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亡霊

彼は私の左脳であり 私は彼の右脳だった

彼は私の血管であり 私は彼の血液だった

彼は私の理性であり 私は彼の本能だった

彼は私の中枢神経であり

私は彼の末梢神経だった

同じひとつの肉体を共有することも可能だった

彼と私は

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結ばれなかった運命を

彼はヒースクリフのように呪っている

ナイフで断ち切った痕の残る

運命の切れ端を

私はキャサリンのように患っている

別々の場所に存在して

別々の恋人と暮らして

彼は私の

私は彼の 声を聞いている

亡霊の様に

彼は私の夢の中をさまよう

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私は彼を忘れようと努力した

彼は私を忘れまいと努力した

そんな些細な食い違いが

彼と私を 遠く 遠く 遠ざけた

遠く

遠く

遠ざけた

秋元康選 入賞時まま

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参考に。推薦します。

今読んでいただいた恋の物語。

私の一生の一冊です。

私の恋に酷似している。

ただ、私の恋では

ヒースクリフとキャシーは

一緒に。

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