見出し画像

リアルに自分以外の人を見つめました。

2020.12.8(火曜日) Human observation

朝から病院へ行く。具合が悪いわけではない。3ヶ月に1度の定期検診だ。近所の病院といえど行くのはめんどくさい。検査の後に病院の向いにあるカフェでランチを食べるのが楽しみで行くようなもの。外出自粛要請が出ているせいかカフェは空いていて、お気に入りの奥の席に陣取ることができた。向いの席を見ると若い男性が『どれから食べようかな...』という感じで自分のテーブルにショートケーキを3個並べていた。ひとつはあの薄茶色のクリームが波打ってる感じからしてモンブランだ。あとふたつははっきりわからないが色合いからしてチョコレートケーキとイチゴショートだ。彼はモンブランに目が行っている。たぶんモンブランから食べるのではないかと私は想像する。男性がケーキを食べることは珍しい光景ではないけど、3個となると話は別だ。私は甘いものは嫌いじゃないが少しで充分。3個というのは私からすると尊敬に値する数だ。

彼は思った通りモンブランから食べ始めた。パクッとかぶりつくのかと思いきや、ちゃんとフォークで取り分けて食べている。それが終わるとイチゴショート。最後はチョコレートケーキ。次から次へ口に運ぶからあっという間に食べ終わっていた。私は珍しい動物に遭遇した時のように彼を見つめ続けた。ケーキを食べ終わると彼は注文カウンターに行った「今度は何?」と思いながら見つめているとコーヒーのおかわりをしただけだった。何かを期待していた私は少しがっかりだったが、ゆっくりコーヒーを飲み始めた彼の顔はとても幸せそう。人は自分の好きなもので満たされると自然と幸せ顔になるのだなぁ。いつもイライラしている人はやっぱりギスギス顔になる。それは美人とかブスとか関係なくそうなってしまう。

私はケーキ3個は無理だから、何で幸せになろう ...?

そうだ美味しいお酒でも買って帰ろう。

彼はそれから長い間スマホの画面を眺めながらコーヒーを飲み干し、大きな体をゆさゆささせながらカフェを出て行った。後ろ姿も幸せが滲み出ているように思う。こういう素直な幸せさんを見ると、関係ない私まで幸せな気分になってくる。ちょっとしたお裾分けをもらったような感じだ。私も幸せな顔をして誰かにお裾分けしたい。お酒飲んでる時の顔を見せられないのが残念だ。

幸せのドミノ倒し、どんどん倒れるといいと思う。


読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。