33回事業に失敗した後に「快手」を作った男。今や企業価値は1700億ドル！
「快手」（kuàishǒu）知ってますか？ 前にちょっとだけ紹介したんですが、世界で大ヒット中の「tiktok」の中国国内の最大のライバルプラットフォームです。
ほんの数年で、ショート動画は7億人のユーザーを集める生活に欠かせないサービスになりました。そしてtiktokとの2強である「快手」。 大都市以外の都市で伸びているこのサービスがどうやって誕生したか、そしてこのサービスを立ち上げたCEOの宿华（sù huá）を紹介します。
■幼少期から優秀だった「宿华」
宿华（sù huá）は1982年に湖南省の永顺（Yongshun）で生まれました。若くして才能のあった彼は、3歳のときにはMulanの詩を覚えるほど。（すごいです、普通は小学生とかが必死で暗唱するんですよ）
高校に入学した後でも、数学と化学のスコアは優れていた。そして2000年に、中国トップの大学である清華大学のソフトウェア学科に入学します。
大学院時代にはバイトで何万行ものコードを書いていて、目的は北京で家を買うため。でも北京の家は高すぎるので、お金は全く足りず買うことができませんでした。
そこでビジネスしようというマインドに目覚めたのか、大学の仲間と一緒に企業を試みます。合計30以上のプロジェクトにトライしてみたのだが、全て失敗しました。
ここで宿华はお金を稼ぐためには努力をすることが何より重要であることを認識したと言います。
■Google,Baiduでめちゃめちゃ働く
結局、彼は大学を卒業し就職することになります。Google Chinaで検索とシステムアーキテクチャを担当するのですが、不幸なことに1年ほどでGoogleが中国から撤退することになります（Google Chinaはまだ細々続いてるけど）
彼はその後Baiduに行きます。当時のBaiduは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長中でした。140以上のIQを持つ天才たちが集結し「検索」「人工知能」「自動運転」を開発していて、これらが爆速で成長。
給料もとても高く、当時の宿华の年収は100万元を超えてました。会社から500メートルの家に住み、午後11時までには家に帰らなかった。繁忙期には会社に籠もり1か月間ほとんど家に帰らず、髪は白くなります。やがて大好きなラーメンを食べる時間さえないほど忙しいことに耐えられなくなります。
これが中国IT企業の996労働ですね。。
■33回失敗したのちについに「快手」の成功
Baiduを辞職した後、彼は「程一笑」（chéng yīxiào）と出会います。
彼は2011年に「快手」の前身となるGIF画像を使ったサービスにトライしてました。しかしこの時代の通信速度は2G,3Gの時代で貧弱で、このサービスもGIF動画のツール止まりだった。
宿华と程一笑は意気投合した後に、投資家から支援を受けながら一緒に「快手」の開発に取り組みます。（CEOは宿华となり）そして2013年に快手APPをリリース。
その後、今の「快手」サービスの特徴となるショートムービーの機能を入れるなど4年間の成長を経て、2015年のアクティブユーザー数は1000万人を超え、2016年の登録ユーザー数は3億人を超えました。
↑清华大学のある五道口って街に聳え立つ「快手」のビル
■最強のライバルtiktok
日本に住んでる人で「快手」知ってる人は100人くらいかな？でもtiktokは全員知ってますよね。海外ではそのくらい差があります。（ちなみにtiotokは後発で快手のパクりと言われても仕方ない）
中国ではこの2つは争っています。統計によると、2019年1月で「快手」のアクティブユーザー（DAU）の数は2億5000万人を超え、月間アクティブユーザーの数は5億人を超えています。
tiktokの強烈なインパクトはもちろん「快手」に影響を与えています。例えば「快手」はコンテンツとサービス重視でやってきたが、tiktokの露出の影響を受けてか、ここ一年くらいで3億元を投入してマーケティング活動に注力しました。
また直近6ヵ月で、「快手」eコマースのサービスを加速させています。「快手」のKOLの平均収入が上がっている要因にもなっていて、Live動画を使って商品を売るユーザーが今現在約10％もいます。
今後もこの2社の争いから目が離せません。
tiktokという最強のライバルがいることで切磋琢磨する環境ってある意味恵まれてますよね。「快手」の市場価値はすでに1,700億ドルを超えていると言われており、数十億元の資産があるとのこと。 今36歳の宿华CEOは、きっと大好きなラーメン（米麺）を食べることができていると思います。僕も頑張りたい！
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（参考資料）
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