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ゲント市民 12歳女子、既往症なし

本日の定例会見場の様子も、それを報道する人々も、やり切れなさを隠さない。

AFP発で日本語の記事も出ていたのを見た。
「ベルギーで12歳の女の子が新型コロナの犠牲に」
AFPはフランスメディアだから、ベルギーの会見もフランス語部分しか(たぶん)聞いちゃいねえし、フランス語話者の担当官がいつになく涙をこらえるように報告していたのも、強く印象に残ったんだろうとは思う。

オランダ語話者の担当官(↑のサムネイル画像は別の人。ていうか誰なんだろう?市長だっけ?)は、努めて淡々と、「今日は、非常に悲しいことをお伝えしなければならない。12歳の女の子が、3日ほど高熱が続いたあと入院、新型コロナの検査結果は陽性とされ、昨日亡くなった。既往症など、病歴はなかった。極めて珍しいケースであるが、私たちは、若い世代も罹患する、と心に刻むべきだ」と延べた。

19時のニュースの時点では、もう少し詳細が報道された。

ゲントにあるDe Harpという学校に、13日(金)のロックダウン直前まで普通に通学していた子だったこと。これ以上の詳細はプライバシー保護ということで伝えられなかったが、校長先生とゲント市の教育担当助役がインタビューに応じ、12歳でもこんな風に罹患し犠牲になることへのショックと、同じ学校の生徒たちやその親御さんたちが、より強い不安を覚えていることなどを延べた。

おそらく、危機管理センター報道官の2人も、ニュースキャスターも解説記者も、そのぐらいの年頃の子どもがいるんだろうな、という年回りとお見受けした。
「若い世代は、罹患しにくいんじゃなかったの…?!」という無念さと戸惑いとが、コメントの端々に見て取れた。

しかし基本線は淡々、である。たぶん日本だと、たとえ報道であっても情緒を煽りそうなもんだな、と思ってしまった。

2020/03/31(火)19時のニュースから

感染が判明し入院している人の数:4920(前日比+485)
のべ感染者数:12775
新規入院者数:867
ICU収容患者数:1021(前日比+94)
のべ退院者数:1696
死亡者数:705(前日比+98 遡及追加分94を加えると実質+192)

新規の入院者数は、減ってはいないが頭打ち傾向が続いている。本日強調されていたのは、のべ退院者数であった。約1700人。昨日の報道でも、がんサバイバー51歳と、90歳の退院者がインタビューに答えていて、勇気づけられる思いがしたのだった。


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