すずき

滋賀にすむ主婦。2児の母。天狼院書店 READING LIFE公認ライターとして【ふな…

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滋賀にすむ主婦。2児の母。天狼院書店 READING LIFE公認ライターとして【ふな寿司をめぐる冒険】を書いてます。滋賀や地域の良さを伝えたい。週に1~2回更新。滋賀のこと、こどものこと、読んだ本のこと、なんてことない日常のことなどを書きます。写真も練習中。

最近の記事

言葉のセンスが良すぎる【ブックカバーチャレンジ day2】

ブックカバーチャレンジのバトンを受け取っている人が、今日は大きく増えた。あちこちで見かけるようになった。 「こういう思い出がある本です」「これこれ素晴らしい本です」 そういう投稿が目に付くと、今まであんなに楽しみにしていたなのに、急激に白けてしまう。 ……なんとも、あまのじゃくな性格だと思う。 「素敵な思い出がないとあかんのかいな」とか、「素晴らしい本じゃなくてもいいやろ」とか思ってしまう。それに、沢山の人がチャレンジすることで、自分にとっての本の「大切さ」や「特別さ

    • たゆたえども沈まず 【ブックカバーチャレンジ DAY1】

      「わーーーー!! めっちゃいい!!」 何かと沈みがちな毎日の中で、久しぶりにワクワクする投稿が、FBにあった。 それは、「ブックカバーチャレンジ」というもので、毎日一冊の本を乗せて紹介し、それを誰かにつないでいくという企画。(詳しいルールは後述) これが、楽しい! 紹介される本なので、どれも素敵だし、あの人がこんな本を? という意外性もあったりする。それに毎日見ることで、本を読みたい欲が高まってきて、久しぶりにワクワクする気持ちになった。「まだまだ、知らない世界が世の

      • 疲れに染み渡る、あのチーズケーキを買いに行く

        「さぁ、ケーキを買いに行くから、車に乗って!」 そう言って子ども達を車に乗せて、シートベルトを締める。 こども達は、いつもなら、一緒に買い物に行くことを嫌がる。でも、最近は仕事場にしか移動していないからか、ケーキが欲しかったのか「ケーキ買いに行こう」と言ったら、すぐに「いいよ」と返事をくれた。 ケーキを買いに行くお店まで、車で30分。こども達を乗せて、いつもと違う道へと車を走らせる。 「今日は絶対に絶対に絶対に、あのチーズケーキを買いに行く」 そう昨日の夜から、決めていた。

        • 「これ、私のことだ……」

          本を読んだり音楽を聴いているときに、そう感じて感動することがあるという。 「私が言いたかったことを言葉にしてくれている」「私の気持ちを代弁してくれている」と感じ、感動することが。 その話を聞いて、私は不思議に思った。 いやいや、そんな経験あります?? だって、私は私で、それを書いたり作ったりした人とは別の人間だよね?? 「私のことだ」って、そんなこと思います?? と。 私は「私のことだ……」と思って感動した経験がたぶん、ない。 もしかしたらあるのかもしれないけれど、少

        言葉のセンスが良すぎる【ブックカバーチャレンジ day2】

          まだ、始まってもいないじゃないか。

          新型コロナウィルスが蔓延し始めて、世界は変わり始めた。 今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、不安が大きくなる。 でも、そんな中でも、どんどん前に進んでいく人がいる。 講座をオンラインに切り替えたり、テイクアウトやデリバリーを始めたり。大変な時でも、どんどん進んでいく。 もしかしたら、心の中はもしかしたら不安なのかもしれない。 でも、決してそんなことは見せずに、変化に対応していく。その姿はまぶしくて、たくさん勇気をもらった。 一方、私はどうだろう。 「書いて誰か

          まだ、始まってもいないじゃないか。

          ありふれた日曜日に、ブロッコリーを刻む

          「こういう夜はねぎを刻むことにしている」 江國香織さんの小説「ねぎを刻む」に、そういう一文がある。主人公は、孤独を感じたとき、ねぎを刻むのだという。 「孤独がおしよせるのは、街灯がまあるくあかりをおとす夜のホームに降りた瞬間だったりする。0.1秒だか0.01秒だか、ともかくホームに片足がついたそのせつな、何かの気配がよぎり、私は、あっ、と思う。あっ、と思った時にはすでに遅く、私は孤独の手のひらにすっぽりと包まれているのだ。」 (江國香織 著 / ねぎを刻む 「つめた

          ありふれた日曜日に、ブロッコリーを刻む

          春の始まりの頃

          「ばあちゃんが、ちょっと危ないんだよね」 弟からそうメッセージが来た時、驚いてすぐに電話をかけた。 今年は暖冬で、我が家の梅の開花が異様に早かった。 「こんなに早く咲いてしまったら、4月の入園式には、何の花が咲いているのかなー」なんて思うぐらいに。 ばあちゃんの知らせを受けたのは、そんな風に梅の開花が始まった頃だった。 「昨日、叔父さんと叔母さんと一緒に話を聞いてきた」 電話口で弟はそう言った。 祖母は、数年前から施設に入居しており、私の母が亡くなってからは、弟が祖母の

          春の始まりの頃

          【読書日記】「どうしたら救えたのか?」を問いかける一冊

          「怖い、怖い、怖いよー」 一昨日、柚木裕子さん著の「蟻の菜園」を読み終えた直後、思わずそうつぶ やいた。 いやいや、本当に怖い。 この話は、結婚詐欺の容疑で逮捕された女性を、フリーライターの主人公が「なぜ彼女は結婚詐欺を働き、そして、関わった男を何人も殺しているのか?」と、彼女を追っていくという小説だ。 何かがおかしいこの事件。 「ん? ん? 何? どういうこと?」と読み進めていくうちに、ちぐはぐだった事件のかけらが、少しずつそろい、合わさり、パズルのピースがそろ

