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エグゼクティブコーチング 第1回   「飽きた」ので、事業全体の9割を占めるビジネスを廃業した若き経営者


「飽きたんですよね。だから9割を占める事業でしたが、たたむことにしました」

今日のエグゼクティブコーチングはこの言葉から始まりました。

クライアントは40代前半代の若い経営者のMさん。
子供時代は働かない親の代わりに鍋を持って近所をまわりお米を分けてもらう日々、学生時代は不良仲間との間で食うか食われるかの一触即発な毎日などの修羅場を体験され、自分で事業を興して20年。

コロナ禍で8割減の売り上げは所属業界からの補助金で
全く痛手もなくそのありがたみに感謝はしているが、

実のところその財源の捻出は環境破壊につながっている事実に
長年の我慢の限界、ということで
今回たたむ決断に至ったとのことでした。


「自分らしく、とかいいますけど、私はそういうのが嫌いです。
仕事の場では経営者としてのあり方を意図して見せること、
言い換えるとセルフブランディングが重要です。
だから社員の前ではかなり完璧に演じるようにしています。」

「確かに、社員の方からのフィードバックですと、
演じていることはまったく感じていないとでていますよね。
どう思われますか?」

「これでいいのです。
社員が気づかないくらい、自然にできている
ということですから。


自分ではそこまでできているとは思ってませんでしたので
自分が納得するまで完璧に演じたいと思います」



演じている、というよりは、Mさんらしくあるのではないかな、と
思いましたが、この話題を続けると複雑になりそうなのと、
目線を9割を占める事業を畳んだ意図に向けるためにこの話題はここで終了。


「なぜ9割を占める事業をたたんだのですか? 先ほど飽きたから、とは
おっしゃっていましたが、その背景についてもう少しお話くださいますか?」

「コロナで売り上げはもちろん大幅に減りましたよ。
でも所属業界からの補助金で全てカバーされるのですよね。

旧態依然とした業界ではありますが、おかげでその悪しき風習に
従い我慢してさえいれば事業としては安定する仕組みなのです。

業界上部にうまくやればやるほど儲かるのですが
気分は悪くなる一方でこのままではいられない、
どこかで変えなくてはとずっと考えておりました。

7月に飲食業界の経営者の友人がコロナによる経営難を
理由に自殺して。。。

所属業界に甘んじている自分がいやになりました。」


なんと、Mさん、自分の気持ちに正直な方なのか。
それをさらっとお話しなる姿にも、風がさらっと吹き抜けるかの
ような爽やかさを感じました。

この決断をされるまでは相当考えられたかと思われますが
決断の後押しは御本人に価値観や生き様だったということに
筋がまっすぐに通っていて、ものすごい力強さを感じました。

最後にこれからの目標を伺ったら、お世話になった方々へこれから興す
新たな事業を通じて恩返しをすることで、
あらかた事業内容をお話くださったのですが
利益の仕組みがまったく新しい視点なので
これからが楽しみです。

最後に何かありますか?と聞くと


「経営者としてセルフブランディングに忙しい分、
プライベートでは奥さんが私の精神安定剤です。
20年一緒におりますが彼女なしではここまでこれませんでした」

なんと、Mさん、最後にほろりとさせていただきました。

これから1ヶ月は新規事業を軌道に載せるために関係者への
根回しに忙しくなるとのことでした。

自己完結ができるMさんをコーチングさせていただくことで
私自身も改めて学ばせていただいているな、と感謝せずには
いられません。


次回のエグゼクティブコーチングは1ヶ月後に設定して今日は終了しました。


Mさん、お疲れさまでした。


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