」
片手に真っ赤な箱を持ち大きな声で、全員を集める。明らかに集め方がおかしいが気にしない。全員集まった所でゲームの説明を行い、いざ始めてみる。
 何度かやっていると次第にゲームに慣れ始め、少しよそよそしかった空気もどこかへ行ってしまった。最終的には笑いながら人を疑う謎の現場が誕生し、まるで何度もこうやって展示や集まりをしてきたと勘違いしそうになるくらい距離が縮んだ。(と、自分は思う。)
 ゲームをしたり写真を撮ったり、グッズを買ったり過ごしていたらあっという間に閉める時間になってしまった。片付けを済ませ、名残惜しい気持ちもあったが会場を後にし夕飯を食べる。その後konpeeさんの自宅へお邪魔した。

     ◆7月8日 展示2日目

 場所か緊張か朝5時に目が覚めた。さすがに早いので二度寝を決め込むが、やはり眠りは浅い。なんとなく昨日の事が夢なんじゃないかと思い、SNSや撮った写真を見ていた。かけたアラームをキャンセルし、隣で寝ていたうおほさんを起こす。
 手短に身支度を整え、出発の時間になる。konpeeさんの車へ乗り込み、道中のコンビニで梨帆さんと瞭さんの二人と合流した。少し混んでおり、10時を少し過ぎたあたりに会場へ到着。ちなみに既にとーまさんは着いていた。

 「帯お願いします〜!」
 2日目は浴衣を着ることになっていた。自分は浴衣を人生で一度しか着たことがなかったので、konpeeさんに着付けをしてもらう。その間に井上いくらさんは全て自分でやっていた、本当に凄い。
 ゲームや写真でまた時間が過ぎてゆく。土曜日という事もあり、昨日よりも人が来た。空いた時間にシールを描いてみたり、ノートに絵を描いていたり思うまますごしていた。絵を描いている姿をいくらさんが写す。見せてもらうと描いている奥で瞭さんが寝ており「殺害現場」と表現された。流石。

 2日目の撤収後には打ち上げが予定されており、予約したもつ鍋屋へ向かった。
「あ、デミさん呑んでいいよ」
konpeeさんからお許しが出たが、なぜ自分ご指名なのか。飲み放題が付いており、酒を飲んだ方がお得な気がしたのでそこそこ呑んでしまった。隣に居た瞭さんも同じくらい呑んでいたので問題ないだろう。
 自分はそこで散々いくらさんに絡み、とーまさんに絡み梨帆さんにあしらわれた。うおほさんと瞭さんに挟まれていたので肩を組んでおいた。konpeeさんは言わずもがな絡みまくった。

     ◆7月9日 最終日

 早く起きたが、前日の飲酒により胃が不調を訴えていたが気にしない。そしてしっかり記憶も残っている。8時過ぎ頃konpeeさんが心配そうに起こしに来た。すンません。
 最終日はほぼ定刻に会場に入り、最終日なんだと思いながら戴いたケーキをつつき倒す。沢山いただいたカヌレをちまちま食べ、後から来たいくらさんに全員で美味しかった味をオススメしていた。
 最終日が、始まった。

 「そろそかなぁ…」
 SNSを見ながら今日来る予定の人を待っていた。正直、自分の知っている人は来ないと思っていたので話を聞いて非常に楽しみだった。うおほさんはSNSを見ながら一番そわそわしていた。
 正午にさしかかるくらいの時間に、その方はやってきた。作品を見たり、短冊を書いたり絵を描いてもらったり楽しく過ごす。サプライズで他の方も来て下さり、メンバー全員が叫ぶ場面もあった。

 あっという間に時間が過ぎて、井上いくらさんが撤収を始める。いくらさんの撤収作業を皮切りに、全員が終わりの時間が近づいているを実感した。
作品のなくなったいくらさんのスペースは、初日の飾り付け前よりがらんとしてしまったように見えた。

 7月9日は妹の誕生日であったので、自分も少し早く撤収することにした。作品を外しピクチャーレールから垂れる銀色の金具を見た時、初日の飾り付けを思い出し酷く名残惜しい気持ちが湧いてくる。
 三日間願いを書いた短冊、展示前に皆でリレーしたプロフィール帳、全員の作品とグッズ。会場から出る前に一周歩く。正直帰りたくない、いつまでもここで展示をしていたい。その気持ちを押し殺してリュックを背負い、出口へ歩いた。

短冊

 三日間、ありがとうございました。
来年も同じ場所で星をさがせたら、その時はまたよろしくお願いします。

     ◆最後に

 お泊まりさせていただいたkonpeeさんと、お母様に感謝申し上げます。そして自分と遊んでくださった皆様、来ていただいた皆様へも心から感謝致します。

     ありがとうございました。










追記
konpeeさん、やっぱり充電器忘れて帰りました。
あと、とーまさんは値上げしてください。

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