          【読書日記】「どうしたら救えたのか?」を問いかける一冊

          ストレスを食で発散することが増えた。「こんなに食べてしまっては痩せられない……」と悲観し、食べてしまうという悪循環。でもふと、気付いた。コツコツ筋トレしてきた成果が残っているということに!筋肉は裏切らない……。またコツコツやればいいや。そうすれば必ず、行きたい場所にたどり着ける。

          ストレスを食で発散することが増えた。「こんなに食べてしまっては痩せられない……」と悲観し、食べてしまうという悪循環。でもふと、気付いた。コツコツ筋トレしてきた成果が残っているということに!筋肉は裏切らない……。またコツコツやればいいや。そうすれば必ず、行きたい場所にたどり着ける。

          食べても太らない人との共存と悩み

          「5kgなんて、気を抜いたらすぐに減るで。そんなん、誤差みたいなもんやん」 ここのところ、痩せるべくダイエットに励んでいる私に向けて、夫がそう言った。 痩せたい人を全部敵に回すような発言を平気でしてくるので、イライラする。 「食べなきゃ痩せるで」 ……分かってはいる。でも、それが上手くいかないから悩みながら試行錯誤しているわけで。 夫は、184㎝、65kgで、痩せている。体が変化してくると言われる35歳を超えても、学生時代から体型は一ミリも変化していない。 こう書くと、す

          食べても太らない人との共存と悩み

          【積読解消チャレンジ!】「治療のリスクに怯えない」知識を手に入れる

          「医者というのは、治療の際に、こんなにもリスクを告げるものなのか、と思いました。これでは、治療が怖くなってしまうのではないだろうか、と」 ある日、テレビから流れてきた言葉に私は思ず、手を止めた。 それは、まさに私が思っていたことだった。 実母が末期ガンで治療を受ける際、私は「治療に対してのリスク」に怯えることしかできなかった。限りなく高いリスクを前に、オロオロするしかなかった。 実母がガンだと診断されたのは、今から2年半ほど前のことで、母が60歳になった時だった。すでに

          【積読解消チャレンジ!】「治療のリスクに怯えない」知識を手に入れる

          少しだけ心が軽くなった、何気ない日のこと

          「横になりたい……」 建国記念日で祝日の今日は、こども達の保育園がお休みなので、私もお休み。でも、休みといえど、まだ小さな子どもたち(4歳と6歳)がいるので、好きに過ごせる時間があるわけではない。 「ママー、塗り絵しよう」 「お母さん、〇〇が嘘つく!」 娘と息子の欲求や、喧嘩に付き合いながら、子どもたちの朝ご飯を用意し、食べさせ、洗濯物を干していく。家事も子どもも、待ってはくれない。仕事がない日よりは時間はあるけれど、それでもこの時間があるうちに、リビングも押し入れも片付

          少しだけ心が軽くなった、何気ない日のこと

          「いい写真」へのスタートライン

          「この写真を撮るまでに、500枚は撮りました」 以前、写真講座を受けている時、参加者の一人の方が写真を見せながら、そうおっしゃった。 その方の写真は、すごく「いい写真」だった。女性が一人写っているモノクロのポートレートなのだけれど、憂いやせつなさ、やさしさ、あたたかな光が感じられ、素人の私が見ても一瞬で心を動かされるような魅力と深みがある写真だった。 その瞬間、「一枚の写真を撮るために500枚も撮り続けた」という情熱に、完全に降参してしまった。 私にはとてもじゃないが、

          「いい写真」へのスタートライン

          25歳から「はしご」を使い続けていたという話

          「この眼鏡は老眼鏡だね」 10年ぶりに訪れた眼科での先生の言葉に、思わず笑ってしまった。 私は今、35歳。25歳から10年間、老眼鏡を愛用していたということになる。 そんなこと、あります? 私は生まれつき極度の遠視で、4歳の頃からの牛乳瓶の底のようなぶ厚いメガネをかけており、高校2年生からはコンタクトを使っていた。 一生遠視は治らない、と思っていたのだけれど、25歳の時「遠視は治ってるよ。視力はよいから、メガネもコンタクトもいらない」と言われ(引っ越したので、初めて行く眼科

          25歳から「はしご」を使い続けていたという話

          「いつか”面白い”にたどり着きたい」から「書くことで役に立ちたい」へ

          「プロになりたいんでしょう?」 私は一時期、ライティングの勉強をしている時があった。その時に、何度かそう聞かれた。 そのたびに「いや、そんなつもりはないです」と答え「えぇ、なんで??」と驚かれた。 私が書く理由は、「18歳の自分に勝ちたいから」であり「いつか面白いにたどり着きたい」ということ。ただそれだけだった。 やさぐれていた中学時代「全然何が言いたいか分からない。書き直して」 中学生のころ、私は頭の中にあることを書きたくて必死で作文用紙を埋めていた。宿題で出される作文

          「いつか”面白い”にたどり着きたい」から「書くことで役に立ちたい」へ

          人生損してるな、と思うこと。

          「来月は2回もライブに行くねん。めっちゃ楽しみやねん」 好きなアイドルがいる友達が、目を輝かせてそう言う。 「ママ友」という言葉はあまり好きではないけれど、30代子持ちの主婦である私にも一応ママ友はいる。その子たちの大半には「好きなアイドル」が存在する。ものすごく熱狂的にファンな子から、ファンクラブに入っている、ライブにだけ行くという子まで色々ではある。 彼女たちは彼らの魅力を語りながら、こう言うのだ。 「どんなに嫌なことがあっても、イヤホンをつけて彼らの音楽を聴いたら忘

          人生損してるな、と思うこと。