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日本の現状を、ベルギーではどう報じたか?

日本の新型コロナ感染率が急上昇しているのは、オリンピックを通常通り開催、に拘った日本政府が数値操作をしたから?という報道が出た。

朝のラジオ情報番組「De Ochtend」に、ルーヴァンカトリック大学文学部日本学科の教授が電話出演して語った。その内容をフランダース国営放送が文字化した記事がこれ↓

以前書いたように、ベルギーでは午前中のTVには生放送が一切ない。
最新情報はラジオから得る人が圧倒的に多く、家でも職場でも、なんならスーパーマーケットやらヘアサロンやらでも、BGMでなくラジオを流していることが多い。

(ちなみにそういう「営業使用」については、SABAMというベルギーのJASRAC相当機関があって、使用料取り立てが苛烈、かつ著作権者への再配分が正しくないんじゃないか、とか何とか、数年に一度の頻度でニュースネタとなる。これもいつか、有事じゃない時に稿を改めたい。)

日本学者(法社会史専門)ディミトリ・ファンオーベルベーケ教授談:
自分の知人友人と話したり、日本語のSNSなどをチェックした印象からすると、日本の一般の人々は、オリンピックのために政府が取った政策の高いツケを払わされている、と感じているようだ。
世界中に報道されたクルーズ船の長期停泊、比較的早い段階での学校閉鎖なども、日本政府が出来るだけ感染率を低く維持し、オリンピックを予定通り開催しようとしたため、と見る人が多い。
オリンピック延期が決定した途端、感染検査数は増加し、外出自粛要請も出された。満員電車での通勤はこの間も続いていたのだから、既にウィルスは、特に東京を中心として、かなり蔓延してしまっているのでは、と人々は疑心暗鬼になっている。政府は、第二波の襲来を口にし始めた。
この数日で様相は一変し、人々は(再び)パニック買いに走ったり、週末は自宅に留まるなどしている。諸外国のロックダウンの報道を見て、次は日本なのか、ああなったらどうしよう、と危惧しているようだ。

トップに置いた写真は、このインタビュー書き起こし記事中に引用されていたもの。

たとえ家族でも、2人以上では原則外出してはいけない。外出する時はそれぞれの距離を1,5m必ず取ること。カタカナ語になりつつある「ソーシャル・ディスタンシング」というやつですわな。
そもそも、写真にあるような大規模小売店舗っぽい場所は軒並み閉店中なので、これが直近の現状の撮影には、見えないような気持ちさえする。

みんなマスクはしてるけど、1,5mどころじゃないみっちみちに大混雑の花見の風景のV、というのもBBCあたりで見た。「ひぇーーー!」と声が出てしまった。
こんなのが許されているのか?!ダメに決まっておろう??
…というマインドセットに、ここいらの人らはこの2週間ほどのロックダウン下で急激にシフトさせられて来たんである。

喩えて言うなら、トイレから手を洗わずに出て来て、そのままサンドイッチ作って人にふるまう、ぐらいと同等の不用心というか無神経な行動に、今の西欧の人らには見えてしまう。

そもそもこの備忘録を書き始めようと思ったのは、日本が油断して見えてしまうんだが大丈夫だろうか、うかうかしてると、あっという間にこうなっちゃうんだけど?というのを少しでも伝えられるかな、と考えたところもある。

実家の母に伝えたら、「もう十分自粛してて怖いのに、更に煽るようなこと言わないでちょうだい」と言われた。
私が伝えたかったのは「自粛しても予防としては全然足りてません(むしろ自粛の体で拡散させてるぐらい)から、今後何かが来るのであんまり驚かないでね」以上でも以下でもなかったのだがなあ。それを「煽る」と呼ぶのか。

2020/03/30(月)13時のニュースから

感染が判明し入院している人の数:4523(前日比+635)
のべ感染者数:11899
新規入院者数:629
ICU収容患者数:927(前日比+60)
退院者数:(昨日分)
死亡者数:513(前日比+82)

今日は地域別データの報道はなく、代わりにというか、病床が足りないエリアが発生して来て、それはフランダースだとリンブルフ(ハッセルトとかシント・トロイデンなどがある)、ワロンだとモンス周辺で、この地域の患者さんは、症状の重篤度合いによって他エリアに転院させている、という報告があった。

ICU設備の使用率はベルギー全体で43%、まだ余裕があるから大丈夫です、と言う。

何故このメッセージを繰り返すのだろう?


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